第二十二話
第22話
白魔法
翌日。
町の外。
広い草原を四人は歩いていた。
アルベルト、ガルヴァン、リュカ、エリシア。
新しいパーティーだ。
リュカは少し嬉しそうだった。
「お姉ちゃんと冒険するの変な感じ」
エリシアは優しく笑う。
「そうね」
「でも嬉しいわ」
アルベルトが前を歩きながら言う。
「今日は軽い依頼だ」
依頼内容。
街道の安全確認。
魔物が出ないか調べる仕事だ。
ガルヴァンが耳を動かす。
「……来る」
次の瞬間。
草むらから魔物が飛び出した。
「ギャッ!」
ゴブリン。
二匹。
アルベルトが剣を抜く。
「俺がやる」
一歩踏み込む。
ザンッ!
一匹が倒れる。
もう一匹がリュカに向かう。
リュカが短剣を構える。
「赤火!」
炎弾。
ドン!
ゴブリンが吹き飛ぶ。
すぐに静かになった。
アルベルトが剣を収める。
「問題なし」
だがその時。
リュカが足を押さえた。
「……あ」
ゴブリンの短剣がかすっていた。
小さな傷。
エリシアがすぐ近づく。
「見せて」
手をかざす。
優しい声で唱える。
「ヒール」
白い光が溢れた。
傷がゆっくり消えていく。
リュカが驚く。
「すごい……」
エリシアが微笑む。
「白魔法よ」
リュカは少し感動していた。
森ではこんな魔法は見たことがない。
アルベルトが言う。
「ヒーラーがいると助かる」
ガルヴァンも頷く。
「安心だ」
リュカは足を動かしてみる。
痛みは完全に消えていた。
「ありがとう」
エリシアは優しく頭を撫でた。
「無茶しないでね」
その時だった。
ガルヴァンの耳がまた動いた。
「……違う」
アルベルトが聞く。
「何が?」
ガルヴァンが森の方を見る。
「さっきの魔物じゃない」
空気が少し重くなる。
草むらの奥。
ぬるりとした影が動いた。
次の瞬間。
森から現れたのは――
緑の鱗。
長い尾。
鋭い槍。
リザードマン。
リュカが息を呑む。
「新しい魔物……」
ガルヴァンが大剣を抜く。
「Cランク」
アルベルトの目が鋭くなる。
「少し強いな」
リザードマンが低く唸る。
「シャアア……」
そして。
槍を構えた。
四人の冒険者も武器を構える。
新しい戦いが
始まろうとしていた。




