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第二十六話

第26話

洞窟ダンジョン


洞窟の中は暗かった。

湿った空気。

岩の壁。

天井から水滴が落ちる。

ポタ……ポタ……

リュカは少し身震いした。

「冷たい……」

エリシアが小さく手を上げる。

「光よ」

淡い光が手の上に浮かぶ。

小さな光球。

周囲を照らした。

リュカの目が輝く。

「すごい」

エリシアが微笑む。

「簡単な白魔法よ」

アルベルトが前を見ながら言う。

「助かる」

ガルヴァンが先頭を歩いていた。

大剣を肩に乗せている。

完全に前衛だ。

その後ろにアルベルト。

中間にバルドック。

後ろにリュカとエリシア。

完璧な隊形だった。

しばらく歩く。

洞窟は奥へ続いている。

その時。

ガルヴァンが手を上げた。

「止まれ」

全員が止まる。

リュカが小さく聞く。

「どうしたの?」

ガルヴァンは耳を澄ませていた。

「……来る」

次の瞬間。

影が動いた。

岩陰から飛び出してきたのは――

ゴブリン。

三匹。

「ギャッ!」

アルが剣を抜く。

「小物だ」

突進。

ザンッ!

一匹が倒れる。

二匹目がリュカへ向かう。

リュカが前に出る。

「赤火!」

炎弾。

ドン!

ゴブリンが吹き飛ぶ。

残り一匹。

バルドックが笑う。

「任せろ」

戦鎚を振る。

ドゴォン!!

ゴブリンが壁に叩きつけられた。

戦闘は一瞬だった。

静寂が戻る。

リュカが息を吐く。

「早い……」

アルベルトが剣を収めた。

「ダンジョンの入口はこんなもんだ」

だが。

ガルヴァンはまだ警戒していた。

奥を見つめている。

「……違う」

アルベルトが聞く。

「何が?」

ガルヴァンが低く言った。

「この洞窟」

「広い」

エリシアが周囲を見る。

確かに。

横穴がいくつもある。

複雑な構造だ。

バルドックが笑った。

「完全にダンジョンだな」

アルベルトが頷く。

「奥に何かいる」

リュカもそれを感じていた。

洞窟の奥から

重たい空気が流れてくる。

魔物の気配。

強い存在。

アルベルトが言う。

「慎重に行く」

五人はゆっくり進む。

洞窟の奥。

暗闇の中で――

何かが

静かに待っていた。

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