日記
時空間へと引きずり込まれたグレイ。
ニアは、時空フィールドを、自分とグレイの周りへと広げる。
「な?!何をしているんだ!お前?!」
「…私は…ニア…ロッシー姉様から産まれる…存在…」
「ロッシー?誰だ、そいつ…」
するとニアは、仮面を取りグレイへと笑いかける。
そして2人は、収縮して行く、時空フィールドの中へと消え、この世界から途絶される。
― ともしび荘 ―
ニアは起きると、また。
「…ロッシー姉様…行って来ます…。あ、1ヶ月です。皆さんに、よろしくお願いします…」
そう言って、出て行ってしまった。
「え?!ニ、ニアちゃん?!い、1ヶ月って何?!」
ゴロゴロしてたロッシーは、起き上がり慌ててニアの後を追うが、その姿は無かった。
「…ニア…ちゃん…?」
空は曇り、雨が降り出して来ていた。
― 惑星グラン ―
戦闘機ペガサスで帰って来たロランは、一同を客間へと向かい入れていた。
サトゥルーナ達は、今までの経緯を話した。ズルワーンは、フォルヒックトゥーナの事を話した。
「それで、皆さん…これから、どうするのですか?」
「私達は、この次の世界。その惑星。地球という星から来たの。そして、みんなで帰るのだけれど…」
サトゥルーナは、ヒックを見る。
「僕達は、少し記憶があやふやになってしまっている。少し、色々事があり過ぎたみたいだ…」
ズルワーンは、フォルを見る。
「私には、沢山のフォルの気持ちが流れている。私自身、フォルヒックトゥーナと言う存在という事。そして、ミアという1人の女性の事…僅かだけれど、魂に刻み込まれているわ…」
「僕の村のフォルも居るよね?」
幼いズルワーンが、フォルの服の裾を引っ張る。
フォルは、幼いズルワーンの頭を撫でる。
「ちゃんと居るわ。幼いフォルの怯える気持ちが、私にはある…。これからも、守ってあげてね…」
「分かったよ!僕が守る!ロラン…は?」
そう言って幼いズルワーンは、ヒックを見る。
その場に居る、全員が眠ったままのヒックを見ていた。
「何故、目覚めないのでしょうか?ロランちゃんも全然出て来ないですもんね…」
「そうだな…一体…彼の中で、何が…。あなた達と、深い繋がりがあるのですか?」
騎士団長ロランが、ラケシスに尋ねるも、ラケシスはサトゥルーナ達を見る。
「ヒックは…私の…大切な…」
そこでサトゥルーナの唇は、止まってしまう。
「僕達は、一体、何をしようと…」
「私は、何なの…」
ズルワーンとフォルも、その答えが出せないでいた。
静まり返る部屋。
すると突然ホーラが、立ち上がる。
「な、何か来ます!」
「え、何?!急に?!ホーラ!怖い!!」
隣りに居たパルカが驚く。
「か、艦長!気をつけて!!」
「え?!」
ホーラが、艦長に向かってそう言った時だった。
艦長の後ろが、突然ヒビ割れて、時空間が広がる。
「な、何なの?!グレイ?!」
サトゥルーナ達は、身構える。
そして時空間から、2人の人物が現れる。
「あら、やだ…素敵な部屋…うわ!」
「ほんとだな、えらく豪勢な…うわ!」
そして一同は叫ぶ。
「うわああああああああっ!!!」
そしてラケシス達は、自分たちを見て驚いていた。
「うわあああああああっ!!!!なんだお前ら!!」
「ああああっ!…私はラケシスよん♪」
「ああああっ?…私もラケシスだ…」
「えっと…ラケシスです。どうも」
3人のラケシスは、挨拶し、何故か笑顔で肩を組んでいた。
「な、何なの…あなた達は…ラケシス、さん…」
「僕にも記憶がある。お世話になった記憶が…」
「私も…」
サトゥルーナ、ズルワーン、フォルの3人は複雑な表情をしていた。
しかし。
「あ!ロランの所のラケシスおばさん!」
ズルワーンは、しっかりと覚えていた。
「あら!ズルワーンちゃん!無事だったのね!良かったわぁ~」
そして2人は、抱き合っている。
それを見たサトゥルーナ達は、胸に鼓動を感じる。
「…サ…ト…」
「僕には、フォルの他にも…」
「私が…お姉ちゃん…」
しかし3人は、それ以上に何かを言えなかった。
そして落ち着いた一同は、説明をはじめる。
「あなた達を見送って、数日すると、このラケシスが突然、私の部屋へと来たのよ…バリンッ!って…ビックリしたわ…」
「ワシは、君らが去った後、捕まり裁判にかけられた。しかし、私は時空の移動説を絶対に曲げなかった。それは君たちを見て、確信に変わったからだ。そして、ズルワーン君。君が残して行った、この機械…」
ズルワーンは驚く。
「それは僕のスマートフォン!」
「私はコレを証拠に、戦った。そして猶予をもらった。そんな事が本当に可能ならば、研究し成果を見せろと…。そして私は君たちが割った、空間を調べた。するとどうだろう。私が研究を重ねて来た時空魔法がヒットし、バリンと割れたのだ…」
そう言ってズルワーンに、スマートフォンを渡すラケシス。
「これは返そう。その中には大切な記憶が残っているはずだ…」
「ちゃーんと、イエローフラワーで電気入れて来たわよ!」
ズルワーンは、自身のスマートフォンを確認する。
サトゥルーナは尋ねる。
「ど、どうして…あなた達は分魂、しないのよ…」
「それなんじゃが…ワシらも、分からない…目の前にコイツが居た時は、終わった…と思ったが…」
「あたしも後から聞いてビックリしたわァ!でもココに来て目の前にまた同じようなのが居るんですもの!」
「私も、ビックリだ…」
3人のラケシスは、お互いの顔を触ったり、同じポーズをとったり、抱き合ったりしていた。
「これは…僕の日記がある…」
ズルワーンが、それを呟くと全員がズルワーンの傍へ近寄る。
「わ!見ないでください!」
ズルワーンは、スマートフォンを隠す。
「ごめんね、パパ!」
それを取り上げるフォル。
「ナイスよ!フォル!」
フォルは、追いかけて来るズルワーンを交わしながら、日記を読み上げて行く。
所々、空白になっているソレは、今までの事が、色々と書かれていた。
読んで行くうちに、ズルワーンもフォルも、その場にいる全員が、ただ耳だけを動かしていた…。
そして、その時。
眠っていたヒックが、目を覚ます。
「ロッシィイイイイイイイイイイイイ!!!はぁはぁ!…あれ?何ここ?」
静まっていた雰囲気に、突然叫びが聞こえたので、みんなが一斉に驚き、すぐに怒った顔になる。
「なんで今なのよ!」
「大事な所だったでしょ?!」
「何なんだ君は!!」
「え?ちょ?!な、なんでぇ?!なんでぇぇええっ!!!」
― ニュートラル城 屋根 ―
「ねぇ、ギルバート…」
「なんだい?サランちゃん…」
「おかえりなさい。もう、どっか行っちゃやだよ?」
「勿論だよ。もう、何処へも行かないさ」
そして、2人は手を繋ぎ。
月に照らされ、口づけを交わす。
2人の指には、まだ。
指輪が輝いていた。





