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今世と前世と罪と罰  作者: 月迎 百
第10章 川上健司
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9 お尻が3つに

どうぞよろしくお願いします。

 後は朋佳の母に任せて、俺と都は学院に戻った。

 都はこのまま模擬店の様子を見に行くと高校棟の前で別れた。

 学院長と朋佳の担任島先生に報告した。

 警察が来ていて、西村先生、田中先生、加藤が現場で説明をしているそうだ。

 そちらにも顔を出すように言われ、駐車場に行ったが、怪我をしていることを(いたわら)れ、いくつか立ち位置の確認をされただけだった。

 すぐに解放され、加藤と理科準備室へ行った。


「川上先生! 朋佳大丈夫なん!?」


 理科準備室に入るなり麻岡に聞かれた。

 麻岡、伊藤、相原、ソウヤ、田中先生、横川と加藤が集まっていた。


 俺が帰って来る前に朋佳の母が学院に電話を入れてくれたこともあり、島先生はクラスの方に朋佳が怪我をして病院に搬送されたが軽傷で大丈夫なこと。大事を取って今日は入院することになりましたと伝えてくれたそうだ。

 朋佳が飯塚に匠海くんの元父親がDV男だと話して模擬店を出たこともあり、そこらへんと揉めたんじゃないかとクラスのみんなは心配しているという。


 朋佳の伯母と篠原と匠海くんは篠原の御両親が迎えに来てくれ、すでに帰宅したそうだ。

 天堂家も今回のことで不法侵入があったことを警察に話し、鍵を交換することにしたそうだ。


「『無敵の人』ってやばいですよね……」とソウヤがぼそっと言った。


 どうやら、簡単には話を聞いているらしい。

 加藤が言った。


「俺が天堂の言動についてだけは話した。

 捕まえた時に言ってたんだ『俺にはもうなにもない』とね。

 何が何もないだ。篠原や匠海くんをあんなに苦しめておいて!」


「でも……、無差別とか考えなくて、まだよかった」


 俺は自分の左手を見ながらしみじみと言った。


「でも、トモ、お尻ってなんでそんなところを……」


 伊藤が不思議そうに聞いた。

 田中先生が急に言った。


「ああ、あれは愛だな」


「愛?」


 麻岡が顔を顰める。


「あの男に川上が飛び掛かったんだが、ナイフを持っていてね。

 川上のいた場所からだと見えなかったんだろう。

 揉み合いになって、川上が手を切られ、遠ざかろうとしてバランスを崩し座りこんだ。

 あの男が近づいてナイフを振り上げて、その時、若宮がその間に飛び込んで、川上の頭を抱いて守ったんだよ」


「マジか、トモちゃんすげえ……」


 ソウヤがすごく感心したように言葉を漏らしたのだが、逆に麻岡と伊藤と横川の雰囲気が冷えた気がする。


「川上先生、何やってんのよ。ダサすぎ」


 麻岡は容赦ない……。何故か都の顔が浮かんだ。

 その時、スマホが震えた。

 取り出すと同じタイミングでみんな取り出している。

 朋佳からのlineだった。


『ご心配おかけしております。

 私はお尻が3つに割れるとこでしたー!!

 無事に縫い合わせて頂いたのでご安心を。

 泉神社、ラストスパート!!

 頑張れってみんなに伝えてね。

 それから典ちゃんには大感謝を!!

 斬りつけられた時、袴のベルトみたいな所に最初の一撃が当たったそうで、ベルト芯がすごい丈夫だったらしい。

 防刃かってくらい?

 それで背中や腰の大事なところは傷つけられず、そのナイフが下がった先のお尻に傷ができちゃったぐらいで済みました。

 血が出て、びっくりして貧血みたいになって倒れちゃったけど、もう大丈夫です。

 あ、私の荷物と制服、誰か保管しておいて頂けないでしょうか?』


「ふふっ。大丈夫そうだね」


 伊藤が笑って、ソウヤと顔を見合わせている。


「お尻でよかったよ、いやよくないか……」


 麻岡がぶつぶつ言って、顔を上げた。


「制服とカバン、私届けようか?」


「あ、じゃあ俺達も一緒に行くよ」


 ソウヤが言って相原を見た。相原は麻岡に言った。


「アキは後夜祭があるだろ。

 ちゃんと見届けないと」


「……そうだね。しっかり見届けて、報告しなきゃ、トモに」


 横川が言った。


「私が届けるわ。教頭に報告してすぐ出れるから」


「俺も行くよ。車で送る」


 加藤が言うと麻岡が立ち上がる。


「じゃあ、トモのカバンと制服、一緒にまとめます」


 伊藤がソウヤと相原を見て立ち上がった。


「私達も一緒に行く! 

 典ちゃんにお礼を伝えたいし!」


 田中先生が横川に言った。


「教頭には私が話をしておく。出る前に職員室に寄って声を掛けてくれ」


 俺も一緒に模擬店へ行くことにした。


読んで下さり、ありがとうございます。

巫女衣装、典ちゃんがいろいろ工夫してたんです。

普通の神社の巫女衣装はそこまで腰板とかはないらしいんですけど。

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