↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
18/58

第十八話 帰還そして新たな仲間

異世界転生に勢力争いの要素を加えた作品の第十八話です。

事件を解決したマサキ達は新たな仲間とトリムに帰還するのだが・・・。

初めまして方はどうぞ第一話から読んで下さい。お願いします!

読んでくれたら、今度こそなんでもするかもしれません!

 レクサ村で起った失踪事件を解決した俺達は村長の家でちょっとした感謝の歓待を受けた翌日、拠点であるトリムの街に戻るため再び旅路に着いていた。

 攫われた五人は村に運び込まれた後に、アリサの力で冬眠状態となっていた〝ディープスリープ〟の魔法を解除されると問題なく意識を取り戻した。

 もっとも、彼らはサキュバスの誘惑を受け入れたことで属性を混沌に鞍替えしている。もしかしたら、村を去って混沌の軍勢に加わる者も出るかもしれないが、それは俺達が受けた依頼の範疇を越えていた。まあ、一定期間をおくと再び所属を変えられるようになるということなので、後はもう村で解決すべき問題だろう。

 そのようなわけで俺達は約束の報酬、事件の解決と攫われた五人を村に連れ戻したことで金貨7枚を受け取ったのである。

 金貨は1枚で銀貨20枚の価値があるので銀貨に直すと140枚、その内俺の取り分は一割なので14枚が俺の報酬だ。ちなみに残りはアリサとネイリーンとで折半である。一人銀貨63枚となかなか羨ましい額である。もっとも、これは当初の約束であるし二人の実力を考慮すれば納得出来る額だった。

 もちろん金銭的な報酬も有難いが、それよりも俺を喜ばせたのは事件解決とサキュバスとの対決で得た経験値である。確認したところ、なんと5500も入手していた。

 早速、これを使い俺は接近戦闘(刀剣)スキルを2から10レベル、探索スキルを3から5レベルに一気に上昇させる。

 一時は補助系スキルを優先に上げることも考えていたが、フライングビッチことサキュバス達とのやりとりで、戦闘スキルの重要性を再認識させられたのだ。あの時、囮役を務めていたとは言え、俺は剣を抜くことも出来ずに手玉に取られている。やはり、死にたくなければ強くなるしかない!

 また経験値の全部を使い切らず、いくらか残しているのは魔法系スキルをどうするか考えているからである。精霊魔法はアリサから、回復魔法はネイリーンから習得することが可能だが、仲間と同じスキルをそれより下回るレベルで覚えてもパーティーへの貢献はあまり期待出来ない。それ故に判断を先伸ばしにしたのだ。


 そんなわけで、トリムに帰還する俺は往路よりも確実に成長していた。もっとも、変ったのは俺だけではないネイリーンは今回の冒険でアリサに約束を守れることを認められ、正式なパーティーメンバーに迎えられていたし、もう一人新たな仲間が加わっていた。

「トリムに出るのは二十年ぶりくらいなんで緊張しますね。・・・私なんかが、都会でやっていけるでしょうか?」

 その本人のルシェラが苦笑を浮かべながら仲間となった俺達へと問い掛ける。彼女は今回の失踪事件が自らの生い立ちに関与することを知ると、禍根を断つために村を離れる決心をしたのである。

 その際、特に行く当てがなかったのと捕虜にしたサキュバスの見張りには人員が必要なことから、トリムに帰る俺達に一先ず同行することになる。そして、その弓の腕前と屈託のない性格から自然と、どうせなら仲間として迎え入れようと話が進みパーティーメンバーに加えられたのだ。

 この誘いは俺とネイリーンが積極的に動いたが、アリサもルシェラとは相性があったのか、もしくは三人も四人も変わらないと諦めたのか快諾したのである。

「それは意外だね。レクサ村はトリムから歩いて二日程度の距離だし、もっと頻繁に立ち寄っているかと思っていたよ」

「いや、私、引っ込み思案とかはないんだけど、人が多いところはちょっと苦手で・・・へへへ」

「ああ、そういうことか。確かにトリムではその肌の色は多少目立つかもしれないけど、事情を話せば殆どの者が理解してくれるはずだよ。まあ、仮に何かあっても私達がサポートするから大丈夫!」

「うん、ありがとう! その時はお願いします!」

 ルシェラの不安をアリサがフォローする。俺と知り合うまでは一人で冒険者活動をしていたらしい彼女だが、リーダーとしても素質も充分以上に持っているようだ。

「あの二人が並んで歩く姿はなかなか絵になりますね」

「いや、まったく素晴らしい!」

 アリサ達のやり取りを後ろから見ていたネイリーンが、小声で語り掛けてきたので俺は当然とばかりに頷く。色白で金髪のアリサと小麦色の肌と銀髪のルシェラのコンスラストはまさに絵画のような美しさがあった。

「・・・あの、そろそろ休憩にしませんか? 陽の光が強いし、歩くのには慣れてなく・・・足の裏が痛いんです!」

 二人の美少女の様子に見惚れている俺達に声を掛ける者がいる。

「なんだ、一号! おまえ自分の立場がわかっているのか。捕虜なのだぞ! 命も助けて、矢傷まで癒してやったし、しかも服とブーツまで手に入れて御膳立てしてやっているのだ。立場を弁えろ!」

「す、すいません・・・」

 頭からフード付きのマントを被って手首と胴にロープを巻きつけられた人影が、ネイリーンに叱られると怯えた声で謝る。この人影は失踪事件の黒幕で捕虜にしたサキュバスの一人である。

 トリムに連行するに伴い、彼女には旅に相応しい服が与えられていた。半裸のままでは人目が目立つし、サキュバスの特性として彼女は陽の光に弱いので色々対策を施してやっているのである。

 そこまでしてやりながら弱音を吐く一号にネイリーンは癇癪を起したのだろう。ちなみに一号のあだ名は俺の命名である。フライングビッチ一号だったのが、自然と一号に落ち着いたのだ。

「とは言え、確かにそろそろ休憩しても言い頃合いだな。ねえ、アリサ! ここで休憩しよう!

「・・・そうだね。休憩にするかな」

 一号の訴えで俺も足裏の痛みを思い出すと、前を歩くアリサに訴える。ネイリーンは拒否していたが、休憩のタイミングとしては妥当だったのでアリサも承諾を出した。


「ルシェラは射撃スキルが42レベルなのか、確かに良い腕だとは思っていたけどそれ程とは!」

「いや、それほどでもないよ。私は魔法を覚える機会がなかったので、狩人に必要なスキルだけをひたすら磨いただけだからね」

 アリサと続けと親睦を深めるためルシェラに話し掛けた俺は、判明した彼女の射撃スキルのレベルに感嘆の声を上げる。

 ルシェラは照れながら謙遜しているが、20レベルで一人前で50になれば達人とされるスキルレベルである。それも遠距離攻撃を可能とする射撃スキルだ。その実力がこれからパーティーで発揮されると思うと非常に心強い。

 正直、俺がルシェラをパーティー誘った最大の理由は美人だから、の一言に尽きるのだが、実はかなりの実力者であったのだ。

「今まで剣ばかりに目がいっていたけど、離れた場所から攻撃出来る弓はわりとヤバイ武器なんだよな・・・」

「うん、マサキは良くわかってるじゃない! 良かったら、私が教えてあげるよ?」

「んん・・・興味はあるんだけど、今は魔法スキルにも目移りしててね。新しいスキルはどうしようか悩んでいるんだ。同じパーティーメンバーが持っていないスキルの方が貢献出来ると思ってさ」

「なるほど、そういうことなら無理に薦めちゃったかな。でも弓を覚えたくなったらいつでも言ってね!」

「ああ、ありがとう。そうするよ!」

 向かいでネイリーンと談笑していたアリサが立ち上がったので俺達も意図を察して、話をそれで一旦打ち切る。名残惜しいが休憩はこれで終わりだ。日が暮れる前に次の集落まで辿り着く必要があるので、グズグズはしてられないのである。


「ほら」

 俺は少し離れた位置で座っていた一号の身体を支えてやる。彼女は手と身体をロープで縛られているため上手く立ち上がれずにいたのである。かつての敵でサキュバスとはいえ、若い女性がふらつく様子は見ていられなかったのだ。

「・・・あ、ありがとう・・・」

 そんな俺の善意が珍しいのか一号はしおらしく礼を口にする。

「いや、別にそんなんじゃないし! 勘違いしないでくれ!」

 俺はそれこそ勘違いされては困ると、敢えてきつい口調で否定するが、逆に捕虜相手にフラグを立てたと気付くのはかなり後のことだった。

ご愛読ありがとうございました。一日一回、三千字程を目標に更新しますのでこれからもよろしくお願いします。

新キャラは一人だけだと思った? 残念、サキュバスの一号もヒロイン枠でした! 

そんなわけで、今作に対する感想や評価をお待ちしております。

あと、ブクマが二桁になりました。登録してくれた皆さんありがとう!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。