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第二十九話 相談一人目ネイリーン

異世界転生に勢力争いの要素を加えた作品の第二十九話です。

マサキはネイリーンに自身の戦闘スタイルの相談を持ち掛ける。

初めまして方はどうぞ第一話から読んで下さい。お願いします!

読んでくれたら、なんでもするかもしれません!

 前回の冒険ではっきりしたが、このパーティーに必要なのはアリサとルシェラを敵の接近から防ぐ前衛だ。もちろん第一の壁役はネイリーンが務めるが、敵が複数の場合は後衛の二人が攻撃に集中出来るよう俺が前に出なければならない。それはつまり、前で戦っても死なないスキルを持つ必要があるということである。

 近接攻撃に対抗するには近接攻撃スキルを持つのが近道であり、俺は前回の冒険で得た経験値を武器戦闘(刀剣)スキルに振って20レベルまで一気に上げる。これで剣の腕は一人前を自負できるようになったわけだ。

 まだ11100の経験値が残っているが20レベル以上になると1レベル上げるのに倍の1000消費するので、一旦20で様子を見て他のスキルに回すことにする。暗黒魔法スキルを上げても良かったが、ネイリーンが持つ重鎧スキルの習得も念頭に入れていた。

 秩序の使者との戦いで革鎧を易々と断ち切られて瀕死の怪我を負わされた俺としては前に出る以上、防御力の改善も必然なのだ。


「マサキも重戦士タイプを目指すことにしたのですか?」

「いや、まだ完全に決めたわけではないんだ。まずはネイリーンと相談しようと思ってさ」

 翌朝、俺はネイリーンを見つけると相談を持ち掛ける。今日はパーティーメンバーがそれぞれ自由行動とする予定だったが、昨日のことで機嫌を取れていたためか彼女は嫌な顔せずに応じてくれる。

「なるほど、懸命な判断ですね。私としても前回の戦いでは援護に回れず、マサキには悪いと思っていましたから、それで役に立てるなら嬉しいですよ」

「助かるよ、それじゃ軽く朝食を食べながら話そうか・・・」

 そんな感じで俺は朝から冒険者で賑わうギルドの食堂で、ネイリーンから戦士タイプの立ち回り方法を聞き出した。


「戦士職には私のような重戦士タイプの他にも、攻撃に比重を置いた軽戦士タイプや敵の攻撃を避ける方向で特化したタイプもあります。マサキは器用度と敏捷性がやや高めですから、そちらの長所を延ばすのもアリですよ」

 重鎧スキルの特性や経験値コストをネイリーンから聞かされた後、ステータス表を見つめて考える俺にネイリーンは更にアドバイスをくれた。

 その指摘で改めて自分のステータスを確認するが、確かに俺の器用度と敏捷性は22、23とやや高い値を示している。エレンディアに来たときは21と22だったはずなので、いつの間にか微増していた。スキルだけでなく俺自身の方も冒険で成長していたようだ。

「なるほど・・・その場合はどんなスキルや装備を選んだら良いんだろう?」

「その場合は攻撃集中や回避特化、あとは二刀流などもありますね。・・・これはマサキ自身がその恐ろしさを体感したのでは?」

 済まなそうな顔をしながらネイリーンは俺の質問に答える。そういえば、俺を窮地に追い込んだ秩序の使者は、恐ろしいほどの速さで切り込んで来た二刀流の戦士だった。脇腹を抉られた記憶が生々しいのであまり思い出したくなかったが、逆に俺がそのような器用さと敏捷性を活かした戦士職を目指しても良いのである。

「攻撃集中に二刀流・・・ところで回避特化スキルとは?」

「これはその名のとおりのスキルで、保持している者の回避力を底上げする能力です。ただし、いくつかの条件があって、重鎧と更に大型の武器と盾との併用が不可能となっています。つまり私のような鎖帷子を着ていたり、槍のような長柄の武器、ナイトシールドを装備したりしているとスキルの効果を得られません。今更ですが、金属鎧を着てしまうとマサキの逃げ足も発動しなくなりますね。これは重鎧スキルを持っていても改善されません」

「そうだったのか・・・」

 防御面での改善を図りたい俺は回避特化に興味を示すが、辛辣な事実をネイリーンに明かされる。確かに、重い鎧を着た戦士の逃げ足が速いのは不自然だ。反目するスキル同士は重複しないということなのだろう。


 しばらく悩んだ末に俺は回避特化スキルを10レベルにまで伸ばした。当初は重鎧スキルで防御力を上げるつもりでいたのだが、重戦士タイプではせっかくの逃げ足スキルも使えなくなるし、やはりこの手のタイプはネイリーンのように体格に恵まれた者の方が有利なのだ。俺の長所を活かすには攻撃を受け止めるのではなく、避ける方が相応しいだろう。

 ちなみに回避特化スキルはなぜか重戦士タイプのネイリーンも20レベルで所持しており、他の伝授者を探す必要なく彼女に頼むことであっさりと取得することが出来た。所持していた理由を問うと、彼女も自分にあった戦闘スタイルを摸索していた時期があり、今では死にスキルになった回避特化を取得していたらしい。

 もっとも、このスキルは盗賊系スキルのためか初期コストが200とかなり低いので、戦士職なら持っていても損はないのかもしれない。常に鎧を着た万全の体勢で戦えるとも限らないからだ。

 その後もネイリーンとは昼食が終わるまで雑談をしながら過し、頃合いをみたところで別れる。一応は新しい鎧の購入が目的だったが、俺にはもう一人相談する相手がいた。

ご愛読ありがとうございました。一日一回、三千字程を目標に更新しますのでこれからもよろしくお願いします。

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