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16 勇者を甘やかすわけにはいきません


 お別れパーティーで思いっきり飲んで、酔った勢いでシモンにやられちゃったよ。

 ギリギリ危険日は終わったかどうかってくらいだとは思うんだけど、アリエルの体の生理周期がどうかとか、まだちゃんとつかめてないし、基礎体温とか測ってるわけじゃないから、余裕を持っていたかったのに。

 まぁしてしまったことはしかたがない。


 やればできる。


 このことをシモンにも忘れないようにしてもらいたいものです。


 さて、本来の小説の流れですと、パーティーと別れた翌日、すなわち今日、アリサちゃんとシモンが再会するわけですが、実際のところ小説よりもダンジョンのボス攻略はずいぶん早かったと思うんです。

 アリエルがチートキャラ化してませんでしたからね。

 たぶん、まだアリサちゃんは旅立ったかどうか微妙な頃だと思う。

 この街にくるのは、1週間から10日間くらいかかるんじゃないかなと。


 根はコツコツとマジメな努力家のシモンですが、今はやりたい盛りのただのスケベなオスと化していますから、下手するとアリサちゃんくるまで愛欲の日々となりかねません。

 ここはビシッと気を引き締めていきましょう。


「さぁシモン、起きるのよ。

 準備したらダンジョンに行くわよ」

「アリエル、今日くらいはのんびりしようよ」

「のんびりして、どうするのさ」

「そりゃ、アリエルと2人で愛の……」

「却下。これから、しっかり稼がなかった日はそういうのは、なしにすることにしましょう」

「えー」

「わたしはコツコツと頑張り屋のシモンが好きだな」

 ニッコリと可愛らしく微笑んでみた。

「よし、がんばるか」

 シモンもちょろすぎますね。


 ☆★☆


 ダンジョンに入るとまずは真っ直ぐに第1層のボスへ。

 ちゃんと補助魔法かければ、シモン1人でもなんとかなると思うんです。

 あえて、わたしは戦闘中何も手伝いません。

 回復魔法の準備だけはしてますけど、補助魔法が強力なのでシモンもほどんどダメージを受けてない感じ。

 時間はかかりましたが、ちゃんとボスを倒せましたよ。


「やったじゃない。前に2人で来たときより確実に強くなってるよ」

「アリエルが攻撃してくれたら倒すのもすぐだと思うんだけど」

「わたしに頼ってちゃ、シモンのためにならないから、危なくならない限りわたしは何もしないって決めました」


 稼ぎよりシモンの特訓が主目的ですからね。

 そのまま第2層のボスもシモンのソロで撃破。

 第3層での狩りにしました。

 手前のゴブリン相手の狩りです。

 複数出てきた時は1匹残してわたしが撃破。

 残る1匹をシモンが丁寧に相手していきます。


 ゴブリンは敵としては、第1層のボスと同程度の能力。

 本当なら第1層のボスで連戦というのがDrop的にも美味しいのですけど、それしてると他のパーティーに迷惑ですからね。

 冒険者ギルドに通報されたりしたら、ギルドカード一時停止処分とかにもなりかねません。

 あまり美味しくなくても地道に第3層のゴブリン相手が修行にはよさそうです。


 補助魔法があって1対1なら、シモンでもちゃんと戦えます。

 あまり楽な相手と戦ってても修行にはなりません。

 危険のない程度で、厳しめの相手との連戦がいいんじゃないかと思ってます。


 なかなかシモンもがんばってますね。

 この調子なら明日は奥のほうに行っても、なんとかなるかもしれません。

 まぁあせる必要もないから、じっくり行きましょうか。


 この調子なら、アリサちゃん来るまでに、小説のときより強くなれるんじゃないかな?

 甘やかさないようにしないとね。

 エサが自分の体ってところが何ですが。


 こういう地道なことやってても、将来ヒルダと出会う頃までシモンの能力が大きく跳ね上がることはないんですよね。

 でも、こういう地道な下地が合ってこそ将来の飛躍に繋がるんじゃないかなって、そう思うんですよ。

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