初日終了
だいぶ短くなりました
後、めちゃめちゃ久しぶりの投稿です。
誰も読んでないと思って、打ち切ろうと思ってたのですが、ブクマが5件も付いてたので、読んでくれている人がいたことに感動して連載再開しました。
さすがは国内最高峰の魔導師育成機関だ。
初日だというのにホームルームの後、いきなり授業があった。
(いや、普通は初日はオリエンテーションとかでお茶を濁すところだろ・・・)
しかも、応用魔道工学に治癒術理論、魔導史研究・・・
初日にしてすでに着いて行けない。
地獄の学園初日を終えた俺は急いで帰路につく。放課後は教室に残っていてもなんの得もない。
いや、徳が無いだけならまだしも、あの2人や担任に絡まれでもしたらめんどくさい事この上ない。
なので急いで教室から離れることにする。
まぁ、家に帰ったとてめんどくさい奴がいることに変わりはないのだが・・・
「やっと帰ってきたか!リクト!」
そう、父である。何を隠そう我が父は平日の夕方だというのに俺の出迎えをする為だけに毎日この時間に家に帰って来て、俺の出迎えを終わらせた後、再び仕事に戻るというわけのわからない日課を持っているのだ。
俺が小学校に入学した9年前からずっと、1日も欠かさず。暇な男である。
俺は知っている・・・
父が純粋な愛情からこんなことをしているわけではないという事を。
マグナウォーカー家という大貴族の家に魔法の才能を持たない息子を産んでしまったという罪悪感。
罪の重責から逃れる為だけに、父は俺に優しく接する。どんな我儘でも聞いてくれる。怒られた事など1度もない。
ただ優しいだけの歪な愛情。
実の息子に向けるモノとは思えない心無い優しさ。それは3年前に母が死んでからと言うもの、より1層顕著になった。
違うよ、父さん・・・それは優しいんじゃなくて、ただ気をつかってるだけだ・・・
「ただいま・・・父さん」
9年続いたこの日課も後何回できるかわからないな・・・
学園入学初日がこの有様では3年間在学し続けることすら難しい。
「学校はどうだった、リクト。エリナちゃんやソーマ殿下とは同じクラスになれたのか?」
「あぁ、なったよ。残念なことにね。」
「残念てことはないだろ・・・友達が一緒になってよかったじゃないか。」
「そんなことより、今日は疲れたからもう寝るよ」
早々に父さんとの会話を切り上げて部屋に向かう。お互いに、言葉を重ねるほど辛くなって行くだけだろうからだ。
仲の悪い親子というものが羨ましかった。もし俺と父さんの中が多少なりとも険悪だったとしたら、
毎日出迎えるのをやめてくれただろうか、
友好関係まで心配するのをやめてくれただろうか、
家に帰って来て疲れ切っている俺の顔を見て、辛そうな顔をするのをやめてくれただろうか・・・
父さんは、何も見栄のために俺をグリモア学園に無理やり入学させたわけじゃない。魔法の使えない俺が、少しでもまともな職業に就こうとしたら使えるものは学歴ぐらいしかない。だから父さんは持てる限りのコネを使って、俺を学園にねじ込んだのだ。
侮蔑と嘲笑に3年間耐え切りさえすれば、魔法が使えなくても人並みの人生を歩める。
父さんは俺が今日、学園で何を言われ何を思ったかを察してしまったのだろう。
俺は眠ることにする。辛い現実から逃れる為に。少しの間でもここではない何処かに行きたくて・・・




