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時空魔竜騎アースガルンプロット.  作者: 一ノ元健茶樓
時空の章
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操縦者

 


 無数の赤い閃光が、魔竜騎ズルワーンへと向かう。


「防いで!ズルワーン!!レイヴォルブグランゾン!!!」


 赤服フォルが、呪文を唱えると、大地から巨大な岩山が現れ、赤い閃光を全て受け止めてしまう。

 爆風と岩の砕けた断片が周辺に飛び散る。流れて来た小岩で赤服フォルは、頬に傷を負う。


「痛っ…」


 それに気を取られた隙を見て、軍服フォルが、赤服フォルに高速飛行で詰め寄る。


「こんにちわ、私のそっくりさん」


 と言いながら持っている杖をスイングし、赤服フォルを吹っ飛ばす。


「こうゆうゴーレム操作系は、操縦者を叩くのが1番ってワケよね」


 そう言って軍服フォルは、追撃の為、赤服フォルが、吹っ飛んだ先へと向かう。

 赤服フォルは、魔竜騎操縦服を着ているので、直接の打撃ダメージが、軽減される。

 が、そこへ2発目の杖スイング。


「と思わせといてぇ! スカーレットバレットォッ!!!」


 軍服フォルは、手を広げ相手の胸部に手を当てる。すると赤い光が、手の平から鈍い音と共に連続で発射され発光する。


「…くはっ」


 と言いながら赤服フォルが、口から血を吐く。


「流石に零距離なら効くのかしら?」


 軍服フォルが、少し距離を取り、後退してから余裕たっぷりな表情で、赤服フォルに問いかけ、また連続で攻撃を仕掛けようとした時だった。


 口から血を流し、朦朧としている赤服フォルの目の前に、青い霧が広がり、それが青白髪の男へと変化して行く。


「その辺りにしといてもらおうか?」


 少し厳しい顔で、軍服フォルを睨む。

 しかし、フォルは怯まない。


「ふふ、アタシの前にまた出て来るなんて、いい度胸してんじゃないっ!!ロランの恨みを、また晴らすわ!!!2人まとめて貫いてあげるっ!!」


 そう言うと詠唱を始める。


 プラズマがパチパチと弾け飛び、赤い稲妻が辺りを包む、そして、それは赤い竜となり咆哮する。


「我が愛しの赤き稲妻よ!禍々しき胸を貫き、その心を奪い去りたまえっ!!」


 閉じていた赤い閃光を放つ目を開き。

 目標を定め、青白髪の男の胸に左人差し指を重ね叫ぶ。


「喰らいなさいっ!!ドラグローズッ!ランサァー!!!!」


 青白髪の男は特に何もしなかった。

 ズルワーンの後ろに下がっている赤服フォルは。


「何?!その呪文!」


 と驚いている。


 赤いドラゴンの形状が槍の様に鋭く尖り、青白髪の男と後ろのフォルを貫く。

 その大きさは、以前のドラグローズランサーより遥かに大きい。


 そして赤き竜槍は、薔薇の花びらとなり、大地へ舞い落ちる。


 軍服フォルは、魔力の使い過ぎで少し息が上がり、狙った方向を見れないでいた。

 軍服フォルが、顔を上げて青白髪の男の方を見ると、平然と宙に浮いている。


「なっ!?」


 この世界のフォルは、驚いて息が止まったかのように固まっている。


 青白髪の男は、微笑みながらメガネのズレを直す。


「さて何故、あの技が私たちに通用しなかったのか?説明が必要かな?この世界のフォルヒックトゥーナ…」


「ア…アタシの名前を気安く呼ばないで!それに説明なんて要らないわ!もう一度!!」


 また同じ詠唱を、唱えようとした時だった。


 〈 フォル!何かおかしい!1度こちらに戻って来てくれ!!〉


 魔竜騎ヒックが、軍服フォルの頭に直接伝わる方法で話しかける。


「で、でも、、、」


 〈 今お前に何かあったら困るんだ!1度俺の肩の辺りまで来てくれ!〉


 誰かと話してる様子を感じ取った青白髪の男の顔が、少し厳しい顔になる。


「私との会話中に!浮気はやめてもらおうか?!フォル!!」


 と気性が荒くなる。


「え?!浮っ!?って、何よアンタ!」


 その言葉で少し頭の熱が冷めた軍服フォルは、高速で魔竜騎ヒックの元へと飛行する。


 〈 戻って来てくれてありがとう。フォル。少し頼みがあるんだ…〉


 ヒックは、まだ先程殴られ倒れた状態で、腰の部分を中心に地中へと埋もれてしまっている。


「それが人にモノを頼む態度なの?早く起きなさいよ。それか起き上がれない程さっきの打撃のダメージがあるっていうの?そうは感じないけど…?」


 そう言いながら魔竜騎ヒックを、全体的に眺めながら破壊箇所がないか見ている。


 〈 そうじゃないんだ、俺は魔竜騎でナイトだ。操縦者が居ないと動けない。通常ならロッシーが、俺を操作してズルワーンと戦う筈なんだが、、、〉


「え?!こっちもそのシステムなのね。てかロッシーは…」


 そう言って軍服フォルは、大木の方を見る。

 そこには、時が止まったように、先程と変わらぬ姿のロッシーが居た。


 〈 あの状態だ…少し俺が無理させ過ぎたのかもしれない。そこでなんだが、フォル。俺を操縦してくれないか?!〉


「え?!アタシが操縦するの?!」


 〈 そうだ。フォルは、絶対アイツが繋がりを持たせてる筈だから、一緒にユニリンクしてみたんだ!〉


「アイツ?繋がり?ユニリンク…ってのは、さっきの小指のやつよね?」


 〈 フォル!後ろ!!〉


 慌てて軍服フォルが、振り返ると青白髪の男が、フォルの肩に手を置こうとしている瞬間だった。

 慌てて軍服フォルは、飛び離れる。


 赤服フォルは、先程の戦闘でダメージを受けたからか、腹部を押さえながら、少し離れた場所に居る魔竜騎ズルワーンの肩に座っている。


 青白髪の男が、1人で、こちら側に来ているようだ。


「この世界のフォル、私と一緒に来ないか?」


 ズルワーンからの突然の申し出に、フォルは困惑する。


「えっ…?」


 宙に浮きながら後ずさる軍服フォル。


「君は、こんな所に居てはいけない…」


 悲しそうな表情で、軍服フォルへと距離を詰めて来るズルワーン。


 〈 話を聞くなフォル!それより俺の左手の小指と、フォルの小指をくっつけてバイパスと唱えてくれ。そうすれば俺を操作出来る。相手側のフォルが、ダメージを負ってる今がチャンスだ!〉


「僕は、君が、好きなんだ。だからフォル、君の事は全て知りたい。全て保管したいんだ…だから私と来てくれ。悪いようにはしない…君の魔法を1度胸に受けたのも、私の愛の深さを君に伝える為だったのだけれど、君には伝わっていたよね?さっきも僕の心を奪い去ったよ…」


 青白髪の男は、まだ軍服フォルに語りかけている。


 軍服フォルは、それを無視して、魔竜騎ヒックの左手小指部分へと飛ぶ。

 小指とは言え、魔竜騎となったヒックの小指は、フォルより大きい。

 そこへ着地してフォルは、小指を着ける。


 そして。


「バイパス!!!」


 と叫んだ。


 するとヒックの身体は、赤い稲妻をまとい、手足、身体、頭にあった赤いラインが太くなり、少し形状も変わる。

 白基調7に赤3程度の色合いとなる。


 それを見ていた青白髪の男は。


「そうかい、それが君の答えかい、フォル。また君は僕を…。いいだろう。完全なるフォルヒックトゥーナを作り上げる私の計画は、最初から欠番していた、それでも構わない。私は君を集めるよ!魂だけでもね!!」


 そう言うと魔竜騎ズルワーンの元へと、高速飛行で移動する。


 青白髪の男の話など全く聞いてなかった2人は、ユニリンクのバイパスが成功した事に夢中だった。


 〈 やった!成功した!フォル!俺を動かしてみてくれ!〉


「え?!ん!んん~!!?!」


 どう動かして良いか分からない軍服フォルは、とりあえず力んでみるが、ヒックは全く動かない。


 〈 違う!イメージしてくれ、俺を動かすのは、自分が同じ様に動いて指示してくれても大丈夫だ!魔導が使えるフォルならきっと上手くいく。感覚操作で頼む!〉


「感覚…操作…ん~?こう??」


 すると魔竜騎ヒックは、突然飛び上がり、空中で3回転ひねりからの、1前転して地面に着地してポーズを決める。


 〈 うっ…うわ、ぁ、あっ!ああっ!〉


「何よ、あれ…!」


 ヒック自身と、それを見た赤服フォルが驚く。


「フォルヒックトゥーナちゃんの才能に!不可能の文字は無いのよっ!!」


 そして辺りに軍服フォルの高笑いが、響き渡る。

 魔竜騎ズルワーンの肩にいる、赤服フォルの所まで来た青白髪の男は言う。


「さすがは僕の、フォルだ…」


 その顔の頬は、少し赤みがあり

 表情は柔らかく


 微笑んでいた。。。



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