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第29話 本当の気持ち

「……休みの日が、来た……」


 何日か働き、ついに覚悟をしていた休みの日が来た。俺は今日、レオキヌさんのお誘いを、ハッキリと断らなくてはならない。

 このチャンスを逃す訳にはならない。

 ここで断って置かなければ、俺は前に進めない気がする。

 自分の力でギルドへも行けた……ここでハッキリと断る事が出来れば、あの二人を見返す、スタート地点に立てる気がするんだ。


 俺は、ドキドキとしながら、山へ向かった。


「相変わらずの親切道案内だな……」


 そんな、親切な道案内を抜けると、相変わらずの屋敷が見えくる。

 ……いよいよだな……。


「レ、レオキヌさーん!」


「おお、お主が来るという事は、ティル厶から聞いている。話があるんだってね」


 俺が入口で呼ぶと、レオキヌさんはすぐに出てきた。


「……その、ここで働かないか、っていう問いに……答えたいと思いまして」


「なるほどね……よかったら上がって」


「は、はい」


 レオキヌさんは、全く顔色を変えず、俺を屋敷に招き入れた。……一体何を考えているんだろうか、怖いな……。

 俺はそう思いつつも、レオキヌさんに着いて行った。


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


「……それで、この前の話だな。あの時は、考えると言っていたが……答えが決まったという事かな?」


「……っ、はい……えーと、俺は……」


 ……バティヤの所へ行く前、考えていたはずだ、断る言葉は……ええと……。


「お、お断りします!」


 ……俺は、断る言葉を忘れてしまい、ド直球に断ってしまった。

 これじゃまずいよな……。


「……そうか……理由を聞いてもいいかな?」


「あっ、は、はい!」


 まずい、理由を聞かれてしまった。

 理由はある。……言葉が出てこないだけだ。

 冷静になろう、俺は、本気であの武器屋で働いていたいはず、だから、冷静になれば、言葉が出てくるはずだ。


 ……そうだ、俺は、色々な人に支えてもらっている。

 フクシア、レイーナ、ケスタ……それだけじゃない、ティル厶、ギルドの人々にも。そんな人々に……恩返しがしたい。


 その為に、俺はあの武器屋で、働いていたいんだ。

 冷静になると、俺の心の中に、そんな気持ちが浮かんできた。


「……恩返しがしたいんです。俺を支えてくれている人に。その為に、あの武器屋で働いていたいんです」


「……なるほど」


 俺の言葉を聞くと、レオキヌさんは笑みを浮かべた。


「気持ちはよく分かったよ。君には、私の言葉一つは動かせない絆がある……という事だな。……ああ、よく分かった。……今日は、わざわざ伝えに来てくれて、ありがとう」


「いえ……では、今日は、これで」


「そうか……うん。それじゃあ、また」


 レオキヌさんは、優しく俺を見送ってくれた。

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