vs アレス
空を飛び続ける相手にどうするか
それでは、どうぞ
Side:紅
厄介な状況だ。
今の俺はシアンを肩車しているせいで、うまく頭を動かせない。
「爆殺するぞー」
あの空を飛んでいる機神……巨大脚はいたるところから四本足と同じ、飛ぶ爆弾をこちらに飛ばしてきた。
「やばっ! マゼン……うお!」
「【冷可視】!」
少々強引だが俺は頭を上げ、【冷可視】で爆弾を凍らせた。
こういう物は凍らせれば爆発しない。
「【引する重力の爆弾】!」
イエローはもう一度【引する重力の爆弾】を放つも……
「逃げろー」
「くっ……!」
巨大脚は高速で飛んで行ってしまい、躱されてしまった。
「アレスは機動力に特化した機神よ。攻撃を当てるのは一苦労よ」
「弱点はないのか!」
「そうね……」
機動力か、
動きながら攻撃は厄介だな。
俺の視線もうまく合いそうにない。
「死ね死ねー」
ズダダダダダダダ!!
「!」
キュ―――――ルルルルルルルルルル!!
「うお!」
「きゃ!」
「くっ!」
巨大脚が銃を放ってきたことにより、女人形は急に曲がって回避した。
「この……!」
シアンは顔を巨大脚の方へ向け、
「『は!』『ら!』『や!』『た!』『ら!』『ば!』『や!』『わ!』」
シアンは立て続けに【音声砲】を放つが……
「当たらないー」
「く……っ!」
すべて躱された。
「マゼンタ、どうする! イエローどころか、どの攻撃もアレスには当たらないぞ!」
「そうだな……」
厄介なのは移動中ってことだな。
止まって戦うのとはわけが違う。
「……! そうだ! いいことを思いついたわ!」
「なんだイエロー」
「こっちも飛んで応戦すればいいのよ!」
なに?
「それって……」
「こうするのよ! 【重力操りで浮遊移動】!」
「なに?」
すると、
俺達を乗せたサイドカーとオートバイが浮遊した。
「うおおおおおおい!?」
「なに!?」
「何をしているんだ!」
「吃驚ー」
「なに、このままあいつと同じ高さまで浮かべば……」
ん? 今下から声が……
「落ちろー」
下からいくつもの光線が襲い掛かってきた。
「おい!」
「え!? うわ!? ちょっと!?」
イエローが操作をミスしてしまったことにより……
「あああああぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「うおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「きゃああああぁぁぁぁぁぁ!!」
落下してしまった。
「くっ……!」
幸い、墜落寸前でギリギリ浮かしたことにより地面の衝突は免れた。
「おい」
「イエロー」
「何をしているのよ」
「……はい。すいません……」
「……ったく」
「大笑いー」
再び上に昇った巨大脚が馬鹿にするように言った。
どうやら先ほどイエローにより俺達が浮いていたのとは逆に奴は地面へ降りていたのだった。
その上、さっきのはオートバイほど速くは動けない。
格好の的という事だ。
「逃げるなー」
「そう言われて逃げる奴があるか!」
すると巨大脚の腹の中から、巨大な銃が出てきた。
「溜めるー」
と、言うと銃身が光り出した。
「なに!? おい、アテネ! あれはいったいなんだ?」
ここにきて大技か……
ん? 待てよ?
「いけない……! あれは粒子砲といって、強力な破壊力を誇る武装よ! 直撃しなくても余波で大変なことに……!」
「なに……! じゃあいったいどうすれば……!」
先ほどの浮遊、応用すれば……!
「20%溜まったー」
「イエロー! 先ほどの浮遊、まだ使えるか!」
「え……【重力操りで浮遊移動】の事? そりゃまたできるけど……」
「ならばひとつ頼みがある」
「……まさか!」
そのまさかだ。
「40%溜まったー」
「俺を浮かして操作しろ! 俺が巨大脚を倒す!」
「そ、それは……!」
「できるのか! できないのか!」
早くしないと……!
「60%溜まったー」
「……わかったわ!」
イエローは俺に触れて、上に手をかざし……
「【重力操りで浮遊移動】!」
「!」
俺を浮かして操作した。
「80%溜まったー」
させん……!
「【付焼刃】! はあああああああ!!」
俺は両手から高熱の赤い刃を出し、
ザッ……!
まずはそのでかい銃の砲身を斬りおとした。
「!? 逃げろー」
「なに!?」
ここにきて巨大脚がまた逃げようとした。
だが……
「【超絶崩壊音声砲】!! 『うあああああああああああああ!!!!』」
「なにー!?」
巨大脚の行先にシアンが【超絶崩壊音声砲】をかぶせた。
そのことにより巨大脚は、一瞬動きが止まってしまった。
「今だ! マゼンタ!」
「ああ! 覚悟しろ!」
そのあと俺はイエローにアイコンタクトを送り巨大脚の脚に回り込み、
「うおおおおおおおおおお!!」
「なんだとー!!」
奴を空へ飛ばしていると思われし部分を斬る!
「うわー」
巨大脚は地上へと落下してしまった。
俺も下ろし、追い打ちをかける!
「はあああああああああああああああ!!」
ズバッ! ザッ! ダンッ!
俺は動けなくなった巨大脚の足を斬りおとした。
「いやー」
「まだだ!」
とにかく俺は巨大脚の身体を斬りまくっていると……
「調子のるなー」
「なに!?」
巨大脚が二本の腕で俺を掴み、拘束した。
「何を……!」
「道連れだー」
道連れ……まさか!
「爆殺しろー」
「自爆か! いかん!」
俺は必死でもがくが、
「あなたを離さないー」
奴は俺を離そうとしない。
どうする……!
「離しやが『れ!』」
「シアン!」
戻って来たシアンが【音声砲】を巨大脚の腕に放った!
「ああー」
「! 今だ!」
隙を狙い、脱出する。
「乗れ! 急ぐぞ!」
「ああ!」
俺は急いでサイドカーに乗り、巨大脚から離れた。
「ちくしょー」
そして……
ドオオオオオオオオォォォォォォォォォォンンン!
後ろで大きな爆発が起こった。
「うおおおおおおおお!!」
「しっかり掴まって!」
迫りくる爆炎に必死で逃げる俺達
そして……
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「はあ……はあ……はあ……」
「危なかったな……」
「もういやよ……走りながらは……」
「よく耐えましたね」
何とか研究所の入り口に到着した。
まだ研究所に入っていないのに大変だった。
「それでは少しだけ待ってて」
そして、アテネは大きな扉の横についている装置を使って扉を開けようとしたが……
「……! 開かない!? お父様か……!」
どうやらゼウスが扉を開けさせないようにしたようだ。
ならば……
「どいてろ。【焼籠手】」
熱くした手で扉の中をくり抜いた。
「開いた」
「ありがとう、行きましょ」
俺達はアテネに続き、研究所の中へと入っていったのであった。




