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モリソンの依頼
寺の応接室
椅子に座り待つ西洋人
トントン。ドアをノックする音がした。
「どうぞ」西洋人が言った。
ドアが開き、境内で指導していた男が入って来た。
西洋人は立ち上がった。
男は会釈した。
西洋人も会釈し「国際安全保障軍諜報課のモリソンと言います」と自己紹介した。
男は「私は神谷と言います。どうぞお座り下さい」と言った。
モリソンは座り「関東解放刑務区を御存知ですか?」と聞いた。
「知っています。死刑囚の収容所ですよね」
神谷が答えた。
モリソンは身を乗りだし「実は神谷先生に行ってもらう事をブレインがジャッジしました」と言った。
「ブレイン?国を統治しているコンピュータの命令ですか」神谷は苦笑いしながら言った。
「ご存じの通り、ブレインは日本を安全な犯罪の無い社会にするため我々が実験的に導入した統治機能を持つコンピューターです」
「そうらしいですね」と神谷が言った。
「刑務区囚人の1人、キングと称する男が陛下を擁する自分達こそ正統な政府だと主張し始めました。先生には陛下の生存を確認して頂きたいのです。勿論、抗被曝剤を打って頂きます」モリソンは話終えて、茶を飲んだ。
神谷はしばらく目をつぶった。
そして静かに言った。
「わかりました。行きましょう。抗被曝剤は不要です」




