閣下子供に帰る。 ちょっとだけね~
領主様を閣下に変更しました。イメージが固まらないまま、見切り発車です。
コロコロ変わるかも、ごめんなさぁ~~~い。
「おい、閣下に伝令! お客人がいらしていた様だ」
「なに?どの様な感じだ? 性別は?」
同僚の声に慌てて望遠鏡を掴み、遥かな丘の上に一軒だけ建つ家を覗き込む。
櫓の上から見たレンズ越しの目に映るものは、若い少女?が白い塊を柵に掛けている様だった。
「おい、夜番は何も言って無かったよな、煙が出ていたとか、明かりが漏れてい
たとか。何時からいらしたのだ?」
此処暫くは雪が降らなかったが、夜はとても寒い。ストーブを付けないなんて、とても耐えられないであろう。
「薪は有ったのだろうか、お寒かっただろうに」
「報告は受けて無いぞ。警戒して、置いて有る夜具に包まって居たのでは無いか、可哀そうに。きっと、腹も空かせて居る事だろう。すぐに閣下にお伝えしなければ」
私は同僚に後を頼むと下で待機している者にも状況を説明し、閣下の館へと馬を走らせた。
コン・コン・コン
「構わない、入れ」
何時も身嗜みに隙の無い男が、僅かに前髪を乱して入ってきた。額に薄っすらと汗を掻いている様だ。走って来たのだろうか? 珍しい事だな。
「失礼いたしますエルネスト様。ただ今、第一物見台より急使が参りました」
「急使だと?良し、通せ」
使者を部屋に案内すると家令は静かに扉の横に控えた。
「失礼いたします。お忙しい中・・」
余程に急いで来たのか、其れとも緊張して居るのか、声が上ずっていて聞きずらい。
兵士から見れば、行き成り本題に入る事が出来ないのは致し方ないが、緊急ならば時と場合を考え簡潔にして貰いたい時も有る。
「君は急使だろ? 挨拶は良いから要件を言いなさい」
「はっ! ただ今丘の家に、客人を確認いたしました」
私は椅子を倒す勢いで立ち上がっていた。
身体中に震えが走る。熱も一気に上がった。
「神よ・・・・」
私の願いを聞き届けてくれたのだろうか。
前の客人から50年振りだろうか、私の時代では現れないと思っていたのに。
「様子は?」
「客人は若い女性の様です。定かでは有りませんが二階の柵に夜具らしき物を干していたので、動ける状態で有ると思われます」
「今しがた気が付いたのか? 昨夜は小屋に変化は無かったのか?」
「報告は受けておりません」
「・・・・分かった。御苦労、これより向かうとする。ロイク、バスケットにパンやチーズ、果物。水とワインを用意してくれ」
自分の目で確認しなくては、若い女性では心細かった事だろう。
「エルネスト様、何名か呼びますか?」
「いや、女性というなら数名で押し掛ければ怖いだろう。私一人で向かう。いや、馬を走らせられる侍女はいるか? それと、客間と温かい食事を用意しておいてくれ。場合によっては此方にお連れする」
「承知いたしました」
ロイクは頭を下げると、速やかに部屋を出て行った。
簡単に着替えて玄関に向かう頃には、何事も問題も無く用意している事だろう。
異世界の客人とは、どの様な方なのだろう。会うのが楽しみだ。
森と草原の境目に、見えない壁に囲まれた空間がある。剣を持ってしても、矢を放っても、その壁を崩す事は出来ない。
誰も入る事の出来ない土地「神域」此処は、いつ何時現れるか分からぬ異世界の者を護る『時の止まった土地』なのだ。
森に入ると右手に脇道がある。其れが「神域」の入り口。
脇の柱に吊るされたベルを鳴らすと、澄んだ音色が木々に反響する。
さあ、私にその姿を見せてくれ。
貴女は何を語ってくれるのだろう。私に何を見せてくれるのだろうか。
それは子供の頃、母が読み聞かせてくれた物語の様に、私に高揚感を与えてくれるだろうか。
この胸の高まりを如何しても止められない。
仕事にひと段落付けられたと思ったら、来月はGW また忙しい。一週間でどれだけ書けるかしら?
次は町の市場までお出かけしたいなぁ~




