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コンプレックスな反逆者たち  作者: ゾンビ―鈴木
第三章・竜と狩猟の世界編
67/114

襲撃されるもの

  Side:???


 あはははは……一体なぜこうなった?

 おれっちはただ行方不明になった兄貴を探そうと思っただけなのに……

 それなのになぜか黒い変な穴の中に入っちゃて……

 気が付いたら原始時代って……意味不明だよ。


 いやーあの時はホント死ぬかと思った。

 いきなり恐竜に追われちまうんだもの。

 おれっちは動物には詳しくないが随分珍しい色をしていたな……

 あはは……いけね、現実逃避したい。


「ウウウウウ~~~」

「おお…………とと」


 今おれっちが一人ぼっちな事にならないのはこの愛犬ととのおかげ。

 帰りてぇ~。

 文明あふるるあの場所へ帰りてぇ~。


 っていうか……


「ホンギュア、アウアエッゴ!」

「ゲオフ! アブバルケ!」

「エイ! アロロロロロロロロ!」

「「「アロロロロロロロロ!!!」」」


 なんでおれっち、恐竜から逃げ切れたものの今度は意味不明な集団に従わされているんだ?


 なーんか裸に腰ミノだけの寒そうな格好だし。

 顔には動物の骨から作った仮面なんかつけているし。

 しかもこいつら槍とか斧とか武装しちゃってるし……


 あ、今気づいたけどこれ……原始人だよね?

 恐竜がいる時代に原始人っていたっけ?

 おや、原始人の一人がこっちを見た。


「アウア! ウヤアッゴエウエオ!」


 ……なに言っているかさっぱりだが……

 様子からして『おい! お前ちゃんとやれるんだろうな!』的な意味だな。

 まったく……なんでおれっちが狩りの手伝いなんかされなきゃなんないの?


「ウォ? ウアゴアウアゴ」


 ああ、こいつおれっちの顔を見て『あぁ? 文句あるのか』的な威圧かけてくるし。

 正直こんな奴らには負けんがここで生きていく知識なんかないし……

 しかし言葉がわからないからどうしよう……

 ……やぶれかぶれだ!


「オ……オッケー! レディー!」

「……ウォウ」


 ……どうやら通じたようだ。


「ウォ――――――――――――――――――――!!」

「「「ウォ―――――――――――――――――――!!」」」


 ……本当になぜこうなった? 誰か説明してくれ……


「くぅ~~~ん」

「ああ……とと」


 もうおれっちの心のオアシスと言えばお前しかいないよ……



――――――――――――――――――――――――――――――



  Sied:藍


 牢屋に入られたり思いっきり愚痴ったりと、そんなこともあった割には眠れるもんだ。

 やっぱりこれ以上自分の身体に誤魔化しは効かないし、マゼンタの言うとおりそろそろ休む時だったな。

 だからまあこうして床の上であれぐっすりと眠っていたんだが……


「シアン! 起きて、シアン!」


 ……なんだ? イエローか?

 頼むから静かに寝かせて……


「大変よ! ねえ起きてってば!」


 ……大変?

 オレはまだ残る眠気に逆らい無理やり体を起こした。

 そして目を開けてみるとイエローがなにやらただ事じゃない様子でこっちを見ている。


「イエロー、どうしたんだ? なにかあったの?」

「何かあったのじゃないよ! なんか外が騒がしいんだけど……」

「へ?」


 そう言われて耳を澄ますと……


『―――――――――!』

『―――――――――!?』

『―――――――――!!』

「……なに?」


 確かに何か聞こえている、主に騒々しい物音が……

 普段のオレなら先に気づくはずだが……


「ちっ……気を抜きすぎだオレ……!」

「シアン…………もしかして」

「少し待て、詳しく聞くからお前はマゼンタを起こせ」

「わかった!」


 そして、オレは気を持ち直してイヤーマフラーを外し……


「【広範囲音源感知サーチ・センス】!」


 壁があるせいで良く聞こえないので【広範囲音源感知サーチ・センス】でよく聞くと……


「マゼンタ、起きて。マゼンタ!」

「……ぐ、なんだ今のは……!」

「……? どうしたのマゼンタ」

「いや……なんでもない。どうした?」

「うん。それは……」


 イエローがマゼンタを起こし説明している中、

 オレは決定打となる音を聞いた。


「……! …………イエロー、まずいぞ」

「シアン……まさか……」

「ああ、そのまさかだ」


 聞こえてきた声。

 それは怒号と悲鳴。

 つまり……


「この集落の外、か? 何者かに襲われている!」

「「!」」


 イエローと、ようやく覚醒したマゼンタが目を見開いた。


「マゼンタ! イエロー! ここを出るぞ!」

「ちょ、ちょっと待ってよシアン! 勝手に出たら……」

「ンなこと言ってる場合か! 結構やばい状況だぞ!」 

「けど……!」


 イエローはどうも拒否というよりはどこか躊躇っているが……


「……イエロー。ここは行くしかないだろ」

「マゼンタ!?」

「あの少女の父親だっている。死なせるわけにはいかない」

「……? マゼンタ?」


 なんだかいつもと様子が……

 まあいい、マゼンタも賛成の様だ。

 あとは……


「イエロー!」

「……仕方がないわね」


 と、呟くイエローは柵の前で拳を握ると……


 ガァン!


「「!」」


 柵を殴り壊した。


「まあそうよね。リュチェちゃんだっているし行かないわけにはいかないわ」

「決まりだな」


 オレは軽く準備体操をし、自分の体調を確認する。

 万全とまでは行かないがある程度は行ける。


「イエロー、マゼンタ。お前等はどうだ」

「大丈夫よ! 戦える!」

「俺もだ」


 よし、問題ないようだな。

 なら……


「行くぞ!」


 オレ達は勝手ながら檻から出て、洞窟の外へと目指すのだった。



――――――――――――――――――――――――――――――



  Side:???


 あれ? おかしいな。

 原始時代に……翼の生えた人間なんていたっけ?

 あれ? もしかして翼人? 翼人!?


 まさか……


「アウバ! アウロンドゥ!」

「イエルア!」


 まさか狩りの相手がこいつら!?


「ウロロロロー!」

「グエリャァ――――!!」


 うん、どう見ても仲が悪い。

 今にも殺し合いを……


「アウア――――――――!!」

「グオ――――――――――!!」


 始めやがったよ。


「エイ! アロロロロロロロロ!」

「「「アロロロロロロロロ!!!」」」

「ガデュオ! グリァ――――――――!!」

「「「グリァ――――――――――――――――!!」」」


 どうやらおれっちは……

 とんでもないところへ来たようだ。

 こりゃあおれっち、気は抜けないな。


「ルグアァ!!」

「!」


 おっと、気が付けばおれっちの目の前に翼人(仮名)が一人やって来た。

 しかもよりにもよって殺意向けているよ。

 けど、やらなきゃあ……いけないか。


「とと、戦闘準備」

「バウ!」


 さて、おれっちの愛犬も準備万端だ。

 さあ……


「ウルグァ!!」

「悪ぃな。おれっち言葉わかんねぇんで」


 恨まないでよ。

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