027 目醒めた器
「スイ、大丈夫?」
「えぇ………まだ痛むけど。魔王、あんた魔力量が一気に増えた気がするんだけど。あんたの周り寒いし」
《真の氷の魔王に目覚めたことにより伏せられていた称号が氷の魔王に開花しました。魔力量も大幅に上昇、ついでにデミリットも》
「デミリット?」
《極端に言えば暑さや熱はただの人間と同程度の耐性がありました。ですが、厚着などによる服の内側に溜まる熱はダメになりました。
常時薄着でないと熱中症を起こします》
「それ………寒くない?というか、それ日光で肌焼かれるよね」
《大丈夫です。氷の魔王になったことで新スキル【冷耐性Lv.10】と【寒気無効】を会得してるため寒いことはこの先ありません。日光もこの大迷宮をクリアするまでにはどうにかします》
「そう………じゃあいい」
声と魔法、スキルのサポートしか体のない的な意味で出来ないイリスがどうするつもりなのかわからないけど任せておこう。
スイも痛みはあるけど動けるようだし、警戒しつつ大迷宮を進んで行く
KABANE side
これはほんの数日前の話だ。
俺らsurvivorは慣れてきた日課という名の訓練をしていた時。
1人の兵士から王に集合をかけられていると報告され、よくわからないまま俺らはついて行った。
王座のある広い部屋、王の間というのか………そこに向かうとクラス全員がいた。自分達が最後のようで部屋に入ると同時に王の隣にいた姫様が話し始める。
「勇者様方。いえ、勇兵様方」
「勇兵?」
なんだそれ、勇兵って。
「勇兵、それは真の勇者の仲間となる方々の呼び名のことです」
「真の勇者………」
「カバっチ、なんのことだと思う?真の勇者」
「わからない………まだ話は終わってないみたいだしもう少し待とう」
「真の勇者は邪の魔王を討つために生まれる最強の英雄とされています。その人物は世界に1人しか存在していられません。そして、その勇者がついに現れたのです」
姫様は少し演技くさく喜びながら1人の人間を指した。
クラスメイトのライトと呼ばれる男。いつも明るく、誰とでも仲良くなれることからそう呼ばれている彼が指された。
「あなたには勇者として英雄となってもらい、この国を!世界を!救ってほしいのです!」
「お、オレェエエエエ!?」
本人も………今初めて聞いたようだ




