028 勇者の誕生 思い出す記憶
LIGHT side
こっちの世界に慣れて、こっちの世界での何気ない朝だった。
グループごとに分かれて、訓練をしていた。けど、突然俺らクラス全員が王生に呼び出された。
拒否する理由もないから来てみれば先に来てるやつも割といる。最後にカバネ、タケ、サクラさん、ミミ、その3人の先生、クリスさんって人が来ると姫様が話し始める。
そしてその話を簡潔的に言えば。
俺が邪の魔王にトドメを刺す勇者らしい。
KABANE side
ずっと不思議に思っていた。
召喚された時から姫様は俺らのことを『勇者様方』と呼んでいた。
もしかしたら、ここにいる全員でその邪の魔王というのを倒すのだと思っていた。けど、そうじゃなかった。
俺らの中にいる勇者がまだ判別できていなかった。だから、『勇者様方』と呼んでいたわけだ。
「んにゃ〜………ライちゃん勇者なんだぁ」
「アイツはメチャクチャ人が良いからな。お調子者だけど、困ってる人は進んで助けるし。
前にトラックに轢かれそうなおばあさんを助けたらしいぞ」
「みゃ!?。2人とも怪我はなかったの?」
「ライトの判断が早かったからな。2人とも怪我はなかったみたいだ」
「ん〜、私なら一瞬迷って体が動かないなぁ。死んじゃうの怖いし。そう考えるとライちゃんはすごいや」
タケとミミさんの話を聞いていると思うところがある。ミミさんの喋り方が猫っぽくなってる気がするとかではなく。
異常なほどの勇気。
勇者は『勇気のある者』だから勇者。
決して特別な才があるわけでもない。ただ、どんな人よりも勇気があり優しさを持つ。そんな者は神に愛され、そして神に頼られて勇者となる。
名前を忘れたけど、とあるラノベ小説に書いてあった言葉を思い出す。
『勇気のある者』………勇者というのはもしかして、人が恐れる者を倒す責任を押し付ける対象なのではないか?。
邪の魔王が恐ろしい。けど、こちらから手を出せない。
神は人を救うためでも自分から手を出せない、ならば自分が最も愛し、信じれる人間に託す。
そういうことなのでは?と、考えてしまう。
「どうしたの?カバっち」
「あ、いや。ただ、ライトは大丈夫かなって」
「そうですよね。ライトさんも私たちも元々はただの平凡な高校生。魔王を討つ勇者なんて」
「1人には荷が重いってか?カバネ」
「あぁ。………シカバネならどう思──」
ふと、後ろを向いて誰かに問いかけようとした。
「シカバネ…………?」
「おい、カバネ。誰に話しかけてんだ?」
「シカバネってだれ〜?カバっちの親戚?」
「カバネくん?」
そうだ………そうだ。
ミミさんな言われていた違和感はこれだ。『カバッちはさ。2人いたりする?』2人いたりじゃない。いるんだ。俺の親友………屍が!




