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TS転生! トラウマ女神のやりなおし〜 王国編〜 ♡♡♡最強美少女になったはいいけど、心まで女になるなんて聞いてない!♡♡♡  【王国編完結保証!】  作者: トンブタ
第22章 奇跡、再び。

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441-22-3_王妃からの招待状

 周囲の人たちを観察していると、ローラ夫人の背後から、突然、恥ずかしそうに令嬢が声を掛けてきた。丸く愛らしい目が印象的な少女だ。年齢的には私と同じくらい?


「あ、あの、に、西の貴婦人様、ご、ご機嫌よう……」


「はい、どちらのご令嬢でしょうか?」


「え、えと、わ、私は、み、南の……」


「あぁ、分かりますよ、南のご令嬢ですね」


「よ、良かった。え、えと、ご子息様は、お元気にされておられますでしょうか?」


「もしかして、息子のご学友のお嬢様かしら?」


「は、はい」


 レイナードお兄様の同級生? 私よりも身体の線が女性的。う〜ん、お兄様、やっぱりモテるのね。それにしても、ローラ夫人に直接話そうとするなんて、この子、見た目よりも積極的みたい。


 イリハの口がへの字になっている。

 ローラ夫人は令嬢に優しく答えてあげた。


「そうですね、私も元気にしていて欲しいと願っています。ですが、息子は今、主人の申し付けで王都を離れました。しばらくは戻らないでしょう」


「レイナード様に何かあったのですか? あ!」


 彼女は、咄嗟にレースグローブをはめた手で口を覆った。個人の名前を口にしてしまって、焦っている。


「す、すみません!」


「いいのですよ。息子の事を気に掛けていただいているのね、ありがとう、南のご令嬢」 


 令嬢は、頭を下げて慌てるように行ってしまった。


「失礼な人! あんなの私は認めない!」


「イリハ、そういう言い方をしてはいけません」


 ローラ夫人がイリハを諌める。


「だって……」


 イリハの頬が膨らんでいる。彼女はボソッと呟いた。


「エリアがお兄様と結婚すればいいのに……」


 は? 何、バカのこと言ってんの? 聞こえないフリしよう。


 それにしても、満月のお茶会とは我が家の令嬢を売り込んだり、息子の嫁を探したりと、つまりはそういう場なのだ。


 ふぅ〜、なんか大変な場所に来ちゃった気がする……。




 レイブン伯爵夫人の仕事は完璧だった。しばらくすると、貴婦人に囲まれて身動きできない程になってしまった。


「ホッホッホ、そちらが銀の髪の妖精さん? まぁ、お美しい! 是非、うちの晩餐会にもお越しくださいな」


 ローラ夫人が楽しげな笑みを浮かべる。

 苦笑いするしかない。


「え、ええ、フフフ……」


「あらまぁ、見事な銀の髪。ご婚約はされてらっしゃるのかしら? うちには息子が三人もおりますから今ならより取りみどり、選び放題ですわ、ウフフフ」


「そ、そうですか、アハハ……」


「あなたなら、うちのイケメン息子にも釣り合いますわね、オホホホ。嫁候補リストの一番上に入れて差し上げましょう」


「い、いやぁ、それは……」


 はぁ〜、この場から離れたい……。そう思った時、小さな視線を感じた。


 ゴテゴテの衣装を纏った貴婦人たちに混じって、周囲と雰囲気が異なり清楚感が漂う少女が一人、羨望の眼差しでこちらを見ていたのだ。その令嬢はピンク色のふわふわと膨らんだドレスを着て、頬に手を当てながら口を開けたままにしている。


 彼女と目が合った。


 黒目がちな瞳に長い栗色の髪、それに長いまつ毛の上品な顔立ち。私に何か言いたげな表情だ。


「あ、あの……」


 そう言って声を掛けようとすると、彼女は慌てて行ってしまった。


 今のは、どこのご令嬢かな……? 


 彼女と入れ替わりに王宮の女性従者が近寄ってくる。従者は一礼し、ローラ夫人に何かを手渡した。


「銀の髪のご令嬢、そして、薬師の従者の方にこれを」


「確かに承りました」


 ローラ夫人が、王宮の紋章が刻印された銀製のカードを二枚受け取った。


「エリアさん、このお誘いはお二人に宛てられたものですので、私がご一緒するわけにはまいりません」


 いつの間にか側にいたレイブン伯爵夫人が、カードを覗き込む。


「王妃様からお呼びがございましたわね、良かったわ。第一王子様のご容態は分かりませんけれど、あなたなら、ゆくゆくは皇太子妃候補になれるんじゃないかしら。頑張って王妃様に名前とお顔を覚えてもらってらっしゃい」


「あ、ありがとうございます」


 ヨシっ! 皇太子妃なんて興味ないけど、王妃様の信頼を勝ち取る絶好のチャンスだ!


 早速、サナレさんとともに王妃の控え室に向かった。

 入り口の従者にカードを見せる。


「どうぞ」


 彼女が扉を開けると、控え室も明かりを落とした薄暗い部屋だった。手前にはパーテションが置いてあり、二人の女性従者が仕切りの両脇で頭を下げた。


「こちらへお越しください」


 左側の従者に続いてパーテションを回り込むと、黒いスーツを着た女性たちにボディチェックをされる。奥には女性らしき剣士も三人立っている。そのさらに奥には別の部屋が見えた。


「どうぞ、お進みください」


「はい」


 従者の後に続いて女騎士の脇を抜け、奥の部屋へ向かう。従者は扉の前で一礼すると部屋の中に向かって呼びかけた。


「ボズウィック男爵様ご令嬢と、従者の方でございます」


「お通しして」


「かしこまりました」


 従者の女性は扉から身体をずらし、通路を開けて頭を下げた。


 この奥に、王妃様がいるのね……。

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