祝福
ズルワーン達は、ロズウェルSIGMAから発射された光線に、驚いていた。
「な、何なんだ、アレは!」
「まさか連邦があんな物を…沖合いに落ちたのは、あれの試作戦艦って事だったのね…」
「フォル、ズルワーンさん。僕はどうしたら?」
魔竜騎ズルワーンは、2人に指示を仰ぐ。
フォルとズルワーンは、空を駆け巡るロランの戦闘機へと、目をやる。
「そうね、この都市を絶対に守り、帝国と連邦を、何とかします。チカラを貸してね。パパ、ズルワーン」
「ああ、勿論だよ」
「僕も頑張るよ!」
― ニュートラル城 魔牢 ―
ロズウェルクルーと、眠ったヒックは、魔法壁で囲まれた牢屋に居た。
牢屋とは、いえ、ソファがあり、テーブルもあった。
そして5人は、出されたお茶を飲んでいた。
「やだ!何これ!めっちゃ美味しいじゃな~い?!ラフィールよ!ぜーーーったいこれはラフィールのお紅茶!」
「ラケシス博士…私たち、捕まってるんですよ?何でラフィールの紅茶が出て来るんですかぁ。捕まって頭おかしくなりましたか?」
そう言って、モイラもお茶を飲む。
「え、やだ。美味しい…」
「これは…ラフィールの紅茶だわ…」
ホーラもそう呟く。
その時、場内が騒がしくなり、牢の警備員達が居なくなり、地鳴りがする。
「きゃー!ホーラ!パルカ怖い~!」
そう言ってパルカは、ホーラに抱きつく。
「きゃー!クロートー!ラケシス怖い~!」
そう言ってラケシスも、クロートーへと抱きつく。
「や、やめてください艦長!キモイっす!!」
「もう!艦長!!ほら、離れて離れて…ん?」
その時、モイラが眠っているヒックの、ズボンのポケットから白い紙が、少し見えているのに気付く。
「な、何かしら。これ…。てか、ヒック君。全然、目を覚まさないですね…」
そう言いながら、白い紙を開いて見る。
「は、博士!こ、これ!?」
そう言ってモイラは、テーブルに勢いよく手の平をつき、白い紙を置く。
「えーと…なになに…ちょ、アタシ老眼なのよ…ホーラ、読んでちょうだい!」
「…。分かりました。皆さん、初めまして。私は魔導ノ君人フォルヒックトゥーナ。これを読まれている頃、私はこの国に居ないかも知れません…」
「ええ!な、なに?!パルカ驚き~!」
パルカだけで無く、その場の全員が驚いている。
「あなた達は、大切な人を運んで来てくれました。その魔牢は、私が特別に強固な物にし、外からの攻撃に耐えられる物にしています。騒ぎが無くなれば、ロランが迎えに行くと思いますので、そこから出ないで、お茶でも飲んで、ごゆっくりしていてくださいませ」
一同は静まりかえる。
「い、一体…何が起こっているというの…私たちの、世界で…」
そう言ってラケシスは、天井を見上げた。
「あ、あなたは!サトゥルーナさん!!ど、どうして…!?何処から…それに…」
するとサトゥルーナから、黄色い魂が飛び出す。
「あら?もう出ちゃうのね…」
サトゥルーナは、迫って来る魔導スクエアを、魔人で叩きながら、サランとギルバートの魂を見る。
『サランちゃん。寂しい思いをさせてすまなかった。こんな姿になったけれど、帰って来たよ』
「ギ、ギルバァトォ!!!」
涙が溢れ出るサランは、そう言って魂のギルバートへ、抱きつこうとするが通り抜けてしまう。
『サランちゃん!抱き合うのは、この騒ぎが終わったあとみたいだ…』
「いいよぉ~ギルバートぉ。マヂチョベリグの卍のテンアゲって感じぃ…うぇ~、うぇ、ぅ…」
『ありがとう。サランちゃん。僕の身体は、あの時に魂と分離させられてしまって。さぁ、僕の身体を取り返そう。まさか身体を回収されて、あんな使われ方してるなんて…絶対に許せない!』
「あ…ギルバートごめん。私、結構、蹴ったりしちゃった…」
『サランちゃんに、寂しい思いをさせた罰だと思って、受け取っておくよ。ナスラさん!お願い出来ますか?!』
「はい!どうぞ!」
『よし!サランちゃん!行こう!』
「かしこまぁ!」
そう言ってギルバートの魂は、魔竜騎リュスラへと入って行く。
そしてサランは魔竜騎リュスラの小指へと飛び、そこへ小指を着ける。
「ギルバート、ナスラさん、リュウロー。皆、一緒だね!」
そう言って、叫ぶのだ。
『ユニリンク!!!!』
と。
そうすると魔竜騎リュスラとサランは、光り輝き。
魔竜騎ギルバートとサランを、金色に染め上げる。
「魔竜騎ギルバート!見参!!」
「操縦者サラン!マヂ見参!!」
2人は、腕を組み、前後に並ぶ。
それを見たサトゥルーナは、微笑んで。
「ここは、大丈夫そうね」
と、言いながら何処かへ飛んで行った。
サランと魔竜騎ギルバートは、光の帯を出しながら、連邦へと飛んで行く。
片手をかざし、それを振り切ると。
魔竜騎ギルバートの肩部分が開き、その中の発射口から、光の玉が連邦軍へと向かい、無数に飛んで行く。
それは連邦軍の戦闘機、戦艦へとぶつかると、ショートを起こし、戦闘不能へとしてしまう。
それは魔導スクエアにも有効だった。
連邦軍の中を飛び回り、光の玉を撒き散らすサランと、魔竜騎ギルバート。
「私たち相手に!そんなの通用しないんだからって感じでぇ~!!」
「サランちゃん!また君のそんな笑顔が見れて良かったよ!!」
「ギルバートも、めっちゃイケてる!カッコイイ!!」
しかし距離を取っていた、仮面のギルバートの仮面が、赤く光っていた。
すると光の玉を避け、半数以上も残っている魔導スクエアが、赤く光りだす。
「サランちゃん!あれを受けると、魂と身体が分離される!気をつけて!!」
「え!そ、そうなの?!」
赤いレーザーを避けながら、飛び回るサランと、魔竜騎ギルバート。
「だけど…今の…」
「僕達は…」
「「無敵!!」」
そう言って、飛ぶのやめて空に立つ、サランと、魔竜騎ギルバート。
魔導スクエアの、狙いが一点。サランヘと定まり、レーザーが一斉発射される。
それをサランは片手で、受け止め。
前へと歩く。
「私たちは、新婚なのよ?そんな攻撃、マヂ効くと思ってる?ありえないっしょ」
「そうだね。サランちゃん。僕達の愛は、時を超えて、再び燃え上がる。こんなレーザー。熱くも痛くも無いね」
そして2人は空を歩き、仮面ギルバートの前へと辿り尽く。
魔竜騎ギルバートは、肩から光の玉を一斉発射し、残りの魔導スクエアを全滅させる。
「死が、2人を分けたとしても…」
「僕らの愛は、終わらない…」
そう言ってサランは、仮面ギルバートの顔面へと、かかと落としする。
仮面ギルバートの仮面は割れ、中から無表情のギルバートが現れる。
そこへ、ギルバートの魂が入り込む。
瞳は輝き出し、その表情は、無表情から笑顔へ変わる。
「ただいま…サランちゃん…」
「ウェッ、ぅ~ん!おかえりなさい!ギルバートぉ!」
そう言って、2人は抱き合う。
魔竜騎から、紫の光と、銀色の光が空へと、舞い上がり、消えて行く。
その向こう側には、落ちていく連邦の部隊があった。
ネクストブライトにより、半数以上が、時空間へと飲み込まれた帝国は、撤退しようとしていた。
「くそう!しかし、よくわからんうちに連邦は落ちた!体勢を建て直し、連邦へと攻め込むのだ!!」
そう言っていた時だった。
魔竜騎ズルワーンとフォルが、帝国最新戦艦型要塞ガイランへ、突入する。
中でナイトモードへ変形し、
「死にたく無かったら、総員退避ぃ~!!」
と艦内放送を使い叫ぶと、内側から破壊して行く。
ズルワーンは、都市ニュートラルの上空で、状況を見守っている。
そこへサトゥルーナが、やって来る。
「…サ、サトゥルーナ!君は…」
「ズ、ズルワーン!あなた…正気に戻ったのね!!」
そして2人は、抱き合う。
帝国も、フォルと魔竜騎ズルワーンによって、壊滅する。
そして、その時だった。
ネクストブライトで、割れ目が沢山ある中。
その真上が小さくヒビ割れ、そして、小さな時空の穴が開くのだった。





