第42話 広がる信頼
……言った! ……俺はついに言ったんだ……ここに来る原因になった事を……。
しかし、信じて下さいなんて言ったはいいものの、本当に大丈夫だろうか。
何だか今更不安がじわじわと増してきた。……いやだがもう、大丈夫だと信じるしかない……。
「……ああ、そうか……」
ギルドは再びざわざわとし始めた。
「まあ……」
そして、ざわざわが収まって来た後……。
「俺は初めから信じていたぜ?」
「お前、結構疑ってただろ……」
「そうだったんですか……」
ギルドに、暖かな空気が流れ始めた。
……よかった。
……ただ、何となくわかる。ここにはまだ、俺に疑惑の眼差しを向けている人もいる。
当たり前だ。俺も、発言ひとつで信頼してもらえるだなんて思っていない。いやむしろ、こんなに信じてもらえるだなんて思っていなかった。
エルティアの行動で、ここの町での疑惑が高まったのは事実、だから、言うだけじゃダメだ。……きちんと、行動で示さなくては。
「……えーっと、あの、じゃあ……ゆ、勇者パーティの事とか……聞いても?」
俺がそう思っていると、ギルドの中の一人が、俺の方へ来てそう聞いた。
……まあ、そうなるか。勇者パーティの事……だもんな。
……何故か有名な魔法使いが集められていたみたいだから、エルティアはおそらく忙しい。
……というか、勇者パーティに暇なんてほぼない。勇者パーティの話を聞けるチャンスなんて滅多にないから、俺から話を聞きたいのだろう。
「うん、構わないが……」
別に、勇者パーティに居た頃の話をしたくない訳では無い。……むしろ、話す事でスッキリするかもしれない。聞きたがっているのだ、話そう。俺はそう思った。
……ただ、今は休憩時間、すぐに武器屋に戻らなくてはならない。出来れば、仕事が終わった夕方に……と言おうとしたのだが……。
「……!」
俺が一人にそう答えると、勇者パーティについて詳しく聞きたかった他の人達も、俺の周りに集まってきた。
「本当ですか!?」
「気になります!」
「あっ……ああ、今はその……まだ仕事があるからさ、夕方に、また来ます!」
「ああ、そうでしたか……。では、待っていますね!」
「はい!」
俺はそう言い残し、ギルドから武器屋に戻った。
……取り敢えず、上手くいってよかった。
……後の問題は……ロコロ、かぁ……。信じてもらえるのだろうか。
「……えっと、ロコロ……さん?」
武器屋に戻り、レイーナに戻ってきた事を伝え、俺は店の奥にいたロコロに話しかけたのだった。




