悲しい悲劇
「しおり行けえ」
「あの龍翔とやりあえてるぞ」
「龍翔を倒せ」
野次馬どもの声が飛び交う中、俺たちの戦いは続く。
しおりの行動パターンも少しながら、読めてきた。
正直、俺に負ける要素はない。
でも抜かれた・・・
「くそが・・・・」
もう決めさせてたまるか・・・
俺のブロックをダブルクラッチでかわし、点を決めてきた。
「ちくしょーが!!」
お返しに俺も、フルドライブからのスリーで入れ返す。
得点は、俺が4点、しおりが6点。
もう6回もあいつのオフェンスしてるのに、一回も止められてねえ・・・
しかも俺は、まだ3回・・・つまり半分の確率でしか決めてねえ・・・
なんでだよ・・・
あいつの動きは読めてる・・・
でもどうしても最後の最後で、一歩及ばない・・・
「あんたの番よ」
俺は、しおりからボールを渡され、オフェンスをする。
こいつをどうしたら倒せるんだよ・・・
どうすれば・・・
でもその答えは、思いつかない。
くそっ
これじゃまた他のやつに笑われる。
「俺は負けられないんだよ。」
パン!!
素早く右から左に揺さぶるフェイクを入れて、反対側に切り替えした。
これは、完全に抜けた。
「ここで決めてやるよ」
「くそっ・・・」
あいつも反応が遅れてる。
これは・・・
ビキッ・・・・
「あがっ・・・」
右のアキレス腱に稲妻が走ったような痛みに襲われた。
「え?」
俺は、あまりの痛さに絶叫した。
「うわあああああああああ!!痛てえよ・・・いでえええええ」
その痛みは、尋常じゃなかった・・・
もう立ってなどいられず、俺は地面に倒れていた。
「おい、大丈夫か」
しおりたちが俺の周りに駆けつけてきた。
俺は、頭がぼんやりとしてくる。
俺のからだのあちこちが悲鳴を上げていく・・・
「これが薬の副作用だというの・・」
私は、唖然とした。
その時、笑い声が聞こえた。
そこを向くと、一人の少年がこちらに向かってきた。
「これは、すごいな。まさか俺の作った怪物をまさか倒すなんて素晴らしい力もってるじゃねえかおい」
「先輩・・・」
山田はひどく動揺していた。
紫色の髪が両目にかかっていて、顔がよく見えない不気味な感じの少年は、興奮した口ぶりでそんな事を言った。
こいつが、黒幕か・・・
ぶっ殺して・・・
そう思ったとき、彩夏がその少年を思い切りビンタした。
バチン
「っ・・・」
彩夏は堂々とした立ち振る舞いで言った。
「あなたの勝手な都合で、どれだけ人を傷つけたと思ってるのよ」
修助もそれに加わろうとするが、山田に止められていた。
彩夏は、震える拳を強く握り締めていった。
「あなたみたいなクズがいるせいで、関係ない人まで不幸にするんだよ!」
紫髪の少年は、手を広げ、呆れた様子で言った。
「俺は、その少年の願いを叶えたんだよ」
こいつ・・・
私は、怒りがピークを突き破るほど、爆発していた。
「お前だけは私が許さない」
怒りに任せて、殴ろうとしたとき・・・
「やめろしおり!!」
その声に私を含むみんなが注目した。
その声の主は、
「龍翔・・・」
痛みを必死にこらえながら、辛そうに言った。
「お・・・れが・・わ・・るい・・・」
修助はそれをいち早く否定した。
「どう考えたってこのクソヤローが悪いだろ」
紫髪の少年は、鼻で笑いながら言った。
「本人だってそういってるだろ?俺は、彼の意思に従って絶大な力を与えてあげたんだ逆に感謝して欲しいものだ」
この発言に耐えられなくなった私を含む、他の5人は、一斉に紫髪の少年をボコボコにした。




