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関東解放刑務区
神奈川と東京の境に流れる多摩川の川底トンネルを地下鉄が走っていた。
車内には一人の警官と手錠を掛けられた神谷が並んで座っていた。他に乗ってる者はいなかった。
「何をやったんだ。思想犯か?」警官は神谷に聞いた。だが神谷は目をつぶり黙っていた。
やがて地下鉄が停まり、ドアが開いた。
警官と神谷が降りる。
階段のシャッターが開く。
警官は神谷の手錠を外し「行け」と言い、神谷の背中を押した。
神谷が階段を登りきると多摩川の河川敷が広がっていた。
「ここが関東解放刑務区か」神谷が呟く。
空は鉛色の雲に被われ寒々とした光景が広がっていた。
ギイイイ。
神谷が外に出ると背後のシャッターが閉まった。




