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コンプレックスな反逆者たち  作者: ゾンビ―鈴木
第三章・竜と狩猟の世界編
64/114

探索と同行

  Side:???


「リュチェ! どこにいるんだ! リュチェ!」


 まったく……あれほど外出はするなと言ったはずだというのに……!


「ルルゥ! リュチェちゃんは見つかったかい!」

「いいや、まだだ! まったくあのおてんば娘ときたら……!」


 外には竜や奴らといった危険な生き物がゴロゴロといるのだ!

 ただでさえ近くに不審な奴がうろついていたというのに……!

 何を考えているんだ!


「とにかく! 俺はこっちを探すからお前はそっちを頼む!」

「わかった!」


 リュチェ。何事もないといいんだが……!



――――――――――――――――――――――――――――――



  Side:紅


 竜と呼ばれる巨大で強力な生物が存在する世界。

 俺たちはそこで竜に襲われた少女を助け、そのお礼にと少女の故郷へと案内されるのであった。

 そういうわけで、しばらく森の中を歩き続けているのだが……


「へぇお前、リュチェって名前なのか」

「そうだよ! えっと……シアンおにーちゃんとイエローおねーちゃんだね!」

「そうよ。覚えておいてね」


 なんというか、少女はすっかりシアンやイエローになついているのであった。

 少しは警戒心を持て。


「それとマゼンタおじちゃん」

「「…………ぶっ!」」

「…………」


 少女の呼びかけに含み笑いをする二人。

 ……ったく


「おい、俺はおじちゃんって呼ばれるほどの歳じゃないんだから……」

「えー? でも……おにーちゃんにしてはちょっと……」


 おい、この少女。なんで俺の腹部を見ながら言うんだ。


「マゼンタ……やっぱりお前……!」

「シアン。それ以上言うなと言ってるだろ」

「マゼンタ……大丈夫……別に蔑称じゃないんだから……ふふっ!」

「イエロー。なぜ俺から視線を話しているんだ」


 まったく……こいつらは放っておくか。


「まあいい。それで俺になんだっていうんだ?」

「え? ああ、おじちゃんってさっきは火を浴びたのになんでけががないの?」

「ああ、それか……」


 おそらく先ほどの竜の口から放たれたあれのことだろうな。

 さて……なんと説明すればいいのか……


「もしかしてそれが、おじちゃんが宿した力なの?」

「なに?」


 予想外の言葉に俺は間の抜けた返しをしてしまった。

 俺が宿した、だと?


「俺が宿したとは……どういうことだ」

「え、違うの? だってボクのおとーさんもおかーさんも不思議な力が使えるし、おじちゃんおとなだからあれがおじちゃんの力なのかなーって」

俺の(・・)だと?」


 少女の気になる物言いにある一つの可能性が浮かんできた。


「あれ? でもたしかイエローおねーちゃんも不思議な力を使ってたような……」

「「「…………」」」


 ひとまず俺は少女に気づかれないようにイエローにアイコンタクトを送った。

 イエローはわかったらしく頷いて答えた。


「それはねリュチェちゃん、あたしももう立派な大人の女性なのよ」

「ええ? おねーちゃんってもうおとななの?」

「そうよ。こう見えてもね」


 俺の視線に気づいたイエローはうまく話題をそらしてくれたようだ。

 さて、その間に……


(シアン。少しこっちへ……)

(おお……)


 ひとまず俺はシアンを呼び、内緒話をする。

 イエローはしばらく少女の相手をしてもらう。


(おい、シアン。今の話は聞いていたか?)

(ええと、なに? マゼンタおじちゃん)

(くたばれ)


 ドゴッ!


(ごふっ!? またお腹を……!)

(余計なことを言うからだ)

(わかったわかった……冗談はさておき……たしかに気になることを言っていたな)

(ああ、もしかしたら俺たち、とんでもない子について行ったかもしれん)

(大人だから不思議な力が使えるってことか……)

(ああ、そうだ)


 いくら助けてもらったとはいえ、炎に焼かれても平気な俺や、能力で竜を倒したイエローを見て、早くも打ち解けていることが少々異常だと感じた。

 ということはつまり……


(あの少女、普段から特殊な力を見慣れているのではないか?)

(ええ? マジかよ)


 シアンは多少信じられない感じがしたが、少し前までのことを思い出してみると、やがて疲れたような表情になった。


(おいおい、ただでさえ竜というおっかない生き物がいるってのにその上不可思議な力を持つ者までいるって……)

(ま、どんなものが出てもおかしくはない。ただ……)


 あの少女は先ほどまで竜に襲われていたから問題はなさそうだが……


(少しは警戒でもしておけ。あの少女の故郷にいる奴らはおそらく只者ではなさそうだ)

(わかった)


 さてと、イエローには後で言うとして……


「マゼンタおじちゃん! シアンおにーちゃん! 早く来ないと置いて行っちゃうよ!」

「ああ、悪い! すぐ行く!」

「少し待ってろ」


 とりあえず今は素直に少女に同行する。

 まあ何が来ても俺は……やることは変わらない。



――――――――――――――――――――――――――――――



 Side:???


「おーい! ルルゥ!」

「ヤクト! 見つけたのか!」

「ああ! リュチェちゃんは無事、こちらに向かって帰ってきている!」

「そうか……」


 リュチェ……無事だったか……


「ただ……」

「? なんだ」

「リュチェちゃんの他にあと三人ほど、何者かが同行してるんだけど……」

「なに!?」


 同行……だと!?

 思いつくとしたら……奴らしかいない!


「おい、そいつらはまさか……!」

「いや! 三人中二人は、その……微妙に……」

「ええい、なんだ! はっきりと言え!」

「あ、ああ! その、肌の色だけなのと髪の色だけが我々と同じなのが二人」

「なに……!? どういうことだ!」

「わからない! それと、完全に奴ら同じであろうものが一人……」

「……まさか、とうとう奴ら……!」

「わからない。だが、様子を見る限りリュチェちゃんはまだ何かされていないようだ」

「……! とにかく、急いで迎えに行く! ヤクト!」

「わかった! オイラも同行しよう!」


 待ってろよ……リュチェ!


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