第四十四話
第44話
赤魔法の研究
王都ルミナリア。
王立魔導研究院。
白い石で造られた大きな建物。
高い塔がいくつも並んでいる。
リュカは入口の前で立ち止まっていた。
「ここ……?」
セレスティアが嬉しそうに頷く。
「はい!」
「研究院です!」
アルベルトが周囲を見ていた。
王都でも特に重要な施設。
王国の魔法研究の中心。
バルドックが腕を組む。
「立派だな」
セレスティアが胸を張った。
「魔法研究の最高機関ですから」
中へ入る。
広い廊下。
魔導具。
本棚。
研究者たちが忙しそうに歩いている。
リュカは少し緊張していた。
「なんかすごい……」
セレスティアはリュカを奥の部屋へ案内する。
「ここです!」
研究室。
机の上には紙や魔導具。
水晶の装置もある。
セレスティアが椅子に座る。
「では」
「赤魔法を見せてください」
リュカが短剣を握る。
新しい武器。
魔導短剣。
「赤火」
炎が生まれる。
赤い炎。
セレスティアが水晶をかざした。
水晶が光る。
「やっぱり……」
紙に何かを書き込む。
「白魔力」
「黒魔力」
「両方検出」
目が輝いている。
完全に研究者だ。
リュカが聞いた。
「怖くないの?」
セレスティアが顔を上げる。
「え?」
「赤魔法」
リュカは少し俯く。
「村では……」
忌み子。
その言葉を思い出す。
だが。
セレスティアは首を振った。
「違います」
真剣な声。
「赤魔法は」
「とても貴重な力です」
リュカは驚いた。
「貴重?」
セレスティアは言う。
「白と黒」
「両方使える魔法使いなんて」
「伝説です」
その時。
研究室の窓から
遠くの塔が見えた。
大きな神殿の塔。
エリシアがそれを見て言った。
「大神殿ですね」
セレスティアが頷く。
「はい」
「聖女様がいらっしゃいます」
リュカが聞く。
「聖女?」
エリシアが説明する。
「聖魔法を使える特別な存在です」
セレスティアが少し楽しそうに言った。
「もしかしたら」
「近いうちに会えるかもしれません」
リュカは神殿の塔を見た。
白く輝く建物。
その中にいる人物。
まだ知らない。
その聖女が
未来で
大切な仲間になることを。




