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15/21

15 完全に小説と違う流れになってしまったようです

 ダンジョン攻略の方は順調。

 第3層のフロアボスも攻略し、第4層に突入しました。

 これが最終層です。

 ダンジョンボスの攻略までもう少しでしょう。

 でも、あきらかにわたしのチートっぷりで攻略を進めてる感じになっちゃってます。

 小説と比べたらずいぶん早い進度になってることでしょう。


 問題なのは私生活の方。

 シモンも若い男の子です。

 もうやりたい盛りですから抑えが効きません。これは小説でもこういうやつでしたね。わたしの設定したとおりの性格ってことですのでしかたありません。


 でも、危険日に避妊なしでするのはちょっと勘弁してほしいです。

 この医療の発達してない世界で出産とか考えるのは怖いですよ。

 まぁ、ここでずっと暮らしていくのなら、やがては考えなくてはいけない問題かもしれませんけど。

 一応、アリエルは17歳ってことですし、まだ先の話にしておきたいと思ってます。


 なんとか、シモンを上手く誘導して手や口で済ませてもらうことになりました。

 危険日って概念は、この世界ではまだないのか、それともシモンが知らないだけなのかわからにですが、なんとか納得してくれたみたいです。

 一応、口でしても、シモンのチート能力は影響あるようなことだけは確認できました。


 ☆★☆


 そして、ついにダンジョンボスを倒してしまったんですよ。

 Dropアイテムを回収後、リーダーのヘンリーの宿の部屋に集まって今後の相談をするという流れに。


 やっとのことで、小説のプロローグの流れまで来たのかなって感じです。


「ダンジョン攻略を終えてお疲れのところ悪いが、これからの方針を話し合っておきたい」

 ヘンリーが落ち着いた口調で話し始める。

「私の考えでは、この街近辺のダンジョンのレベルは大差ないから、いっそ南のガリオス山を超えて隣国へ向かってみるのはどうだろうか」


 おぉ、小説のセリフそのままじゃないですか。

 ちょっと感動的ですね。

 とりあえず、わたしは下手なことを言うのはやめておきましょう。


 さて、シモンがどう言うかですね。

 事前に相談とかはありませんでしたし、わたしのほうから聞いてみるってのも変だと思ったので。


 シモンはもともとの能力は高かったし、その成長も一般人と比べたらずいぶん高いはずなんです。

 でも、まわりにいる人はシモンのスキルの影響で、ぐんぐん成長してますので、シモンはまわりについていくのが苦痛になっているはずなんです。


「ちょっと待ってくれ」

「皆のレベルならそれも問題ないだろうけど、ちょっと俺にはそれはしんどいと思う。俺としてはもうしばらくこの街で修行したいと思うんだが、皆にそれをつきあわせるのは悪い。俺がパーティーを抜けてそれぞれ自分にあったところで励むのがお互いのためになるんじゃないかな」


 やはり、シモンはこういう選択になったのね。

 小説では、ここでアリエルも他のパーティーの皆といっしょに、シモンと別れて旅立って行くんですよね。


 ここで確かアリエルのセリフになったはずだけど、黙って見守らせてもらうことにした。


「そうか、それもしかたないかもな」

 レムスが、冷静にそうつぶやく。


「そうなっると、アリエルもやっぱりシモンといっしょに離れることになっちゃうか」

 ヘンリーがそう言う。

 やっぱり、皆もすでにわたしのことはそういう認識になっちゃってるよね。


「え? アリエルもなの? なんで?」

 アーガスはわかってなかったようだ……

 アーガスだからしかたないか。


 うーん、ここでムリにヘンリーたちに付いて行くって選択肢もあるとは思うんだよね。

 そうすれば、この街に1人で残ったシモンは小説どおりに話を進めてくれるかもしれない。


 でも、すでにチートキャラになってしまったわたしが、それなりに成長したとは言ってもシモンと別れれば、もうそこで成長は止まってしまう3人とともにパーティーを組んでいたとしても上手くやっていける自信はない。

 それに、今ここでわたしが行ってしまうと、シモンは大きく傷つくと思うんだよね。

 せめて、もうすぐ登場するはずの妹のアリサちゃんに引き継ぐまでは、いっしょにいてやらないといけないでしょうね。


「ごめんね、みんな。

 わたしはシモンと残ることにするよ」


 あえて、小説の流れを無視する選択をしなければならないのがつらいところです。


「アリエルに替わる回復役を探さなければならないのは大変だけど、しかたないな。

 元気でやってくれ。シモンと仲良くな」


「よし、お別れってことなら、ここはパーっと飲むことにしようぜ。ダンジョン攻略の祝いも兼ねて、俺のおごりで派手にいくぞ。とことん付き合ってもらうからな」

 アーガスが気炎を上げている。


 おぉ、ここだけは確か小説と同じ流れだ。

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