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時空魔竜騎アースガルンプロット.  作者: 一ノ元健茶樓
ガルンの章
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復活

 



 ギルバート達も、話し合いに合流し。


 一同は、深夜まで話をしていた。

 しかし、疲れ過ぎていたのか、寝落ちして行く者が続出した。


 そして、みんなが寝静まった後。


 1人、起きていたのはヒックだけだった。


(ロッシー…何処にいるんだ…無事なんだろうな…いや、無事でいるはずだ…)


 すると胸のペンダントが、赤く輝く。


「あら、これなら単体で外に出られるのね…しかもお化けっぽくないわ…」


「うわ!フォル!急に出て来んなよ!」


「何よ。寂しそうな顔してたくせに。ロッシーの事、考えてたんでしょ?」


「…うっ。ああ、そうなんだ…」


「私、このペンダントの中で、今までこのペンダントが見て来た事を見たの…」


「え?なんだって?!」


「サトゥルーナって人と、ズルワーンって人。あなたの…いえ、ロランのお父さんと、お母さん。なのよね…」


「俺の?いや、中に居る奴の…?」


「私もその辺が、よく分からないけれど…あの仮面少女。あの子の事、覚えてる?」


「あ、ああ…あの本と、コインくれた…」


「あの子、あちこちで、あなたとロッシーを、助けていたわ…それに今回も…」


「え?アイツは…何なんだ?」


「見つけて聞き出すのよ。きっと何かを知ってるわ…あなたの中のロランは、ニア。って言ってたわ…ロッシーの傍に居る…とも…」


「…ニア…ロッシーの傍に…」


 そう呟いて、フォルの方を見ると、もう姿は無くなっていた。


 昼頃、みんなは起きて来ていた。


「さぁ、ヒック。ママがアーンしてあげるわね!はい、アーン!」


「…あ、あーん…」


 顔を赤らめヒックは、サトゥルーナにご飯を食べさせてもらっていた。


 ギルバートとサランも真似をしている。


 和やかな昼食をとった後、一同はまた、話し合う事になる。


「俺はロッシーを、助けに行きたい!今、何処でどうしてるのか分からない。俺は世界とロッシーを守る使命がある!」


 ヒックは、みんなへと話していた。


「僕達は、そのロッシーと言う少女の事をあまり知らない。説明してもらえるかな?」


「そうだな。ワシらも知らん。ヒックには世話になっている。チカラを貸したい…」


 ギルバートが質問し、ラケシス達も聞きたがる。

 サトゥルーナとズルワーンは、顔を見合わせ、不安そうな顔をする。


「俺とロッシーは、2人で1人。この世界の歪みを治す使命を、世界から受けた者だ。俺は、先に目覚めロッシーの元へと運ばれた。そして、ロッシーは未完全なまま、旅へと出る事になってしまった。俺は本当ならロッシーを守りながら、2人で世界の歪みをチェックし、この9つの世界を周るはずだった…」


「しかし、私の中に居る、魂の王ズルワーン。やつは、この世界のリセットを望んだ…」


「それを私たち、2人のサトゥルーナが防ごうとした。そして、私のヒックを守ろうと…」


「私は、その魂の王に操られていたわ。魂を強制的に融合されて…」


「僕は、嫌だったけど、フォルを守るために着いて来た…未来の僕が、そう言ってたから…」


 それを聞いて青髪のズルワーンは、幼いズルワーンを見る。


「き、君は…そうか…あの中に居た、未来の…君なのか…」


 ギルバートが、また質問をする。


「あのグレイと呼ばれる者は、何なのですか?」


「分からないの。けれど、ヒックを…もしかするとロッシーも、狙われているのかもしれないわ…」


「アイツは未来にも居た。世界はアイツによって管理されていた。この世界を、1つにし、人を魂と魔竜騎に分け、いつか滅んで行く世界をただ見ていたようだった…」


 その言葉は一同を、黙らせた。


「分かりました!グレイという、あの青年。あれは我々、人類。いや、世界の敵ですね…そして、あの消えた仮面の少女は?」


「あれはニアだ。ロッシーを守ってくれているみたい…なんだけど…」


 ヒックは、説明するも、すぐに口が止まる。


「私は、あの少女に会った。あの村から、次の世界へ行く時だ…」


「私も…記憶があるわ…」


「僕も…覚えてる…」


 2人のズルワーンとフォルは、遠い記憶を辿る様に思い出す。


「…全ては、ロッシーとヒック。2人の想いです。全てを…2人に…」


 ズルワーンは、その言葉を思い出す。


 全員の目的は、決まっていた。


 ヒックとロッシーの再会。

 そしてニアとグレイを探し出し、その真意を聞く事。


 そして、もう1つ。


 ヒックの両腕を復活させる事。


 今、この場には、科学者、博士と魔術士、魔導研究者に魔法エキスパート。


 そして、この惑星には、それを可能にする技術が揃っていた。


 もし、この世界を2人が守るのなら。

 ユニリンクをする為にも、必ず必要となる。


 一同は、動き出す。


 騎士団長としての権限をフルに生かし、フォルは、白装束を纏い魔導ノ君人フォルヒックトゥーナとなり、領土に墜ちた、時空戦艦ロズウェルSIGMAを改良整備する、ラケシス達とサラン。


 2人のラケシスと、ギルバート、ズルワーン、サトゥルーナは、ロズウェルSIGMAの中に作ったラボで、ヒックの両腕再生へと全力を注ぐ。


 幼いズルワーンは、お茶とお菓子を食べている。


 騎士団長ロランと、魔導ノ君人へ変装したフォルは、帝国と連邦を束ねるべく、会談を開く。


 ヒックの両腕には、神経系統が無く、黒い穴が広がっていた。それはラケシスの見解で時空間に似たものだと断定される。ラケシスの時空魔法と魔術を使い接続し、ズルワーンの再生治療を施し、サトゥルーナの脳医療の知識を組み込み、ギルバートの機兵技術で腕の中へと組み込んで行く。


 幼いズルワーンは、寝ていた。


 ロランとフォルの会談は、成功した。多くの犠牲を払い、長年に渡り惑星の政権を争った結果は酷いものだった。

 惑星グランは、1つの政治国家へと変貌して行く。


 時空戦闘母艦ロズウェルは、その完成を間近にしていた。事情を説明し、整備が整い、人員も増えたためだ。



 ― そして ―



 ヒックの腕は、完成していた。

 あとは接続するだけだった。


 そして眠っているヒックから、ロランが出て来ていた。


 頻繁に出過ぎた為、ヒックとロラン。

 2つの魂は疲弊していたのだそうだ。

 ヒックが、目覚めなかったのも、これが理由らしい。そしてロランも眠っていたそうだ。


「みなさん、ヒックの為にありがとうございます。そしてサトゥルーナさん。ズルワーンさん。ヒックもまた未完成です…どうか、守ってあげてください…。フォルの事も…お願いします…」


「ええ、分かったわ…ヒックを守ってくれてありがとう…ヒックが眠った時にしか会えないけれど、これからも…」


「あの…その事なんですが…僕は、恐らくもう、出てこられません」


「ええ!な、何でよ!!!」


 その時ヒックの赤いペンダントから、フォルが飛び出して来る。


「わ!フォル、突然なんだよ!」


「嫌よー!なんでもう出て来れないのよぉ!!」


「ぼ、僕はヒックが緊急時になれば、出て来れるよう、あの人が仕組んでくれてたんだ。この世界に無理が無いように…。だからヒックが戻れば、僕はもう必要ないんだ。またヒックの中で、世界を見ながら、色々感じて成長するよ…」


 ロランは、笑顔でフォルを見る。


「…そ、そんなぁ…オバケ仲間だったのにぃ…」


「気を落とさないで…」


 フォルは、悲しみズルワーンは驚く。

 ラケシス達やギルバートも、悲しんでいた。

 そしてサトゥルーナが、ロランへと近寄る。


 サトゥルーナは、何故か涙が止まらなかった。


「ねぇ、ロランちゃん。私、あなたの事、何故か懐かしい感じがするの…本当に、会えて…良かったわ…」


 ロランも何故か、泣いている。


「ぼ、僕もっ…あなたに…ぃ…会えて…うれ、嬉しかった…です!」


「ロラン。私、この事態が落ち着いたら、あなたをヒックから。きっと見つけ出して、外に出してあげるわ…」


「…ありがとう…サトゥルーナさん…本当に、ありがとう…マ…」


 その時、ロランの魂は大きく燃え、その姿を消してしまう。


「ロラン!」


 手を伸ばすサトゥルーナの指先を、青いロランの炎が、微かに撫でて消えて行く。


 ラケシス達は、泣いているフォルを慰め、ギルバートも泣いていた。


 ズルワーンは、サトゥルーナを支え寄り添う。


 そしてヒックに、腕が取り付けられる。

 全ての世界の技術が、集結した両腕。


 〘ワールド オブ ザ アームズ〙


 それは世界の希望と、未来を守る為。

 そしてヒックが、1人の少女を守れる為に。


 泣きながら目を覚ますヒックは、その両手を。


 天へと伸ばした。




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