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婚約者に好きな人がいると言われ、スパダリ幼馴染にのりかえることにした  作者: みみぢあん


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16/21

16話 告白


 婚約式を終えても自分がバラスター公爵夫人になることを、恐れと不安から受けとめられず。私は動揺していた。


 そんな私を慰めようと、イザークお兄様は神殿の中庭に誘ってくれたのだと、思っていたけれど。

 ………どうやら私は大きな勘違いをしていたようだ。



「アンリエッタ。私の初恋は君だった」


「……っ」

 私は言葉を失い、あまりの驚きでポカンと口を開けた。


「今まで君のことを妹のように接してきたが。これからは私が愛する、ただ一人の女性として接するつもりだ」


「お……お兄様…っ…⁉」

(私がお兄様の……愛する女性???!)


「お兄様ではなく……イザークだ、アンリエッタ。私は婚約者だからイザークと呼んでほしい」


「イ……イザー……クぅぅ……?」

 声から切実な思いが伝わって来て、いつもの『イザークお兄様』ではなく。 お兄様の望み通りに名前で呼ぼうとしたけれど。


 急に恥かしくなり、私はもごもごと口ごもってしまう。


「アンリエッタ……」 

 キュッ! と握っていた私の手を放し。お兄様……いえ、イザークは私の頬を撫でて、額にキスをした。


「……ぅぅ」

 今までなら何とも感じなかったことなのに。私の顔はカッ! と熱くなる。


「お願いだから、私を男として見て欲しい」

「お兄……イ…イザ……っ…⁉」


 キスの距離でお兄……いえ、イザークを見つめたのは初めてだけど。


(私を見つめる瞳が、熱っぽく潤んでいるわ。イ……イザークのこんな顔は初めて見る。本当に私が好きなの? 愛しているの⁉)


「怖がらせて、ごめん。でもこれが私の本当の気持ちなんだ」


「怖くは……ないけれど。驚いたわ。すごく驚いた」

(まるで別人のようで、知らない男性と話しているみたい)


「理解してほしい。君を幸せにしたいから、私も君のただ一人の男になりたい」

「イ……イザーク……?」

「アンリエッタ。今まで言えなかった分、これからは君を愛していると、言い続けるよ」


「…愛……⁉」


 イザークの唇が私の唇を撫でるように、ふわりと重なった。

 唇にキスをされたのは初めてで。……心臓がドクッ! ドクッ! と、私の胸の中で暴れ出す。


 長年、兄のように慕っていたイザークが、本気で私を愛しているのだとハッキリ感じた瞬間だった。



 イザークの元婚約者レティシア嬢と、私の元婚約者エミール様の疑いは……ただの思い込みではなかったらしい。


『火のない所に煙は立たぬ』という外国のことわざがあるけれど。

 イザークが『火』そのものだったのだ。






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