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今世と前世と罪と罰  作者: 月迎 百
第10章 川上健司
251/258

11 第1位

どうぞよろしくお願いします。

 食べ物は完売。時間内に全部売り切れだ。

 都が空になったクーラボックスを持って帰るので講堂のエントランスに運ぶのを手伝って欲しいとお願いしている。

 すぐに数人が「運びます!」「都さん、ありがとうございました!」なんて都のためにクーラーボックスを2~3人で組になって運んで行った。


「じゃ、私もホテルに戻るから。

 後夜祭で順位発表があるんだって?

 しっかり伝えてあげなね。

 ま、手の傷、悪化しないよう!

 無理しないんだよ」


「都、いろいろ、ありがとう……」


 都は俺の右肩に手をかけ、耳元で言った。


「実はトモちゃんの方が川上にベタ惚れじゃない?

 あんな姿、見せられちゃったら……。もう応援するしかないじゃない!」


「……まだ認めてくれてなかった!?」


「うーん、川上にトモちゃんはもったいないと思ってたんだよね。

 でも……、大切にしなさいよ!」


 急に離れて右肩をぱんっ! と叩かれた。

 左腕に響くんだが……。



 後夜祭、俺は直前まで警察対応してくれていた西村先生と田中先生と学院長と話をしたりもあり、さすがに疲れてしまった。ステージから離れて座れる場所から見ていた。


 朋佳のクラスが1位だった。

 そりゃ、ドーナツ、バスクチーズケーキ、クッキー、キャラメルポップコーン、パンケーキと他の模擬店は甘い物ばかりだったからな。

 巫女服のスタッフ姿も目立っていて、メニューの種類もあって、かなり話題にもなっていた。

 俺はスマホでステージ全体の写真を撮った。

 田中先生が来た。

 

「痛むか?」


「はい、痛み止めが切れてきたみたいです。

 でも、今は帰宅するまでやめておきます」


「……あと少しだな。あと4ヶ月か。若宮の卒業」


「はい……」


「今回は若宮の親戚の方のトラブルってことになったけれど、あの奥さん、川上の友人と言うか元彼女なんだろ?」


 俺は苦笑した。


「はい、朋佳も全部知っています」


()()だ、まだ気を抜くな」


 その後、クラブの順位発表が始まった。


「さてと……、川上はここで見てるか?

 自然科学部と文芸部はまた上位入賞だろ。

 受け取って来てやるよ」


「よろしくお願いします」


 俺は軽く頭を下げた。


 自然科学部と文芸部はなかなか名前を呼ばれず、これは……もしや!?


「第1位! 自然科学部と文芸部のコラボ展示発表です!!

 3年目に入ったコラボ活動で、初めての1位となりました!!」


 司会が高らかに言って、伊藤や麻岡ら自然科学部と文芸部の高校生達がステージに上がり飛び上がって喜んでいる。


 田中先生がステージ上に現れ、こちらを指差した。

 麻岡が満面の笑みで手を振る。

 俺はその様子をスマホで動画と写真に撮った。

『朋佳のクラスに朋佳のクラブ。どちらも1位だよ。おめでとう』

 朋佳にそう送ってやった。

読んで下さり、ありがとうございます。

後3話で第10章は終わる予定です。

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