表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
88/128

第88話 王都からの再出撃と、完全耐性による蹂躙

【担当:キース】

脆弱な頭脳で我が肉体を使いこなせるかな?

開戦だ。



 王都の正門前。

 出立の朝、ソフィア王女は自ら見送りに立っていた。


「……完璧な仕上がりね。王国最高の技術と資金を注ぎ込んだ甲斐があったわ」


 ソフィアは、真新しい防具に身を包んだ勇者一行を見て、誇らしげに微笑んだ。


「ああ。要求仕様スペックを満たした見事な生産ラインだった」


 慎也キースラインは、腰に差した強化版の聖剣を軽く叩く。


「これほどの投資を受けたのだ。……費用対効果リターンとして、魔王の首は確実に持ち帰ろう」

「期待しているわ、私の英雄。……道中、気をつけて」


 ソフィアの優雅な微笑みに見送られ、一行は王都を後にした。


 ***


 馬と徒歩を交えた魔王領への長旅。

 以前は過酷だった道のりも、今回の彼らには全く違って感じられた。


「いやぁ、この新しい鎧、全然疲労が溜まらねぇぞ。関節の動きにピタリとついてきやがる」


 ガルドが野営の準備をしながら感心したように言う。

 ミナとナイルも、新しいマントの防風・防寒性能のおかげで、夜の冷え込みを全く気にする様子がない。


 道中での山賊や野生の魔物との遭遇も、新装備の「実戦での慣らし(エージング)」には丁度良い運動だった。


 そして。

 彼らは再び、あの大規模な紫の煙が立ち込める「紫の火山帯」の入り口に立っていた。

 地割れからはマグマが煮えたぎり、致死量の猛毒ガスが視界を遮っている。


「……到着したな。環境デバフの数値は前回と変わらず、極めて劣悪だ」


 慎也が眼鏡ないけどの位置を直す。


「すっげぇ! マジで息苦しくねぇぞ!」


 ガルドが有毒ガスの中で深呼吸をして笑う。


「それに、この前は立ってるだけで肌が焼けるように熱かったのに、今はただの『ちょっと暑い夏の日』って感じだぜ!」

「……ドワーフの親方が組み込んだ『耐熱・抗毒繊維』と冷却術式が、外部要因を完全に相殺している。エリス、貴様の魔力は支援バフのみに回せ」

「はい、キースライン様!」


 その時。


 「グオオオオオオオオッ!!」


 マグマの海が大きく盛り上がり、巨大な影が姿を現した。

 全身から紫の炎を吹き上げる、あの毒火竜ポイズン・フレア・ドラゴンだ。


「なっ!? ウソでしょ!?」


 ミナが目を丸くする。


「あいつ、この前リーダーが倒したじゃん!」

「……なるほど。火山帯という環境に紐付いた『再配置リスポーン型』の個体だったか。

 実に非効率なシステムだが、今回は都合がいい」


 慎也は不敵な笑みを浮かべ、ゆっくりと聖剣を抜いた。


「……ただの『ベンチマークテスト』だ。蹂躙しろ」

「おうよ!!」


 真っ先に飛び出したガルドへ、毒火竜が迎撃の紫炎ブレスを吐き出す。

 だがガルドは避けることすらせず、新しい重装甲で正面からブレスを「受け止め」ながら突進した。


「ハッ! ぬるいぜトカゲ野郎!!」


 ドゴォォォン!!

 ガルドの斧が竜の顎をかち上げ、巨体が大きくのけぞる。

 毒ガスを意に介さないナイルとミナが、竜の死角から次々と斬撃を叩き込む。


「……私の剣のアップデートを、その身で味わえ」


 慎也が地面を蹴る。

 王家秘伝の『蒼氷鉱』が練り込まれた聖剣は、マグマの熱を奪うほどの絶対零度の冷気を纏っていた。


消去デリートだ」


 ズバァァァァァァァンッ!!!

 聖剣が一閃される。

 竜の首が切断された瞬間、凄まじい冷気が爆発的に広がり、噴き出そうとした紫色の毒血も、周囲のマグマの海ごと、一瞬にしてカチンコチンに凍結してしまった。


 ピキ……パリンッ!!

 氷像と化した毒火竜の巨体が、粉々に砕け散る。


「……ふむ」


 慎也は、完全に凍りついたマグマの上に静かに着地し、剣を鞘に納めた。


「刃こぼれゼロ。耐熱限界エラーなし。……完璧な性能スペックだ」


 自らの足で再び辿り着き、かつて死にかけた強敵を文字通り「瞬殺」した勇者一行。


 凍りついた火山帯を抜け、いよいよ未知の領域――『幻影の樹海』と『瘴気の谷』へと歩みを進めるのだった。


【総統通達】

読者諸君。我だ。

あの優男(慎也)め、相変わらず理屈っぽい戦い方をしていたな。我ならば一撃で粉砕していただろうに。


まあよい。今回の話に少しでも心が動いたならば、【ブックマーク】および、下部の【★★★★★】にて、我への忠誠を示せ。


良い評価は、次なる戦い(執筆)への糧となる。期待しているぞ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ