五冊目
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┃◎帰れないこども ┃
┃ 09/17(月曜)┃
┃ 【1】 ┃
┃・昨日は日曜だったのにリクさ┃
┃んから誘いも連絡もなかった。┃
┃一言もリクさんと言葉を交わせ┃
┃なかった。 ┃
┃・リクさんから見放されたのか┃
┃な。リクさん私の違和感に気付┃
┃き始めているのかな。 ┃
┃・今日はもうリクさんのことは┃
┃忘れよう。他のことを考えよう┃
┃。 ┃
┃・他にだって楽しいことはたく┃
┃さんある。 ┃
┃・他にも大切なものはたくさん┃
┃ある。 ┃
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┃ 【2】 ┃
┃・でもずっと握られていた手に┃
┃リクさんの温もりが残っている┃
┃。結構前のはずなのにまだ残っ┃
┃ている。 ┃
┃・見られなかったリクさんおす┃
┃すめのアニメがネットで配信さ┃
┃れていたから見てみた。 ┃
┃・リクさんの説明通りで面白か┃
┃った。リクさんも同じところで┃
┃笑ったのかな。 ┃
┃・リクさんから離れるのって難┃
┃しいな。 ┃
┃・自分から見たら教授に保護さ┃
┃れている女子。 ┃
┃・でも端から見たら教授のヒモ┃
┃の女性だよね。 ┃
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┃ 【3】 ┃
┃・周りからみたら怠けているよ┃
┃うにしか見えないよね。 ┃
┃・実際に怠けてるかもしれない┃
┃けど。 ┃
┃・教授が私のオバサンから10┃
┃歳に戻る瞬間を見たがってる。┃
┃・体験した私が言っているんだ┃
┃から真実だし、見ても見なくて┃
┃も変わらないと思う。 ┃
┃・何の研究の参考にもならない┃
┃と思う。 ┃
┃・0時まで起きていてと頼まれ┃
┃たけどさすがに断った。 ┃
┃・0時になるとカラダが小さく┃
┃なって一瞬にして服に埋もれる┃
┃もん。 ┃
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┃ 【4】 ┃
┃・究極の変態か、ただの仕事人┃
┃間しかそんなこと思わない。た┃
┃ぶん仕事人間という部類におい┃
┃ての究極の変態だね。 ┃
┃・子供のときより大人のときの┃
┃ほうが食欲がスゴい。 ┃
┃・カラダの大きさも、使うエネ┃
┃ルギーも違うから当然か。 ┃
┃・私は教授の家を出た方がいい┃
┃気がしてきた。 ┃
┃・教授が変態だからとかではな┃
┃く、教授が嫌いだからとかでも┃
┃なく、迷惑だと思うから。 ┃
┃ 【終】 ┃
┃ ┃
┃ ┃
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┃◎求めて求められて ┃
┃ 09/18(火曜)┃
┃ 【1】 ┃
┃・今日もリクさんと連絡が取れ┃
┃ない。いったいどうしちゃった┃
┃の? ┃
┃・メールいっぱい送ってるのに┃
┃な。リクさんと何かしらのキャ┃
┃ッチボールがしたいよ。 ┃
┃・リクさんの顔どころか文字に┃
┃も触れてない。やっぱり私の違┃
┃和感に気付かれたかな。 ┃
┃・朝しか会えないとかオカシイ┃
┃もんね。普通は夜に会うものだ┃
┃もんね。 ┃
┃・もうリクさんとの関係は終わ┃
┃ったってこと? ┃
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┃ 【2】 ┃
┃・まだ友達以上恋人未満の関係┃
┃だよね。 ┃
┃・たぶん私に彼氏がいて二股し┃
┃てると思われているんだろうな┃
┃。 ┃
┃・朝しか会えない理由は普通そ┃
┃れくらいしか考えられないし。┃
┃・リクさんは真面目すぎるから┃
┃浮気はしないだろうし、浮気は┃
┃許せないんだろうな。 ┃
┃・私もリクさんいるのに浮気な┃
┃んて出来ない。絶対にしない。┃
┃・会えないなんてツラすぎるよ┃
┃。会えないなんて嫌だよ。 ┃
┃・そもそも10歳の私には恋愛┃
┃してはダメな相手。 ┃
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┃ 【3】 ┃
┃・私に老いてゆく症状が出なか┃
┃ったら出会ってもいないような┃
┃相手。 ┃
┃・仕方ないと思って引き下がる┃
┃のが普通かな。でも私は普通じ┃
┃ゃない。 ┃
┃・こっちは普通の10歳として┃
┃会っていてもリクさんに恋して┃
┃いたと思う。 ┃
┃・でもリクさんは10歳の私に┃
┃恋なんかしない。 ┃
┃・私たちは出会わない方が良か┃
┃ったような。出会ったからこそ┃
┃自分が変われたような。 ┃
┃・捜索願が出てるみたいだけど┃
┃たぶん見つからないだろうな。┃
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┃ 【4】 ┃
┃・夜に探さない限り10歳の私┃
┃は見つからないから。日中の私┃
┃は大人の女性だから。 ┃
┃・私の迷子のポスターが電信柱┃
┃に貼ってあるのを見つけた。 ┃
┃・いつもは寝ている時間の顔だ┃
┃からしっくり来なかった。懐か┃
┃しささえあった。 ┃
┃・このまま行方不明のままでは┃
┃居られない。ママを安心させな┃
┃いと。 ┃
┃・お姉ちゃんには私を見つけた┃
┃ってママに伝えて貰おう。 ┃
┃・私が家にはもう帰りたくない┃
┃って言っていたって伝えて貰お┃
┃う。 ┃
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┃ 【5】 ┃
┃・お姉ちゃんが新しく住む場所┃
┃を用意してくれたらしい。もう┃
┃すぐお姉ちゃんと二人暮らしが┃
┃始まる。 ┃
┃・お姉ちゃんは頭がいいから準┃
┃備も早いし何度も助けられてる┃
┃。 ┃
┃・お姉ちゃん本当ありがとう。┃
┃ 【終】 ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
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┃◎新生活とモヤモヤ ┃
┃ 09/19(水曜)┃
┃ 【1】 ┃
┃・お姉ちゃんと二人暮らしを始┃
┃めた。 ┃
┃・教授の家には両手に収まるく┃
┃らいの荷物しかなかったからす┃
┃ぐ引っ越せた。 ┃
┃・大好きなお姉ちゃんと二人だ┃
┃けで暮らすのは落ち着くし、な┃
┃んかドキドキする。 ┃
┃・新鮮というか、変な感じとい┃
┃うか。とにかく嬉しい。 ┃
┃・この部屋は部屋全体でも前の┃
┃私の部屋と同じくらいの大きさ┃
┃。だけど平気。小さい方が私は┃
┃好きだし。 ┃
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┃ 【2】 ┃
┃・教授の部屋も悪くはなかった┃
┃けど。こういう感じの方が好き┃
┃。 ┃
┃・引っ越してきて、私の老いて┃
┃ゆく人生の第二章が幕を開けた┃
┃気持ちになった。 ┃
┃・これからも気を引き締めて、┃
┃この普通の人とは違う運命と向┃
┃き合っていきたいと思う。 ┃
┃・ママ!私はこの部屋に長く居┃
┃たいと思ってる。 ┃
┃・でも、もう帰りたくない!な┃
┃んて思ってないよ。 ┃
┃・今すぐ帰りたいよ。 ┃
┃・今すぐママの胸のなかに帰り┃
┃たいよ。 ┃
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┃ 【3】 ┃
┃・そこが本来いなくてはいけな┃
┃い場所だもんね。 ┃
┃・ママにこの住んでる場所がバ┃
┃レたりしないかな。もしバレた┃
┃ら、かなりのスピードで年を取┃
┃ることもバレる。そうなったら┃
┃私の心が持たないよ。 ┃
┃・そこまで探求しないよね。き┃
┃っとしないよ。 ┃
┃・私の迷子のポスターは前にあ┃
┃った場所から剥がされてた。少┃
┃しだけ寂しさがあった。 ┃
┃・でも安心している部分の方が┃
┃大きかった。見つかる確率の低┃
┃さを求めている自分がいたから┃
┃。 ┃
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┃ 【4】 ┃
┃・一番気がかりなのはリクさん┃
┃のこと。ずっと無視されていた┃
┃リクさんのこと。 ┃
┃・明日の朝の6時の出勤前に話┃
┃があるってリクさんからメール┃
┃が来た。 ┃
┃・2回目のデートで行った公園┃
┃のベンチで待ってるって。 ┃
┃・忙しくて朝しか会えないとま┃
┃だ思っているみたい。申し訳な┃
┃さと嬉しさが込み上げてきた。┃
┃・リクさんはいつも私に合わせ┃
┃てくれる。リクさんはいつも私┃
┃を気遣ってくれる。 ┃
┃・私の全てに合わせてくれて本┃
┃当に優しすぎる。 ┃
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┃ 【5】 ┃
┃・会うのはこれが最後になるか┃
┃もしれない。たぶんこれが最後┃
┃になるだろう。 ┃
┃・フラれたら人生の道を暴走す┃
┃るかもしれない。それくらいリ┃
┃クさんが好きなんだ。 ┃
┃・逆ナンに走ることもあるかも┃
┃しれない。リクさんで心が保た┃
┃れていたから。 ┃
┃ 【終】 ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
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┃◎反応はひとそれぞれ ┃
┃ 09/20(木曜)┃
┃ 【1】 ┃
┃・昨日は私が30代のカラダの┃
┃ときにリクさんと偶然会った。┃
┃・今日これからすぐに会うとい┃
┃うのにまた直前に会った。 ┃
┃・会いたかったからものすごい┃
┃嬉しい。偶然会うことが増えて┃
┃運命を感じる。 ┃
┃・会ったのは朝ではなくて昼ご┃
┃ろだったから、いつもの私に近┃
┃くも遠くもなく少し近いくらい┃
┃の見た目だったかな。 ┃
┃・いつも会っている私の10年┃
┃後くらいなのでリクさんに顔を┃
┃いっぱい見られた。 ┃
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┃ 【2】 ┃
┃・そんなに見られたら普通に顔┃
┃赤くなっちゃうよ。 ┃
┃・話しかけられて私のお姉さん┃
┃かどうか聞かれた。似てるから┃
┃お姉さんかもという考えは普通┃
┃だよね。 ┃
┃・本人なんだからそりゃ似てる┃
┃よ。もうしょうがないからリク┃
┃さんにはお姉ちゃんのフリをし┃
┃て通しちゃった。 ┃
┃・またひとつモヤモヤを生み出┃
┃しちゃったな。 ┃
┃・昨日会った知り合いはリクさ┃
┃んだけじゃない。 ┃
┃・昨日はパパにも偶然、街で会┃
┃った。 ┃
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┃ 【3】 ┃
┃・世間って狭すぎるね、本当に┃
┃本当に。 ┃
┃・パパはいつもと同じ落ち着い┃
┃た顔をしてた。 ┃
┃・パパは立ち止まってずっと私┃
┃の方を見てた。 ┃
┃・気付かれたと思って、少し嬉┃
┃しくて少し不安になった。 ┃
┃・私がママとほとんど一緒の年┃
┃齢の時に会ったから、いつもと┃
┃全く違うはずなのによく気づい┃
┃たなと思った。 ┃
┃・ママに似ていたのかもしれな┃
┃い。私もママの年齢になればマ┃
┃マみたいに見られるのかと思っ┃
┃た。 ┃
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┃ 【4】 ┃
┃・さすがパパだなと思っていた┃
┃ら私の胸を見ていた。 ┃
┃・その時の私は巨乳だったが、┃
┃パパは巨乳好きではないし何で┃
┃胸を見ているのか疑問だった。┃
┃・自分の胸を見てみると、大き┃
┃いスカルが描かれたTシャツを┃
┃着てた。 ┃
┃・パパがスカル好きなのを忘れ┃
┃てた。リクさんとかママとかお┃
┃姉ちゃんとかのことで頭がいっ┃
┃ぱいでパパの情報が追いやられ┃
┃てた。 ┃
┃・パパ本当にゴメンね。でもね┃
┃、パパのことは大好きだよ。本┃
┃当大好きだよ。 ┃
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┃ 【5】 ┃
┃・パパのことは好きな人ランキ┃
┃ングのベストテンには入ってる┃
┃から安心して。 ┃
┃・でもね、パパ。スカルより私┃
┃を見てよ。スカルの先に私はい┃
┃たよ。 ┃
┃・小学校の友達とは疎遠になっ┃
┃ちゃった。会いたいけどもう会┃
┃うことはないよね。 ┃
┃・小学校をやめるみたいなこと┃
┃は正式にはないかもしれないけ┃
┃ど、小学校は退学という形をと┃
┃った。 ┃
┃・今はリクさんのことだけを考┃
┃えていたい。 ┃
┃ 【終】 ┃
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