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1on1

10日後 放課後 共用コート2の隅にて






 10日が経ち、入部テストの期間が終わり、今年の魔闘部入部者が決まった。そして、魔闘部に入部した8人の一年生が集まっている。そしてその前には二人の二年生の女子の先輩がいた。



「1年生のみんな、いや、魔闘部26期のみんなっていったほうがいいよね!まあとにかく、集まってくれてありがとうっ!ほんとはこういうのは日和ちゃんの担当なんだけど、部長、なんかトラブったらしくてさ、ヒマだから、あたしも一緒に担当するねっ!!」



「いや、シズちゃん練習しなくていいの?ここ私一人でも大丈夫だよ?」



「もう、日和ちゃんはまじめなんだからー。もちろん練習はあとでやるよ?それにこういう時じゃないと新入生のみんなと会えないもん!!」


「まあ、そうだけど…」





「あの、先輩のこと、オレら知らないんですけど…」



「あ、私?私は神原静香。魔闘部25期でレギュラーやってます!好きなバンドはいきも○がかりとBU○Pです!あとは、ジェットコースターが好きだから、みんなとも一緒に行きたいな!」



 日和先輩より少し背が高く、茶色のポニーテールが印象的なこの先輩、静香先輩(シズ)は魔闘部2年生の1人だ。そして、7人いる魔闘部の今年のレギュラーメンバーの一人でもある。



 今日はどうも一緒に練習する相手が不在らしく、こうして1年生の指導に当たっている。



「でも、シズちゃん、後輩と遊園地行ってずっとジェットコースター乗るのは駄目だよ…?」



「分かってる!ずっとジェットコースター乗るのは日和ちゃん達といくときだけだから!!」



「ハハハ…それも勘弁して欲しいんだけどな…とにかく、シズちゃん、そろそろ進めよっか。」



「そうだねっ!さて、今日は魔闘部26期、新入生ミニ歓迎会を開催します!パチパチ~!」



「日和ちゃん、説明お願いします!」



「はい。昨日で新歓の全日程が終了し、ついに皆さんが正式に入部が決まったわけです。そして、これからともに全国優勝を目指す皆さんを是非歓迎したい!ということでこうして皆さんに集まっていただいたのです!」


「といってももうすぐ都大会エリア予選だからこうしてヒマなのは私と日和ちゃんぐらいしかいないし、毎年ミニ歓迎会になっちゃうんだけど、都大会が終わったら、正式に歓迎会やるから楽しみにしててね!」





「それじゃあいつもの、やりますか」



「うん!」



「それではまず、かの入部テストの難関を突破し、魔闘部入部してくれた、魔闘部26期のみんなを紹介します!!」







「イブ・スミス君!」


「川崎 世良さん!」


「中島 開人君!」


「戸田 圭君!」


「川三法 呈君!」


「小松 佳代さん!」


「坂元 百合さん!」


「田辺 赤一郎君!」



「以上8名!入部、ほんとうに、おめでとう!!」






§






「ケイちゃん、マツちゃん、諦めたらあかん!入部テスト突破したんやからいけるはずや!」


「ぜえ、ぜえ、なんでオレたちは、新入生歓迎会で走らされてるんだよ!!」



 入部テストを突破し、無事入部を決めたユリ、ケイ、それにマツ。だが、部活が始まったのち、すぐに一年生たちは走らされていた。



「『これが新入生歓迎だあああ!!!』って東先輩風に言われても納得いかないよおおお!!シズちゃん先輩ひどいいいい!!!」



 どうもこのランニングは新歓恒例らしい。



「ケイちゃん、マツちゃん、後、20周で終わりやって、もうすぐやし頑張ろ?」



「20周うううううう!!!死ぬ!死ぬ!!!!てか、なんでユリは余裕なんだよ!!」



「なんでって、まあ、昔ティーちゃんとよう競争してたからなあ」



「答えになってねえええ!!!」



「ティーさんと、ユリさん、幼馴染なの?」



「だいたい、そんなとこやな。……まあ、今は、セラちゃんにご執心みたいやけどな。」





 ゆったりとしたスピードで走る三人の半周逆側では、ティーとセラがデッドヒートを繰り広げていた。




「はあ、はあ、負けるかあああああ!!!!」



「私だって負けませんよ!!!!」









「…なんかティー、思ってたのと違うんだよな。」



「ティーちゃん、昔からあんなんやからなあ」



「最初の日にセラに『俺と戦え!』なんていったのにこっぴどくやられてから、何回目だ?あの二人が勝負してるの?」



「私が知ってる限りでもう6回、そして0勝6敗や」



「でも、すごいよね!ティーさん!あんなに負けても諦めないなんて!」



「確かにそれはそうかもな…で、ユリ、今回は勝てそうなのか?」



「うーん、たぶん、」「無理だな。」



 ユリの声を遮るように声がする。



「………って、カイト。いつの間に!」



「だってどうみてももう息切れしてるぜ。飛ばしすぎだ。あいつもバカだよな、もう覇王使えるやつに勝てるわけないのによ。」



「そうかな?諦めなかったらいつかは勝てるかもしれないよ?」



「いいや、無理だよ。マツもじきに分かる。じゃ、お先。」



 カイトがゆったりと三人を追い抜いていく。その走りにはまだまだ余裕がありそうだ。




「よしっ、もうすぐであと19周や!ケイちゃん、マツちゃん、もう一息や!!!」


「ユリちゃん、まだ、19しゅう?む、り…」






§






「ゼエ、ゼエ、……はしりきっ……!走り切ったぞ!!!」



 コートの中心にはケイをはじめ、完走した一年生7人と2年生が集まっていた。



「マツちゃん、ケイ君、「新入生歓迎55周ラン」お疲れ様~」



「シズちゃんせんぱい…歓迎会でマラソンなんて、ひどいですうう…」



「ごめんね~でも、みんなすごいよ!完走だよ!?それに、持久力は魔力量に直結するからね!マラソンは欠かせないよ!!」



「一人を除いて、みたいですけどね。」



「ハハハ…でも夏までにはあたしたちが立派な魔闘部員にするから!」


 

 入部した一年生は入部したばかりの一年生といっても、仮にも入部テストを突破した実力者だ。……一人を除いて。



 シズ先輩に日和先輩呆れたように言う。



「あたしたち、って、シズちゃんはちゃんと自分の練習してくださいね?私、イチ君見てくるね?」


 もう都大会は遠くない。選手たちの練習も大詰めだ。だからレギュラーでない日和がこうして指導しているのだ。



 グラウンドの一端で倒れるイチ。それを心配しに声をかけに行く日和先輩。



「イチ君!大丈夫ですか?今日はこれくらいにしときますか?」



「うぅ…まだ、いけます…。」




「あ!イチさん立ちましたよ!まだいけるみたい!」



「イチはあと何周残ってんだ?」



「ん~あと30周くらい?かな~」



「……それでよく受かったな…」







そのころ、ティーとユリ



「ティーちゃん、お疲れ様~今日は惜しかったなあ~」



「くそっ、セラは、なんであんなに速いんだよ…!」



「まあ、セラちゃん凄いよな、ティーちゃんが短距離で負けた時はほんまにびっくりしたわ。」



「いや、俺が負けるわけないよ…今度魔闘で戦う時こそ勝つよ…!」



 それを少し離れた場所で聞いていたカイトが近寄ってくる。



「は!まだ諦めてなかったのかよ。おい、そこのアホ毛野郎、お前がそこまで頭悪いとは思ってなかったぜ!?」



「カイト?誰が頭悪いって!?」



「お前だよ、ティー。セラがくそ強いのはボコられたお前が一番分かってるだろ?」



「いや。俺が強いよ。前回は確かに覇王の火力に対応できなかったけど、今は魔装も使えるし、貰いすぎなきゃどうってことないさ。次は大丈夫だ。」



「は?お前の方が強い!?ハハハ、ハハハハハ!!!こりゃ傑作だ!ティーお前は無謀なばかりか、セラとの実力の差も理解できないのか!?お前の実力じゃよお?俺にだって勝てねえぞ??」



「あ?俺がカイトに勝てない!?頭悪いのはお前の方じゃないか?俺の方が強いに決まってるだろ??」



「そうか、そうか。じゃあ試してみるか?お前の頭じゃそうしねえと分かんねえんだろ?」



「ああ、やってやる!」



 両者が素早くアーマーバングルを装着し、魔装を展開、ティーが空色の風刀を、カイトが炎で槍を形成する。



「ちょっとやめときティーちゃん!カイトちゃんも!二人ともまだ走り切ったばっかりやん!!」



ティーも、カイトも構えを解かず睨みあう。



だがその二人の脳天に何かが直撃した。



「ぐっ!!」


「がっ!!」


倒れこむ二人。



「二人ともそこまで~元気がいいのはいいことだけど、部活中の喧嘩はだめだよ!」



「シズ先輩!ありがとうございます!」



「二人とも!部活中の喧嘩は罰走30周!!」



「「げっ」」



へなへなと立ち上がり走り出す二人。



「くそ、お前が物分かり悪いせいで、こんなことに!」



「あ、突っかかってきたのはカイトだろ!!」









それを遠目に眺めていたケイとマツ。



「ティーの奴、罰走かよ。この分だと居残りだな」



「ティーさんもカイトさんもまだ走れるんだね…私もう無理いいい。」



「マツもか。オレももう立ちたくねえよ」




 そんなことを言っていた二人に静香が言う。



「さあ、二人とも、次は『新入生歓迎腕立てロード 100』だああああああ!!!!」




「え!?うで、たて?……………待ってください!シズ先輩!あと5分で部活時間終わりですよ?」



「そうですよ!?ケイさんのいう通り、あと5分です!!終わらないですよ!!」




「何言ってるんだい君たち?僕たち魔闘部は強化指定部活だから、45分の延長が認められているのだよ!!!」




「え、…………え?………シズちゃん先輩…?シズちゃん先輩!鬼いいいいい!!!あと東先輩の真似やめてくださいいいい!!!」



「死んだ…………………………………………………バタン。」








§







 人と魔法の歴史は長く、魔法なしで今日の生活は語れないが、『スポーツ』としての魔法の歴史はここ100年のものだ。というのも、戦闘用の魔法は殺傷力が高く、日常的に扱うのは困難だからだ。


 勿論それに対して人間が全く無力だったという訳ではない。人間には常に柔い人体を守るため、薄い魔力の層が、身体の外部、そして内部 ―骨や筋肉のような大きな構成要素から細部の血管に至るまで― に張られている。そして相当に強固なものでもあるのだ。だが、同時に落命を阻止するための最後の手段だ。それを使って戦うスポーツなど、あるはずがないのだ。


 だが、体外に魔力を効率よく纏う手段、“魔装”が開発され、時代は大きく変わることになる――――






ミニ歓迎会の次の日 放課後 再び共用コート2にて




 蘭花中学校は多くのコートを所有しているが、共用コート2は各部活が予約、専用利用できないコート、文字通りの共用コートという訳だ。広範を占有する行為もかなり制限されているので、各部活がランニングや細々としたトレーニングメニューの消化に利用している。


 今日も、いろんな部活のランニングやサッカー部のドリブル練習などに使われ、賑わっている。今日の魔闘部も一年生の練習もこのコートだ。



 もうすぐ部活時間が始まるこのコートに居るのは1-4のティー、ケイ、マツと日和先輩だ。



「ケイ君!ティー君!マツさん!ありがとうございます!君たちが手伝ってくれたおかげで助かりました!」



「いえいえ。それにしても他のクラスは遅いですね、早く練習したいのに!」



「ほんとにティー君は練習熱心ですね。素晴らしいですね。」



「ティーさん、もう復活してるの?昨日ので私まだ体中が痛いよ…」



「オレも、まだ死にそうだ…」



「つーかケイは今日遅刻したしな。」



「いーじゃねえか、どうせサキ先の理科は遅れてもどうせわかんねえしー」



「え、サキセンセーの理科分かりやすいじゃないですか!」



「………………………………まあ、がんばれ、ケイ。」



「何その同情のされ方!もしかしてオレガチでヤバいのか!?」



「…………で、日和先輩、俺たちが運んできたこれ、一体なんなんですか?」



「机8!」



「椅子8!」



「ホワイトボード!!」





「今日は魔闘について勉強してもらう日ですからね。皆さん体が疲れていても大丈夫ですよ!」



「あの、ティー君が聞きたいのは、なんで教室でやらないか?ってことだと思いますよ?」



「ああ。………まあ……そのうち分かりますよ。」





§






「ということで、第一回魔闘部26期戦術会議を開催します!席は用意してますけど座っても座らなくても構いませんよ。」




「今日は魔装闘技の中学基本ルールを確認していきたいと思います。勿論、皆さん知っていることも多いかと思いますけど、正確に知っていないと困りますし、何しろ再来週のエリア予選では一年生の皆さんにも重要な“役割”がありますから。」



「役割、ですか?」



ユリが尋ねる。


「ええ。それは追々、説明していきますね。」



「まず魔装闘技の1チームの構成は7人。中学ルールでは基本的に一つの大会をこの7人で戦うことになります。」



「今年の私たち蘭花中レギュラーは3年生の先輩方が5人、そして私の同期が2人、ですね。昨日いたシズちゃんもその1人です。」





「1つの試合は3戦で構成されるチーム戦です。1戦目は2on2つまり2対2、2戦目も2on2、3戦目は3on3、3対3ですね。それで計7人という訳です。」



「そして勝敗は “倒した合計人数”で決まります。試合の勝利数でないのは注意してくださいね。」



「それで、同点の場合は“決戦”に持ち込まれるんですよね。」




「はい。そこまでの試合結果が拮抗した場合、具体的には倒した人数が同じか1人差の場合は決戦に持ち込まれその勝敗で決着となります。今まで出場した選手から1人、1on1での決戦です。チームのエース同士がぶつかる、それもゲーム中唯一の1対1での決戦ですから、“華の1on1”なんて呼ばれたりもします。」



そこまで説明されたカイトがギリギリ聞こえる声でボソッとつぶやく。



「華の1on1か…俺らの世代でいったら間違いなくセラだろうな。ティーじゃなくてよ」




「………………、……………あぁ!?なんか言ったか!?」



 「俺は俺たちの中で華の1on1に出るとしたら、セラに違いねえって言ったんだ。ティー、おまえもそうおもうだろ??」



「何言ってんだ、この期で最強は俺だ!まさかあの一試合だけで俺より!セラが強いって思ってんのか!?」



「ああ。誰が見ても明らかだろ。そもそも、あんだけ雑魚なら俺より下だろ。いい加減現実みな。」



「……現実見てねえのはカイトの方だろ。俺の方が!強いに!決まってる!!!」



「ハハハ、なら試してみるか??」



「おう、いいだろう。やってやろうじゃねえか。」





「待ってください二人とも!!!!!!!」



「「なんですか日和先輩!!」」




「やって構いませんから、二人ともここから少し離れて!!あと魔装用コートじゃないので魔法はなしで!!!」












「なんか始まっちゃったな、つか昨日も見た気がするぞ」



ケイが呟く。



「あー、あたし、先輩の言ってた意味分かった気がします…」



「なんか言うてたん?」



「この会をわざわざ外でやる理由、ですよ…」



「ええ。たびたび、こういうことになるんですよ…それに私たち、部室以外の屋内で部活するの、禁止されてますから…」



「…え?」



「何代か前の先輩が教室壊したことがあるらしいので…」



「えっと、窓を割った、ってことですか?」



「………………………………。教室壊したことがあるらしい、ので…」




「……それでは、みなさん、これからこの基本ルールを踏まえて都大会でみなさんにお願いしたいことを説明します。」




「!?切り替えはや!!ってか、2人には説明しなくていいんですか!?」



「……2人はあとで、罰走、です。」






§





 こうして、魔闘部26期の練習の日々が始まった。


 ランニングを始めとする身体面での基礎トレーニングは勿論、魔法や魔装についての学びも欠かさない。どれをとってもその練習量はかなりの物だ。そして、魔法の扱いについても熟達しなければならないのだ。


「東先輩レギュラーでしたよね、こんなところにいていいんですか?」



ケイが尋ねる。


「後進を育てるのもおじさんたちの仕事だからね!君たちが魔法を使えるようになるためなら頑張っちゃうよ!!」



「いいから先輩はやく始めてください!!あなたこの後練習試合あるんですよ!?佐倉先輩も何か言ってください!!!」



 そんな呼びかけに少し考えた後佐倉先輩が声を掛ける。



「東君、早くはじめよ?一年生のみんな、早く学びたそうにうずうずしてるよ?」





「何!確かにみんなの目が輝いている…!これは早く始めなくては!!!」







 そうして練習が始まる。


 「そうだ!いいぞ、いいぞ、魔力をコントロールすればそれが水でも!炎でも!風でも!思い思いの形作るのなど、たやすいことだあ!!!」



 皆、自らの手元で魔力の水や炎を作りそれで文字を作る。



「お!ユリ君!それは『川』の漢字だな!いいぞ!いいぞ!」



ユリの手元で浮かぶ水は三つに分かれ、『川』の漢字の形を作っている。



「『川』」


「『口』」


「『呈』」



「ってユリ、なんで俺の名前なんだよ?」

 

そんな二人にカイトが寄ってくる。


「『ア』」


「『ホ』」


「『毛』」



「くっ、アホ毛じゃねえ!ファッションだ!ファッション!!!」







 また別の日は、魔装のコントロールだ。


「魔装は可動域の広い部分は薄めに、それ以外の部分は厚めに構成していきます。逆に攻撃するときはそういう部分が急所になってくるわけです。」






「セラちゃん、これだけはほんま、苦手やなあ」



「ユリちゃん、なんでそんなに上手くできるんですか…?」



「うーん、なんでって言われてもなあ」



 「セラは後衛でしょ?だったら下半身のコントロールは前衛より優先度低いから、まず上半身の可動域をうまく動けるように調整するといいかな」



「わ!ティー君!ありがとうございます!!」



「ティーちゃん!?セラちゃんに教えてええの?それやとまた追い付くの大変になるで!?」



「? 別に次は俺が勝つし」



「ティーちゃんほんま自信あんな…勝てる根拠でもあんの…?」



「まあ、な」



「やった!ティー君!手が、上手く動きます!」



「慣れてきたら次は足だけ、試しているといいよ」



「なあ、ティー!俺にも教えて、くれ…」



「イチ!?どうやったら魔装ってそんなにこんがらがるんだよ!?」



ティーがイチのもとへ駆け寄っていく。





「あれ?ティーちゃんとイチちゃんあんな仲良かったっけ?」



「たしかに…クラスも違いますよね」



「にしてもイチちゃん、大丈夫なんかなあ。なんか何やってもあんな調子やし」



「でも鎧井先輩、『イチは根性がある』って言ってましたよ?」



「鎧井先輩って2年生の?たしかに、あれで諦めへんのは確かにすごいなあ」



「なんかふにゃふにゃになってますね…」



「しゃあない!私たちもいこか!」



「そうですね!」







 またまた別の日は魔法そのものについての講義だ。



「先日も話した通り、男性と女性特に始めたての13、14歳頃では保有する魔力量に大きな差があります。」




ティーが、小さな声でケイに声を掛ける


「おい!ケイ!目ェさませ!!」



「ティー…寝か、し、てくれ…」



「お前ただでさえ勉強苦手なのに寝てたら強くなれねえぞ!!!!」



「だいたい、あんだけ走った後に…。無理、だ…」



「中学性の初期の頃は本当に差が大きいですから、基本的には…」




「オレ、バカだからどうせ起きてても分かんないしい…後でティー、テストで出るとこ教えて…」



「いや、部活にテストなんてねえだろ!」





 そうして1週間と数日が過ぎた週末。蘭花中魔闘部は都大会エリア予選を迎えた。


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