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今世と前世と罪と罰  作者: 月迎 百
第9章 若宮朋佳
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16 無言の攻防

どうぞよろしくお願いします。

「あけましておめでとうございます。

 今年もよろしくお願いします。

 家からです!」


 そう言いながら母から持たされたお菓子の箱を天堂さんに渡す。


「ああ、あけましておめでとう。ありがとうね。

 これから出る準備をするから上がって」


 私はアキとマユミを紹介しながら、家の中に入って、上着を脱いでかけた。

 リビングに入るとダイニングテーブルの上がまだ朝食が食べかけの状態で!?

 私の驚いた表情を見て天堂先生が言う。


「……匠海は食べ終えて、もう着替えたんだけど。私がまだ途中で……」


 そんな頭をかきながら言われても。キッチンの流しも……、そのままか。


「アキとマユミで匠海くんと遊んでてくれる?

 私、流しの洗い物しちゃうわ」


「了解!」とアキが言って「匠海くん、好きな絵本教えて」と話し掛けている。

 マユミもそちらに行ってくれた。

 私はエプロンを(持参しましたよ)身につけ、流しの皿やフライパンを洗い始める。

 天堂さんはなぜか満足気にダイニングテーブルの食事に戻って行った。

 私はざっと食器を洗い、洗いカゴに伏せておく。

 お皿のしまう場所まではわからないし、とりあえずこうしておこう。

 見ると、天堂さんは食事を終えたようだ。こちらを気にしながらマグカップをなんとなく弄んでいるような……。

 片付けるんなら食器ぐらい下げて欲しいし、こちらから聞くのも……変な気がする。

 私はエプロンを外して「洗い物終わりました! 後はご自分で下げておいて下さい!」と声を掛けて匠海くんの方へ行った。

 目の端にマグカップを突き出すようにしている天堂さんの姿がちらりと見えた。

 コーヒーを淹れろってんじゃないだろうか!?

 自分で入れて下さい!!

 気づかない振りで匠海くんに声をかけた。


「お待たせー!」


 天堂さんが椅子から立ち上がったのが気配と音でわかった。そのまま、何も持たずに洗面所の方へと消えた。

 食器下げんのかいっ!

 マユミがなんとなく困ったようにダイニングテーブルの上と私を見る。


「いいよ。私達は匠海くんと遊ぶために来ているんだもの」


「自分の皿は下げるのがマナー!」とアキも言った。


 天堂さんが外出の準備をしてリビングに戻ってくる。ダイニングテーブルのまんまの状態を見て表情が強張っている。

 何も言わなくても、片付けるとでも!?

 まあ、頼まれても下げるぐらいはして下さいと言う気だけど。

 何も言わないので私から声を掛けた。


「準備できました?

 じゃあ、初詣に行きましょうか!」


 私は高らかに明るく言った。

読んで下さり、ありがとうございます。


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