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ただ今探検中  ―1

「おっ! ベッド発見!」


 薄暗い部屋の中に其れは有った。大きな布を捲ると布団一式が置いてある。

 

 フンフン・・・ 嫌な匂いはしないわね。カビも無さそうだし。中身は何かしら、綿? この重さなら羊毛かな? 取り敢えず干そう。少し時間が早いが、かび臭いのはいや!


 後ろを見れば大きな窓が有る。雨戸が有るからガラス戸は内側かな? うん、開いたね。あれ? 雨戸が開かない! 


「押して・・も駄目なら・・引いてみな・・っと!」


 本日? 昨日?に引き続いて雨戸と格闘だ! チクショー! 開かないー! 

 外から打ち付けて有るのか? 

 横に扉が有るから出てみる。


「あっ、下から見たよりもベランダ広い。って、スライドだ! はははっ・・・ 開く訳無いか。外れ無くって良かった!」


 段ボールの中から雑巾を持って来ると、窓枠と手すりを拭き清める。どっしりとした丸太は、ささくれ一つ無くツルツルだ。

 一旦窓枠に布団一式を掛け順番に干していく。

 

 今日は天気良いから洗い物しても直ぐに乾きそう。


「よし、家中ピッカピカにするぞ!」


 動き易いスウェットに着替え、先輩のノートをチェック。


「先輩の仰る事には、掃除用具はすべて台所のロッカーと。・・・G-が居たら如何しよう」


 引っ越して直ぐ使うから、荷物にバラの香りの「〇ルサン」持っているのよね。

 焚いてから掃除する? その間は洗濯? 薪拾い? そもそも、この世界にもあいつ等いるの? ・・・あいつ等以上にキモイのいたら如何しよう・・・

 階段を下りると正面はトイレ、右が台所だ。扉の前でしばし躊躇する。


 何が嫌って、顔が解らないのが嫌! 全身真っ黒! あのカサカサ動く足も、いきなり飛んで来るのも怖い!


「ううううう・・・・ このままじゃ、進まないよぉー 女は度胸!」


 と、言いつつも、そぉーっと開ける。居ますか? 居ませんね!

 中は薄暗く日中でも明かりが必要だろう。それでも許せるのは、


「すごいよ、クッキング・ストーブがある。しかも、天板広い! オーブンも大きい! んっ? おおおっ! 家の中にも井戸がある。しかもポンプ付き、汲みに行かなくて良いんだ!」


 井戸の上に板が載せて有るから作業スペースとしても使える。

 ガラスのコップに汲んで見たら、臭くない! 濁りも無く凄く綺麗でした。飲み水ゲット!

 中央にテーブル。これは! もしかして大理石! クッキー作る! パンも何時か絶対に作ってみせる!

 台所は広々として自然と頬が緩んじゃう。私のキッチン。ムフフ♡



 台所には3つの扉が有り、正面の裏庭に出る扉。右の壁に薪小屋へ行く扉。後1つは?直ぐ手前左の扉。 


「お風呂だ! バスタブの横に昔ながらの五右衛門風呂? がある!!」


 映画で見た物とは少し違う。釜戸の上に大きなお釜。その横に石造りで横型のバスタブが有り風呂が釜戸と一体化してあった。接している部分が鉄板でその熱で沸かすのかな?


「大きい方は、かけ水用? 足し湯かな? 分かった! 給湯器なんだ!」


 下の方にコルク栓が付いているから、抜けば足せる様になっているのね。洗い場も広いからここで洗濯も出来るわね。そうだ、すのこも有るから干して置こう! 多分この扉を開ければ・・ ほら、氷室側に出た!


 日の当たる場所に干して、再び台所に戻る。


 

 作業台の反対側に、食器棚が有り一人なら生活に困らない程度の食器が揃っていた。

 食料品は・・・ あっても無理だろうな。一応有る戸棚を片っ端から開けていく。その中に意外な物を見つけてしまった。木製のロッカーのようで、中は二段の鉄製の箱がきっちりと収まっていた。


「こっ、これは! 幻の冷蔵!」

 

 一度で良いから実物を見てみたいと思っていた。願いが叶ったぁー♡ 他にもお宝有るかしら♡ 有るか・し・・ら・・・ やっぱり無いわね。

 ガックリと肩を落として薪小屋の扉を開けた。


「うわぁー、真っ暗だ。懐中電灯取りに行くの面倒だから、後にしよう。煙突確認しないと使えないから、今日は無理かも知れないしね」


 本来の目的であるロッカーから、箒とモップとハタキ・バケツを出した。


「わははは、このバケツ先輩が作ったのかしら」


 其れはモップを絞る為の二つのローラーが付いた物だった。


「さぁーて、ちゃっちゃと、掃除しちゃいますかね。ついでに私の布団も干しておきますか」


 先ずは、手作り感あふれるハタキで天井から壁に、ハタキを掛けて行く。

 緩衝材替わりの新聞紙を水に浸して軽く絞り、千切り床に撒く。壁際から板の目に沿って箒で掃集めて行く。こうすると埃が立たなくて良いのだよ。茶ガラでやってもOKなのだ。

 この後モップを固く絞って水ぶき。この時ミントオイルとか使うと、部屋中良い香りに成って気持ち良いんだけど、勿体無いから止めておこう。因みに、窓ガラスにはラベンダーオイル。虫除けにも為るんだよ。でもやっぱり勿体無いから、新聞紙を代わりに使う。インクが汚れを浮かせて綺麗にしてくれるのさ。

 自分で作れる様に成ったら思い存分使いまくるぞっ!



 ピピピ・ピピピ

 腕時計のアラームが鳴った。


「ありゃ、もう10時だよ。そう言えば朝ごはん食べてない。夢中だったから気が回らなかったなぁー」


 丁度階段下まで掃除が終わり、ベランダの空きスペースにチェストの引き出しも並べた。4時間時間位掃除をしていたようだ。


「切りが良いからご飯食べよう。デッキテラスにテーブルと椅子を出して「携帯食」でも食べよう」


 って、今は其れしか無いんだよね。


 荷物を解いて、必要な物を運び出す。デッキに折り畳みテーブル&チェアー。その上にジェットボイルをセットし、お湯を沸かす。

 本日の朝食は、缶詰パンとフリーズドライのトマトソースのペンネ。デザートにフルーツミックスの缶詰。スティックコーヒーです。


「ふふふふ、備え有れば憂いなし。日ごろの趣味が役に立ちました」


私って偉い! と自画自賛♡














読んで頂きありがとうございます。

今日はこの後、もう1話投稿します。

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