ゼウスの元へ
研究所内に潜入
それでは、どうぞ
Side:黄
アテネの案内により、研究所に入ったあたし達。
しかし、その内部にももちろん……
「侵入者発見。侵入者発見」
「迎撃セヨ。迎撃セヨ」
「捕捉、捕捉」
沢山のロボットたちがいたのだった。
ただ、アテネが言うには……
「この研究所内のロボットは破壊されても爆発しないように造られているから遠慮なく壊しても大丈夫よ」
とのこと。
それを聞いた二人は……
「うおりゃあ! 【音叉刀】!」
「はあ! 【焼籠手】!」
ずいぶんと容赦なくロボットたちを破壊していった。
なにか鬱憤でも溜まっていたのだろうか……
と、ロボットをなぎ倒しつつ進んでいくと……
「ありました。これです」
「え?」
アテネが示したところ。
それは特に何もない行き止まりのようだが……
「ここになにかあるの?」
「これはエレベーターよ。これでお父様の所へ一直線に行けるわ」
へ? エレベーターって何?
「ああ、『えれべーたー』だな」
「そうか。『エレベーター』で行くんだな」
ええ? なんであんたらは、さも当然のように知っているの?
「そうよ。電源を入れるから少し待って」
そう言ってアテネは独り言を始めた。
仲間と連絡を取っているのかしら。
……ってか、
「なんであんたらはエレベーターを知ってるの。そもそもエレベーターって何?」
「ああ、イエローそれはな……」
シアンが言うには、エレベーターとは建物内の上下を移動するための機械らしい。
しかしずいぶん開放的ではあるので事故を防ぐため、端には寄ってはいけないようだ。
「よし、入ったわ」
そう言うとアテネは端の方に設置されている装置に近づいた。
それをいじっていると……
ガタン!
「うわっ!?」
突然、地面が揺れ出した。
いきなりなので吃驚した。
「ちょっと……いったいなにが……」
「イエロー。周りを見てみろよ」
「へ?」
あたしが周りを見ていると……
「ええっ!?」
周りの壁がどんどん上へ流されている。
いや、この地面が下へさがっていくのだった
……いったいどういう仕組みで動いてるんだろう。
「アテネ。このままゼウスの所へ一直線なのか?」
「ええ。ここを降りた後、ほんの少し進めばお父様の元へ行けるわ。でも……」
「でも?」
「このエレベーターは重要な所よ無論、そこにも……」
「……もしや」
「侵入者発見。侵入者発見」
「「「!」」」
と、その時
上から、何かが降りてきた。
「迎撃セヨ。迎撃セヨ」
「なんだこいつは……!」
「こいつらは対エレベーター用飛行型警備ロボットよ」
「ここまでいるのかよ……!」
数が多いな……
「皆、目的地到着までまだまだ時間がかかるわ。だからここで迎え撃つわ」
「そうか……仕方がない」
「言っておくけど、エレベーターは壊さないようにね」
「わかった」
「機銃発射用意」
ここはあたしにとって不利な場所ね。
でも……やるしかない!
――――――――――――――――――――――――――――――
どれくらい時間が経ったのだろうか。
もうかなりの時間、あたし達はロボットを破壊していたのだった。
「迎撃セヨ。迎撃セヨ」
「おいおい、こいつらどれだけ湧き出てくるんだ?」
まったくよ!
こっちはただでさえ手足が届かないのに……!
その上、移動中だから【引する重力の爆弾】はうまく当たらない。
「そろそろ到着する。すべて破壊して」
「わかった」
そう言うとシアンは大きく息を吸い込み……
「【超絶崩壊音声砲】!! 『うあああああああああああああ!!!!』」
「……! 危険、危険!」
ドォ―――――――――ン!!
【超絶崩壊音声砲】で一掃した。
と、同時にエレベーターが止まった。
目的地に到着したようだ。
「では、行きましょう」
――――――――――――――――――――――――――――――
エレベーターを降り、しばらく歩いていくと……
「次はこれに乗っていくわ」
またしても動く地面だった。
しかし、エレベーターは縦であるがこれは横だった。
「これは?」
「ベルトコンベアーよ。これでお父様の元へ行くわ」
と、言う訳であたし達はベルトコンベアーに乗って先へ進んだ。
もちろんその道中にも警備ロボット達がいた。
「侵入者、止マレ。侵入者、止マレ」
「ベルトコンベアーだから止まれるかあ!」
と、ロボット達を倒し続けた。
「おいおい! いくらなんでも多すぎねーか!?」
「それくらいお父様の所へ近づいているってことよ」
「そうか。ならもう少しの踏ん張りだな」
「そうね!」
そう言いながらさらに湧き出るロボットを倒し続けたのだった。
――――――――――――――――――――――――――――――
その後ベルトコンベアーから降りたあたし達はアテネの案内によりしばらく歩き続けた。
だが……
「おかしいわね、警備ロボットがいない……?」
アテネがそう疑問しつつもあたし達は進んだ。
そして……
「ついたわ。この扉をくぐればお父様の所よ」
何やら上や横だけでなく下にも広い空間に出てしまった。
その中央に巨大な部屋がありそうなところがあり、そこは一本だけの橋でつながっていた。
その橋の先に扉がある。
「もっとも、お父様が素直に開けてくれるかどうか……」
と、アテネが言ったが。
「!?」
「ん? アテネ?」
「おい。女人形、どうした」
「え? なんなの?」
アテネの様子がおかしいんだけど……
その時だ
「う……これは……いったい……!」
「ア、アテネ!?」
「おい! どうした!? おい!!」
「え! ちょ、ちょっと!?」
突然アテネが頭を抱えだしたかと思いきや……
「……………」
突然、俯きだした。
「…………アテネ?」
いったい何が……?
『初めまして、人間の皆さん』
「「「!?」」」
ちょっとアテネ、どうしちゃったの!?
いきなり口ぶりが変わったんだけど……!
「お前……ゼウスか!」
「ええ!?」
「そうなのか! マゼンタ!」
『おや、ずいぶん早くわかってしまいましたね』
「ほぼ直感だったがな」
たしかアテネはゼウスの端末って言ってたけど……
こんなことも可能なの!?
「お前! いったいどういうつもりで……!」
『いや、ただ我の言葉は我のいるところでしか発せれないからな。少々アテネに力を貸してもらっただけだ』
いや、それにしてはアテネがなんだか苦しそうだったけど……
「一体どういうつもりだ?」
『いや、ここから先はアテネに来てほしくないのだよ』
「なに?」
『だから、アテネがいられるのはここまで、ここから先は君たち三人だけにしてもらうよ』
そう言ってアテネは扉の横の機械をいじり……
スゥ……!
扉を開けた。
『さあ、進みたまえ。我は逃げも隠れもせぬ。アテネにはここにいてもらおう』
「……どうしてもか」
『どうしてもだ』
「……上等だ。 待ってろよゼウス!」
「おい、シアン!」
先にシアンが行ってしまった。
「……まあいい。行くか」
マゼンタも行ってしまった。
「…………」
『どうした? 君は行かないのか?』
「アテネは…………」
『ん?』
「どうしてアテネは入れてもらえないのよ」
『なに?』
「アテネは自分の意志でここに来たと言うのにどうしてって言ってるのよ!」
『…………ここからはあいつには知られてほしくないことがある』
「!」
『ただそれだけだ。それだけの理由だ』
「……わかったわよ」
あたしは不満に思いつつも扉を潜り抜けたのだった。
次回、ゼウスと対面。




