影フォルス
― 時空間 ―
次の世界へ向かう、魔竜騎ズルワーン。
その頭の上に、ズルワーンとフォルは居た。
「ルーナ達は、大丈夫なのだろうか…」
「ママなら大丈夫よ。パパよりも魔法だって使えるし」
「それを言わないでくれよ…」
そうして次の世界への時空壁へと、差し掛かろうしていた時だった。
目の前に1人の少女が、現れたのだった。
― ヘキサグラム 研究所 ―
ユニリンクをしていた、ルーナの影から、2つの影が生まれでる。
それは真っ黒な影で、そのシルエットがルーナとズルワーンへと変化して行く。
その時、ヒックが叫ぶ。
「チッ!フォルスだ!ここで出て来るのかよ!!」
そのフォルスは、ルーナへと黒く長い爪を突き立てようとして来る。
それをヒックは、自身の腕で防ぐ。
しかし、集団ユニリンク途中で分かれてしまい、魂の混合は不成立で終わってしまう。
ルーナは、2人のまま。
ノートPCから悟は消え。
ロッシーも目は、覚ましていなかった。
2人の影フォルスと戦うヒックだったが、その様子がおかしい。
動きはどんどん鈍くなり、目が閉じようとしている。
2人のルーナも、よろめき、その場に座り込んでしまう。
「さ、さと…る…」
「ズル…ワーン…」
2人は、その場に倒れ気を失う。
ズルワーンは、2人の元へと駆け寄り、2人を抱き起こす。フォルは、その場で泣いていた。
「くそ、魂の量…が…」
ヒックは、よろめきつつも影フォルスと戦うが、攻撃を受けて弾き飛ばされる。
「お、お前ら…逃げ、ろ…」
そしてヒックは、気を失ってしまった。
しかし、その時だった。
立ち尽くしていたロランが、ヒックへ向かって走り出す。
「うおおおおおおおおおおおおっ!!!」
そして気絶しているヒックの手を取り自分の小指と、ヒックの小指を強く繋ぎ合わせ、叫ぶのだ。
「ユ、ユニリンク!!!!」
すると、ヒックの身体は強い光を放ち、影フォルスは弾き飛ばされる。
が、ヒックは眠ったままだった。
しかしヒックとロッシーの身体は、輝き出し、その場から消えて無くなってしまう。
そして研究所の一部が割れ、中からグレイが現れる。
「チッ、自己防衛プログラムか…めんどくさい奴だ…」
その同時刻、研究所の空に魔竜騎ズルワーン達が、空を割って、この世界へと到着する。
しかし、その瞬間、ズルワーンの身体が青く燃え出す。
「な、何だこれは?!」
「パ、パパ!?」
そして、ズルワーンから火の玉が飛び出し、それは天高く昇って行く。
そして魔竜騎の上に、ズルワーンは倒れる。
その時だった。
魔竜騎ズルワーンから、魂が浮かび上がりズルワーンの中へと入って行く。
するとズルワーンは、頭を振りながら起き上がる。
「これが…肉体…私は、魂の王。ズルワーン…少し記憶が曖昧だな…」
研究所のズルワーンにも、同じ事が起こっていた。
突如倒れ、青い魂が天井と透過し、昇って行く。
倒れた2人のルーナ、そして泣くだけのフォル。
「めんどくさいな。ヒックを追うか…。お前ら、面倒だから、そいつら片付けといてね」
そう言い残し、時空の割れ目へ戻ろうとした時だった。
地面が大きく揺れ始める。
「な、何だ…?」
グレイは、あまり気にして居ないような素振りで、不思議に思う。
すると研究所の地面を突き破り、巨大な手が現れ、2人のルーナを握り込む。
その巨体は、どんどん姿を現す。
上半身が現れる。
それは魔竜騎フォルヒックトゥーナであった。
ルーナ達を持っている方の、手とは反対の手で、影フォルスを薙ぎ払う。
影フォルスは吹き飛び、粉砕される。
そして、そのままグレイを、その巨大な手で殴ろうとする。
しかし、グレイは時空の穴へ入る。
その時だった。
中から白い仮面を付けた少女が、グレイを押し戻す。
「な、何だお前は!」
そしてグレイは、魔竜騎フォルヒックトゥーナの拳をくらい、気絶する。
仮面の少女は、グレイを時空の穴へと投げ入れ、時空の穴を閉じる。
「…殺ると、ロッシー姉様に叱られますからね…」
そう言って仮面の少女は、魔竜騎フォルヒックトゥーナの顔へと近寄り、抱きつく。
「…おぉ、よしよしよしよし…フォルちゃん、偉いでしゅねぇ…」
と、言いながら、魔竜騎フォルヒックトゥーナの顔を撫でている。
「グォォォン…」
とだけ鳴く、魔竜騎フォルヒックトゥーナ。
「…さ。行きましょう…」
そう言って、時空魔竜騎の書を取り出し、時空に本のページを作る。
そして、その中へと入って行く。
研究所は、火事となっていた。
それを見た空中のズルワーン達は、何かあると知って居るかのように研究所へと向かう。
入口に魔竜騎を残し、魔防壁を張りながら中へと進む。
研究所の辺りが1番酷く、そこへ足を踏み入れるズルワーン達。
足元にあった、ガラスの割れたメガネを広い、自分にかけ。
倒れているズルワーンから白衣を奪い、それを着る。
そして手袋を手にはめる。
この時、魂が馴染みだし、ズルワーンの白髪の髪の先が少し、青くなっていた。
そして、気絶しているフォルを見つけ出しズルワーンは、外へとフォルを連れ出して行く。
「この少女は、この間の…」
「フォルだ!おーい、フォル!」
魔竜騎ズルワーンから、幼いズルワーンがフォルを呼ぶ。
しかし幼いフォルは、気を失っていた。
ズルワーンは、幼いフォルの胸に光る魔法陣を発生させる。
そこから結晶体となった、フォルの魂を抜き出す。
「な、何をしているの?!ズルワーン!?」
魔竜騎ズルワーンから、声がするがズルワーンの耳には入らない。
すると青白髪のズルワーンは、フォルの手を引き、抱いているフォルの手を握らせた。
そしてその真ん中には、先程手に入れたフォルの魂が宙に浮いている。
「このような少女を利用するのは、しのびないが…」
青白髪の男は、2人から少し離れると小声で何か呟いた。
次の瞬間、魂が大きな光の爆発を起こし、2人のフォルを青い円球の光で包み込む。その光は中心へと向かって縮小して行く。
そして2人のフォルを飲み込み、小さな手の平くらいの大きさまで縮小する。
その青い玉はとても綺麗な、透き通った色をしていて輝いている。
「すまないな。フォル」
青白髪の男は、それを手に取り握りつぶした。
その手から青い光は消え、握った手からは赤くドロドロとした、血の様な液体がとめどなく溢れて来ている。
それは人の形を形成し、フォルへと形をかえていく。その顔色はとても良く、先程のフォルとは別人の様である。
2つの魂が混ざりあったフォルは、すぐに意識を取り戻す。
「わ、私、どうしちゃったのかしら?」
「やぁ、フォル。これから私の為に、働いてくれるね?」
「分かりました!ズルワーン様!」
魔竜騎ズルワーンは思っていた。
(フォ、フォルが…これが、あの仮面をつけてた子が言ってた事なのか…?そんな…)
それから、魔竜騎ズルワーンはあまり喋らなくなってしまった。
そしてズルワーン達は、時空を割り、次の世界へと進んだ。





