表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/70

第四十五話

第45話

聖女


王都ルミナリア。

王立魔導研究院を出た五人は

大通りを歩いていた。

昼の王都は賑やかだ。

商人。

騎士。

神官。

様々な人が行き交う。

リュカは魔導短剣を見ていた。

刃に光る赤い魔石。

まだ少し不思議な気持ちだった。

「私の武器……」

その時だった。

遠くで悲鳴が上がる。

「きゃあ!」

人々が慌てて逃げてくる。

アルベルトの表情が変わった。

「何か起きた」

ガルヴァンも耳を動かす。

「魔物」

バルドックが眉をひそめた。

「王都の中でか?」

人々が叫んでいる。

「神殿の方だ!」

アルベルトが言う。

「行くぞ!」

五人は走った。

大神殿の前。

広い広場。

そこにいたのは――

巨大な魔物。

黒い影のような体。

形が歪んでいる。

シャドウ型の魔物。

人々が逃げ惑う。

神官たちも慌てていた。

アルベルトが剣を抜く。

「不定形魔物か」

ガルヴァンが言う。

「強い」

影の魔物が唸る。

「グォォ……」

その時。

神殿の扉が開いた。

白いローブの少女が現れる。

長い銀髪。

澄んだ瞳。

神官たちが道を開ける。

「聖女様!」

少女は静かに前へ出た。

セレスティアが小さく呟く。

「……セラフィーナ様」

リュカは目を見張った。

少女は魔物を見つめる。

そして。

手を掲げた。

「光輪神アウレリアよ」

優しい声。

だが。

次の瞬間。

まばゆい光が広がった。

「浄化」

白い光が魔物を包む。

シャドウが苦しむ。

「グアア!」

影の体が崩れていく。

そして。

数秒後。

魔物は完全に消えた。

静寂。

広場の人々がざわめく。

「すごい……」

「一瞬で……」

リュカも呆然としていた。

アルベルトが静かに言う。

「聖魔法」

セラフィーナはゆっくり手を下ろした。

それから。

ふとこちらを見た。

リュカと目が合う。

なぜか。

セラフィーナの瞳が

少し驚いたように揺れた。

小さく呟く。

「……赤」

リュカの胸が

またざわりとした。

王都ルミナリア。

聖女との出会いは

新しい運命の始まりだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ