治療法はない
「果物のゼリーがサッパリしてて美味いですね」
「シューアイスも美味しいですわよ?」
「何だかんだクリームメロンソーダが最高だろう」
「少しは焼き上がるまで待たないか……」
「甘い酒もたまにはいいもんじゃ」
もんじゃ食べてただけに。
いや、ナンデモナイデス。
さて、デザートフェイズに移行したわけだけど、ラベンドラさんは変わらず何かを焼いている様子。
ワッフルコーンの入ったデザートもんじゃらしく、おさつメープルバターとミックスベリーの二つがあり。
当然の様に両方を注文して現在焼いている所。
ちなみにガブロさんはデザートと言いながら濃いめのレモンハイを飲んでおられます。
決してデザートではない。
俺? 俺は鉄板の端っこで団子焼いて、みたらしかけて食べるんだ。
飲み物は当然緑茶。
「一つのお店にこれだけデザートがあるのは面白いですね」
「分かる。……だが甘い。前にカケルに連れて行って貰った場所は、ケーキやアイス、焼き菓子などがもっとある場所もあった」
「あそこは最高でしたわね」
「あそこに永住したい」
スイアイの話だな。
別に永住することは止めないよ?
ただ、住み着いたところでちゃんとケーキなどが提供されるかはまた別問題。
いやまぁ、開店と同時に入店して、制限時間を迎える度に一旦清算。
その後Uターンしてまた入店、を繰り返せば実質永住。
寝床問題と年間いくらかかるんだ問題があるんだけれども。
「お姉さまが連れて行ってくださった所も素晴らしい場所でしたわね」
こっちはホテルの話だな。
うん、たくさん食べてたよね。
そんでもって、ホテルスタッフさんの視線が厳しくなっていったよね。
まぁ、変に騒いだりせず、マジで単純に食べまくってただけだから何も言われなかったけれども。
「あそこも最高だったな」
「酒のクオリティも高かったしのぅ」
「食事の全てが一級品だった」
「そこまでの場所があるんですね」
ソクサルムさん、すっごい興味津々に話を聞いてる。
いやまぁ、俺も異世界の話になったら興味津々だから分からんでもないけど。
やっぱ、普段と違う文化って興味をそそられるよね。
「焼けたぞ。各々食え」
という事でラベンドラさんが焼いていたワッフルコーンもんじゃが完成。
早速いただきましょ。
「……美味い」
いただいたのはおさつメープルバターの方。
熱々のもんじゃ生地にはソースじゃなくカスタードかな? が混ぜ込まれてて、ゴロゴロとしたお芋とメープル、バターの調和が素晴らしい味わいを作り上げていますわ。
そもそも芋とメープルとバターが合わないはずが無いって言うね。
そんなもんもう優勝ですやん、って話。
そしてちょっと焦がしてほろ苦さを加えてる所がにくいポイントね。
そのワンアクセントが大事なんよ。
そしてワッフルコーンのザクザクとした食感が残ってるのも最高。
味のアクセントは焦げ、食感のアクセントはワッフルコーンと、これ考え出したのラベンドラさんか? ってくらいに完成度高い。
「美味いもんですね」
「なんだ? 信用していなかったのか?」
「てっきりまた甘くないものかと」
「さっきのドッキリで仕舞いだ、そんなものは」
ソクサルムさん、ワッフルコーンもんじゃを食べた最初の感想が、甘くて良かった、なの、だいぶさっきの牡蠣バナナ――じゃないや、現代オイスターに衝撃を受けてるみたいだな。
だいぶ傷は深そうだが大丈夫か?
――俺の傷もまだ癒えてないから当分は長引くだろうな。
「おお、こっちも美味いな」
「そっちはどうですの?」
「サッパリ系だがしっかり甘い。果実の酸味はやはり素晴らしいものだ」
で、もう一方のミックスベリーもんじゃ。
こっちも美味しい。
生地のカスタードはそのままに、混ぜられたベリーの酸味と、クリームとはまた違う甘さが実にいい。
ワッフルコーンの食感に追加で、果物の食感も入ってるから、こっちは飽きないね。
それに、バターとメープルだと重いって感じたけど、こうしてベリーたちだと不思議と軽く感じられる。
ま、俺は焼き上がったみたらし団子をいただくんですけどね。
「それは何を?」
「団子ですね。甘じょっぱいタレがかけられてて、美味いですよ」
「ほぅ」
俺には分かる。
この反応は後で頼むやつだな。
……んー。
みたらし団子は安定の美味しさですわね。
団子屋とかで買わないと温かい団子って中々無いから、こうして鉄板で焼いたみたらし団子は普段のよりも数倍美味しく感じるわ。
そして、やっぱりタレを多少焦がして苦みを作るのがポイントなのよね。
――そしてお茶が美味い、と。
今日は俺は大満足ですわよ。
「次はどうする?」
「とりあえずもんじゃを両方とも追加しまして……」
「私、カケルさんの食べていた団子とやらを食べてみたいですが」
「ソフト♪ クリーム♪」
「わしは緑茶を貰おうかのぅ」
ま、満足したのは俺だけなんですけどね。
結局、時間いっぱいまでデザートを堪能してましたわ、彼ら。
*
「アメノサさん」
「――何」
「カケルさんの所に招かれました」
「ッ!? ……そう。それで?」
「なんとか彼を引っ張って来られないものかと」
「だ、ダメ! カケルは私の!!」




