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第十六話

第16話

オーク


畑の向こうで、オークが唸った。

「グオオオ!」

緑色の巨体。

筋肉の塊のような腕。

手には太い棍棒。

リュカは短剣を握り直した。

(大きい……)

森で見たことはある。

でも。

戦うのは初めてだ。

アルベルトが静かに言う。

「落ち着け」

剣を構える。

「正面は俺が引く」

ガルヴァンが大剣を肩に乗せた。

「横から叩く」

アルベルトがリュカを見る。

「リュカは援護」

リュカは頷いた。

「うん」

その瞬間。

オークが突進してきた。

ドンッ!

地面が揺れる。

アルベルトが前に出る。

「こっちだ!」

剣を振る。

ザンッ!

オークの腕に浅い傷。

オークが怒る。

「グアア!」

棍棒を振り下ろす。

ドォン!

地面が砕けた。

アルベルトが横へ跳ぶ。

「力は強い!」

ガルヴァンが横から走る。

「任せろ」

大剣を振り上げる。

「はあっ!」

ザシュッ!

オークの背中が裂けた。

だが――

倒れない。

「グオオオ!」

オークが振り向きざまに棍棒を振る。

ガルヴァンが後ろに下がる。

「硬いな」

リュカが手を前に出した。

「赤火!」

炎弾が飛ぶ。

ドン!

オークの胸に命中。

だが。

「グゥ……」

少しよろめくだけだった。

リュカは驚く。

(ゴブリンより強い)

アルベルトが叫ぶ。

「リュカ!」

「足だ!」

リュカは理解した。

体は硬い。

でも――

関節は違う。

リュカが走る。

「はやあし!」

赤い光が足元に広がる。

一気に距離を詰める。

オークの後ろへ回る。

短剣を振る。

「赤刃!」

炎をまとった刃。

ザシュッ!

膝の裏を斬る。

「グアア!」

オークの体が崩れる。

アルベルトが叫ぶ。

「今だ!」

ガルヴァンが踏み込んだ。

大剣を両手で握る。

「終わりだ」

剣が振り下ろされる。

ズドォン!!

オークの体が地面に倒れた。

土煙が舞う。

しばらく誰も動かなかった。

やがて。

アルベルトが剣を収めた。

「討伐完了」

リュカは大きく息を吐いた。

ガルヴァンがリュカを見る。

「いい判断だ」

短い言葉。

リュカは少し驚いた。

「え?」

ガルヴァンが言う。

「膝を狙った」

「正解だ」

アルもベルト笑う。

「完全に連携だったな」

リュカの胸が少し温かくなる。

一人ではない。

三人で戦った。

それが分かった瞬間だった。

遠くで農民が駆け寄ってくる。

「倒したのか!?」

アルベルトが頷いた。

農民は何度も頭を下げた。

「ありがとう!」

リュカは少し照れた。

村では

恐れられていた魔法。

でも今。

誰かを

助けることができた。

リュカは空を見上げた。

青い空。

胸の奥が少し軽くなる。

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