表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/41

反撃のために

翌日1-4昼休み


「ケイちゃん、マツちゃん、話がある、って何?」


 次の日の昼休み、ケイとマツ、それにユリは、1-4の教室に集まっていた。



「最近ティーの様子がヘンなんだよ。」


「ヘン、ってなんかあったん?部活の時はいつものティーちゃんやない?」


「それがね、いつもは普通なんだけど、昼休みだけ変なんだよね。最近、昼食が終わって昼休みになると、突然いなくなっちゃうの。」


「そうなんだ。ちょっと前は昼休みはオレたちと遊んでたのによ。最近は、探そうとしたときにはもうどっか行っちまってるんだ。」


「テスト期間は教室にいたけどね。」


「ティーちゃん他のクラスに友達でもできんたんちゃう?校庭、ちゃんと探したらおるんとちゃう?」


「そう思って探しみても全然いねえんだよ。クラスの中もこの通りだ。それにな、ティーに昼休みどこ行ってるのか聞いてみても、「うん、まあ」って。うん、まあ。ってどこだよ!」


「ねえねえユリちゃん、ティーさんがどこに行ってるか心当たり、無い?」


「うーん、私は知らんなあ。でもケイちゃんはともかく、マツちゃんまでティーちゃんの行き先、気にしてるなんて、意外やな」


「だって、秘密にされると、気になるじゃない!それに、怪しいだと思わない?わざわざ秘密でどこかに行くなんて。」


「怪しい?」


「ああ、よく考えてみろ。わざわざ行き先を秘密にして行く場所なんて一つしかないだろ?」




「そうです…年頃の男の子が昼休みに姿を消す…これは!好きな女の子のところに違いありません!!」


「行き先も言わずに行く場所なんてこれしかない!!ティーの奴!抜け駆けしやがってえっ!!」


「同級生に隠れて二人だけの秘密の場所で落ち合う…ティーさん意外とロマンティック…」



「えぇー………ティーちゃんに限ってそんなことないと思うけど…」


「ほんとにそう言い切れるか?結構情熱的な恋をするタイプかも知れないぞ!?」


「そうだよ!とっくに猛烈なアプローチをしてて、もうラブラブかもしれないよ!?」


「……」


「ということで、第一回 魔闘部探偵隊を結成する!!」


「……たんていたい?」


「そう!今回我々探偵部隊の任務は、川三法呈の後をつけ!ティーの彼女を!突き止めることだ!!」


「ええ!もしかして、尾行、するん?…って、私もやるん!?」


「ああ。その通りだ。」


「ユリちゃんは、気にならないの?ティーさんの彼女…」(ニヤニヤ)


「え!?ていうか彼女で確定なん!それに私は別にティーちゃんが誰と付き合っててもええし!?」


「そんなこと言って、ユリもほんとは気になるんだろ…ティーがどんな奴が好きか…」(ニヤニヤ)


「……………………………………………行こか。」








翌日 昼休み 




 いつもと変わらぬ蘭花中学校の昼休み。遊び盛りの中学生で溢れかえる校舎。その一角に、一人の少女が携帯片手に潜んでいた。携帯のバイブ音に気づいた少女は、辺りの様子を確認したのち、電話を取る。


電話の主が声を掛ける。


「こちらエージェントK。エージェントY、ターゲットの姿は確認されたか?」


「うん、ケイちゃん。ティーちゃんなら図書館前を通過してったで。」


「………ティーじゃなくてターゲットだ…それにオレはエージェントKだ。尾行がばれるかもしれないぞ。」


「そうですよ!エージェントY!私のこともちゃんとエージェントMってよんでね?」


「ケイちゃん、マツちゃん、その、エージェントとか、ターゲットとか、恥ずかしくないの?もう中学生やで?」


「なんでだ?カッコイイじゃないか?」


「…………。ティーちゃん二人の方いったんやから。頼むで?」


「任せろ!エージェントY!」


………………


(はあ……)


電話が切れ、一息つくユリ。


(ティーちゃんに限って彼女ってことはあり得へんやろうけど、確かに、何してんのかなあ…)





§




「ティーちゃん、ほんまにこんなとこいったん?」



蘭花中学校新校舎の南端。地上五階建ての蘭花中には、ここ南端にだけ、地下につながる階段がある。


「マツちゃん、ケイちゃん、地下、行ったことある?」


「いや、無いな、そもそも地下なんてあったのか。」


「ティーくん、地下で運命の人と落ち合ってるの…?ロマンティック……」


「…とにかく、行ってみれば分かるんちゃう?」






一行は地下への階段を下り、地下の様子を伺いながら歩みを進める。



「地下って言ってもそんなに変わんねえな。」


「茶道室…美術室…使ってへん時は鍵、閉まってるみたいやしなあ」


「まあ、地下も広いみたいだし、この階にいるのは間違いないんだから!はあ…どんな彼女さんなのかなあぁ…」


そんなことを話す一行、暫く進んだあと、ある部屋の前でユリが立ち止まる。


「…。あ、そういうことかあ…」



「どうしたエージェントY、何か見つけたか?」


ユリが入口の部屋名を指さす。


「ほらここ、ティーちゃんこういうとこ大好きやから…」



「え?……あ、トレーニングルーム…」





§





「ほらやっぱり。ティーちゃん、元気にしてる~?」


「げ、……ユリ。…あれ、ケイとマツもいるんだ。」


「ティー、昼休みも練習してたのか。」


「せっかくティーさんがラブラブなところ見れると思ったのに~」


「?…。ラブラブ?」




「まあ…それはともかく。昼休みもトレーニングって、セラちゃんに勝つ気満々やな。」


「ああ、覇王をもう使える奴に勝つなら…これしかないでしょ。」


「これ?トレーニングがか?」


「セラは俺より強いんだ。セラより練習するしか、勝つ方法はないしね。」



その時、後ろから二人の声が聞こえた。


「ああ、強者超えようとするなら、相応の地獄は覚悟しなければならないな。それに、いつだって強いのは修練を重ね続けた者だ。」


「今日はにぎやかだな。今年の一年坊は俺たちの代より修行熱心らしいな。」



「鎧井先輩、それに軍神先輩!」


魔闘部2年の鎧井先輩、それに部長の軍神先輩だ。


「軍神先輩、この修行熱心な一年坊共にも稽古、つけてやりますか。」


「ああ、それはいいな。それにティー、今日もそのつもりできてるんだろう?イチももう準備を始めてるぞ」


「よろしくお願いします…!」




そこまで話して、先輩二人が立ち去る。


「よっし、行くか!」


「って待てティー、お前先輩と練習してたのか!?」


「ああ、ケイもそのために来たんじゃないのか?練習して損はないだろ?いくぞ。」



§





蘭花中学校 魔闘用グラウンド


グラウンドの中心にはティー、軍神先輩が向かい合う。軽い実戦を交えながらの練習だ。グラウンドの外周にはケイたち、そしてイチ、そして少し離れた位置で鎧井先輩がその様子を眺めている。


「今年の一年はこの時期からトレーニングルームに来るとはな…まだあの部屋のこと、教えられてないだろうに…」


 練習前試合前のコンディションの確認を行う二人を眺めながら、小さく呟く鎧井先輩。


かたや一年生たちはイチのことについて話していた。


「そっかあ。イチとティーちゃんはトレーニング仲間やったんやなあ」


それにイチが答える。


「うん、ティーもいつも昼休みはあそこで練習してたからね」


「それでティーと仲が良かったのか。ティーも連れねえなあ。オレも誘ってくれればよかったのによ!」


「そんなこといって、ケイさん、昼休みは真っ先に遊びに行ってるじゃない。」




「みんな揃ってるね。準備できたからそろそろ始まるよ。」


「佐倉先輩!何しに来たんですか?」


「んー、ちょっと頼まれちゃったからね。魔法障壁。」


「?」



その時、魔装用グラウンドの8本の銀のポールから薄緑の魔力が噴き出る。


そして、少しの時間が経つと、鎧井先輩とティー、軍神先輩、そしてケイたちを囲うように魔力の壁が四方を塞いだ。



「魔力障壁って、備え付けのボトルで展開してるとすぐ部費がなくなっちゃうから、こうして普段は私たちの魔力で展開するんだよ。」


「じゃあこの障壁は佐倉先輩の魔力なんですか?」


「そうそう。でもこれ結界術なのに、結構魔力消費大きくて、一回展開すると私だと半日は魔法使えなくなっちゃうんだよね。でも、軍神君や鎧井君が展開するわけにもいかないしね。」


「そんなに魔力使うのに、展開してよかったんですか?」


「私もどんな練習してるか見てみたかったしね、そろそろ始まるよ。」





§



そして、ティーと軍神先輩が模擬戦を終える。ティーの魔装は既にボロボロだったが、軍神先輩の魔装にも小さな傷が入っていた。


「なんだよあれ…!なんだよティーの今の動き!」


「あれが秘策…なんやろな。ティーちゃん、今度こそセラちゃんに勝つ気なんやな。」


呆然とする一年生たちに佐倉先輩が声を掛ける。


「さあ、次はイチ君、その次はケイ君だよ!」



こうして、ティーたちは練習試合の日を迎えた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ