第四十七話
第47話
影の増殖
王都ルミナリア。
夜。
冒険者ギルドの中はいつもより騒がしかった。
テーブルの上には多くの依頼書。
そのほとんどに同じ言葉が書かれている。
魔物出現。
バルドックが腕を組む。
「おかしいな」
アルベルトが掲示板を見ていた。
「王都でこんなに出るのは異常だ」
リュカが聞く。
「さっきのシャドウ?」
ガルヴァンが頷く。
「多い」
エリシアも少し心配そうだった。
「神殿の浄化が間に合っていないみたいですね」
その時。
ギルドの扉が勢いよく開いた。
「大変だ!」
兵士が叫ぶ。
「また出た!」
ギルド中の冒険者が立ち上がる。
アルベルトが聞く。
「どこだ」
兵士が答える。
「西地区!」
アルベルトは剣を握った。
「行くぞ」
五人は外へ飛び出す。
西地区。
住宅街。
人々が逃げていた。
「魔物!」
「逃げろ!」
暗い路地。
そこにいた。
影の塊。
シャドウが三体。
「グォォ……」
アルベルトが言う。
「さっきより多い」
ガルヴァンが大剣を構える。
「倒す」
リュカも短剣を握る。
「赤火!」
炎が飛ぶ。
ドン!
シャドウの体が崩れる。
だが。
すぐに形を戻す。
エリシアが言った。
「不定形だから……」
その時。
白い光が差した。
「浄化」
セラフィーナだった。
聖魔法の光が広がる。
シャドウが消えていく。
数秒後。
三体の魔物は完全に消滅した。
静寂。
だが。
セラフィーナの表情は少し厳しかった。
アルベルトが聞く。
「どうした」
セラフィーナは地面を見ていた。
石畳の上。
黒い跡。
魔力の痕跡。
「……誰かが」
小さく言う。
「作っています」
リュカが驚く。
「作る?」
セラフィーナが頷いた。
「自然発生ではありません」
「意図的です」
アルベルトの目が鋭くなる。
王都の中で。
魔物を生み出している存在。
つまり――
黒幕。
夜の王都に
静かな不安が広がっていた。




