037 消えていた記憶
KABANE side
ただ癖で呼んでしまったんだろう。運動をしたり楽器で演奏する人はしばらくやらなくてブランクはあっても、最低限出来る。普段の私生活だって、癖は意識しなくても気づいたら行なっているもの。
ただ、その癖がきっかけで、ただ意識せず呼んだだけで欠けてた記憶が、パズルのピースのようにカチッとはまった。
「そうか………忘れていたのはこれか」
「本当にどうしたん?疲れてる?」
ミミさんが心配して声をかけてくれる。
それはタケやサクラさん、クリスさんも同じでミミさんが率先して声をかけてくれただけで3人も心配そうにしてくれている。けど、まだ話すわけにはいかない。
「いや、なんでもない。平気だよ」
全員が記憶が消えてるのはおかしい。何者かによって記憶に干渉される以外。
この世界には魔法があるんだ、そのくらい出来るはずだ。言語が分からなくてもお互いに通じるようになる魔法があるなら記憶改変とかの魔法やスキルがあって、何かの理由で消してたとしたら今思い出したのを悟られたらまた消される。
それだけはダメだ。せっかく思い出せた記憶をまた消されたんじゃ堪ったものじゃない。
そして、頭の中には一つの行動が浮き出ていた。
「なぁ。しばらく城を出ようと思うんだけどどう思う?」
クラスメイト全員と王様や姫様が集まってるこの場で聞くのは少し急ぎすぎたかもしれないけど、できる限り小声で3人に話す。
「急だな………どの道ギルドでお金を稼ぐのは事前に決めてた事だろ?。城を出る必要あるか?」
「そ〜そ〜。ここで鍛えつつでいいじゃん」
タケとミミがそう言う。こう返ってくるのはわかっていた。ただ、城から出た方が少しは動きやすいと思ったから提案しただけだ。
シカバネの事を調べるのに、敵がいるかもしれないここを拠点にできないからせめて、街の方に降りたかったけど。
「いいよ。カバネくんがそうしたいなら」
サクラさんからは予想とは違う返事が返ってきた




