表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
43/44

ソース味

「綺麗……」


 適当な木陰に陣取り、アメノサさんと手を繋いで花火を観賞。

 さっき食べた冷やしキュウリと冷しパインのおかげで体温も下がったし、結構快適に見られそうだな。


「あのバチバチってなるやつ、好き」

「花雷って種類のやつですね」

「カケルは? どれが好き?」

「しだれ柳が好きですね」

「……どれ?」

「打ち上げられたら教えますよ」


 なんて会話をしつつ、花火を堪能。

 いやぁにしても……相変わらずゲーセンやパチンコ店の花火は派手だったり豪華だねぇ。

 某感染症の影響で結構な打撃と聞いた事があるけど、もう持ち直したのかな?


「ね、カケル」

「どうしました?」

「また……たこ焼き食べたい」

「買いに行きましょうか」


 花火のプログラムの間、ほんの少しだけあるその隙間時間。

 その時間で、アメノサさんリクエストのたこ焼きを購入。

 先ほど陣取っていた木陰には、既に人影があったので、また少し落ち着ける場所を探し。


「仕掛け花火、見えないか」


 そのせいで、仕掛け花火が見づらい場所に来ちゃったけど、しょうがない。


「カケル……」

「?」

「その……あ、あーん////」


 で、仕掛け花火が見えないからと、暇をしていたら。

 アメノサさんからたこ焼きのおすそ分けが。

 ただ、


「自分で食べられますよ」


 既に一つのたこ焼きを食べているアメノサさんから、同じ爪楊枝を使ってのあーんはダメでしょ。

 新婚生活のやつですよね、それ?


「ダメ! あーん////」


 だから、もう一本の爪楊枝を使って食べようとしたら、怒られた。

 そしてまた、あーんチャレンジ……。


「アメノサさん?」

「カケルは……私の事、嫌い?」

「嫌いだったらこうして一緒に花火見たり、手を繋いだりするわけないでしょ」

「……じゃあ、好き?」


 嫌いか? と聞かれた瞬間から、そう質問が来る事は読めていた。

 でも、だからと言って、その質問に正しい答えを持っているかと言うと……。


「可愛いな、と思います」

「っ!!? //// ……って、違う! 好きかどうか聞いた!!」


 誤魔化せないか。

 ……ふむ。


「あ」


 その質問に答える前に、俺は差し出されたままの、今にも落ちそうなたこ焼きに食いつき、ゆっくりと咀嚼。


「俺としては、今の関係が続けばいいなと思っていたんですけどね」

「それだと、私が嫌」


 アメノサさんから爪楊枝を奪い、今度は俺が、アメノサさんにあーんをする。


「ん////」


 それを躊躇いなく頬張ったアメノサさんは、今度は俺の手から爪楊枝を奪い取り以下省略。

 そうして、たこ焼きは完食し。


「こんな俺でいいんです?」

「大丈夫。カケルは素敵な人だから」


 そっとアメノサさんの身体を抱き寄せて。


「ん////」


 俺とアメノサさんの影が重なったところで、夜空に、満開の花が開く。

 まるで狙ったかのような、出来過ぎたタイミング。

 その後に打ち上がる花火を、先程よりも赤くなった顔で眺める俺とアメノサさんは。


「と、とりあえずかき氷でも買いません?」

「そ、そうする。暑い」


 気温のせいか、上がった体温を冷やすため、かき氷を求めて、出店を回るのだった。



「ガブロ」

「どうしたんじゃ? マジャリス?」


 翔とアメノサがそんな事になっている時、唯一軍資金を二倍持つマジャリスは、ガブロと『無頼』のもとを尋ねていた。


「型抜き、という店がある。そこに行け」

「何じゃ急に」

「ニセンエンもあればお前ならコツを掴む。資金を増やせる店だ」

「なんじゃと!?」


 先ほど店じまいした型抜き屋以外にも、この花火大会会場にはもう二つほど型抜き屋は存在する。

 ただ、情報が回ったのか、マジャリスは挑戦すらさせて貰えなかった。

 そこでマジャリスは考える。

 だったら兵隊を使えばよくね? と。

 ただ、同じエルフであるリリウムやラベンドラも、自分と同じく門前払いの可能性がある。

 であるならば、ドワーフに持ちかけるのも必然。


「金は倍にして返せ」

「上手く稼げたらじゃな」


 もちろん、ただで教えることは無く、しっかりと情報量として徴収はするが。


「俺は?」

「細かい力加減が得意そうには見えんな」

「はは、ちげぇねぇや」


 なお、『無頼』には無理だろうと予想しており、実際にその通りなのだが。

 まぁ、そんな無頼には、


「焼き鳥ならあるぞ」

「いいのか?」


 焼き鳥の差し入れを持ってきたマジャリス。

 意外と気が利くのでは? と思った読者の方は思い出して欲しい。

 あの、マジャリスである。

 真相としては、甘いものばかりで流石にしょっぱいものを食べたくなり、目についた焼き鳥をごっそりと買うも。

 お祭りの屋台という事で、クオリティとしては特筆すべきものではない。

 その為、食べている途中で飽きてしまっただけなのである。


「へへ、ごっそさん」


 というわけで、そんな焼き鳥を消化することに成功したマジャリスは、缶チューハイをグビリと飲み。


「信号弾にしては派手過ぎるな」


 頭上で開く、空の花を見ながら、やっぱり他の面子と同じ視点の感想を口にするのであった。

 ――なお、ガブロにより型抜き屋が一つ店を閉め。

 翌年以降のこの花火大会には、型抜き屋が出店することが無かったことを、一応追記しておく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
なるほどこうきたのか、砂糖ご馳走様です! しかしこうなると、あの二人未成年だったの?が結構カケル君的には本気の驚きになってるっぽいですなあ
2026/08/02 20:44 ひつまぶし
これがあったから本編で独身貫いたなら純愛が過ぎるよカケルくん
これからはお互いモフり放題ですね! あーんこいつらモフモフしたんだ!あーん!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ