真実と更なる疑問
今回は早めの投稿です
それでは、どうぞ
Side:黄
「はあ……はあ……はあ……はあ……うっ……はあ……はあ……はあ……」
気が付いたらあたしの目の前には……
もう誰なのかわからないくらいボコボコにされた天使がいた。
「う……うう……最悪よ……」
男の人の“アレ”を見たなんていつ以来よ。
あたしは男勝りとかお姉さんみたいとかよく言われるけど、“アレ”に対しては免疫はなかった。
「……は……おばえ……みがげにびょばぶ、ぶぶばんばば」
「……なに言ってるのかさっぱりわからないわよ」
もう、顔も見たくないので視線をジョヌとは正反対に向けた。
とにかく“アレ”を忘れないと……
―――――――――――――しばらくして……――――――――――――――
「おお、もう大丈夫だぜぇ。普通に喋れるようになったぜぇ」
「……あんたって、本当にタフね……」
ジョヌとあたしは今背中合わせの状態である。
私も何とか落ち着いてきたわ。
今なら顔を見ずになら話せる。
「ジョヌ。このままでいいから聞いて。あたしとの約束、覚えているわよね」
「ああ。何でも一つの言う事を聞いてほしいんだったな。それでどんな命令だ」
「うん、ジョヌに教えてほしいことがあるの」
「なんでぇい、それは」
「うん。それはね……」
あの青天使ブルーに言われてからずっと疑問に思ってた。
それは……
「神はどういうつもりで人類を管理してるの?」
「……………」
そう、それが疑問だった。
神が人類に対して抱く感情。
それがわかればこの先の考え方も変わる。
「はっ! 直球だねぇ。正直言うのは憚れるが、まあ約束だし応えよう」
どうやら教えてくれるようだ。
「神が人類に対して抱く感情……それは憎しみだ」
「憎しみ?」
それっていったい……
「神はなぁ、愛する者を奪った人間どもを強く憎んでいたんでぇい」
「愛する者? それっていったい……」
「はっ! 決まってんだろ! そいつはな……
……世界と呼ばれていたものさ」
「世界…………?」
世界って、あの世界の事?
こことか、リヴィアちゃんがいた所や、あたし達の元の……
「それって……」
「まあ正確に言うとお前ぇ等の元の世界だけってぇとこだな」
「?」
ますますわからない。
いったいそれはどういう……
「神は世界を愛していた。動物も植物も空も水も土もみんな、な。だが、そんな世界を壊した者たちがいた」
「それって……!」
「そうだ、人間だ」
五十年前の戦争
都市の外、壁の向こうの世界。
どんな光景があるかは知らないが……
「じゃあ、神は世界を壊した人間を憎んでいたと………?」
「あぁ。愛する者を失い、憎悪する。そういう神の方が人間臭ぇが」
「ちょっと!」
言っていいのそれ!?
「だったら何で人間を……管理なんてことを」
「それはな、人間もまた世界の一部だったからさ」
「え?」
「初めは滅ぼそうたぁ思ってはいたが、人間もまた世界の一部。滅ぼすか滅ぼさないかえれぇ葛藤したな」
「そこから中間でどっちつかずの管理ってことに……」
そんなに辛い思いをしていたのね。
「まあ、それだけじゃねぇんだがな」
「え?」
もうひとつ理由があるの?
「まあもう一つの理由が重要だがな」
「それって……」
「教えねぇぜ」
「え!? 教えてくれないの!?」
「ま、これ以上言うと後戻りできねぇ位罰っされるぜぇ」
「いや……」
十分やらかしてしまってるけど。
「それ以上知りたかぁ先へ進むこったな」
先、か……
後戻りはできないしする必要はない。
ただ、進むだけよ!
「悪ぃがこっちからも質問がある」
「なに?」
「お前ぇ……いや、お前ぇ等の力、どこで手に入れた?」
「え?」
言っちゃっていいかな?
悪魔からもらいましたなんて素直に……
いや、でもジョヌだって神の事を一部だけだが話してくれた。
言っていいわよね。
「これはね、悪魔からもらったのよ」
「悪魔から?」
「ええ。ノワールって名前の悪魔よ」
「何っ!?」
あ、あれ。どうしたの?
いきなり吃驚するんだけど……
「いや、なんでもねぇ。お前ぇ神倒すために悪魔に力を求めるたぁずいぶんと……」
「ええ、わかっているわ。そのために代償だって払ったのよ」
「代償?」
「ええ」
もうやけよ。
全部言っちゃえ。
「あたしのこの姿はね、本当の姿じゃないんだ。これは“もっともなりたくない姿”なのよ。本当の姿は奪われちゃってね」
「もう戻れねぇのか?」
「いいえ。悪魔が求めたものを払えは元の姿に戻るのよ」
「求めたもの?」
「そう、神の亡骸よ」
「……………」
ああこれ、もしジョヌじゃなくて違う天使だったら大変ね。
でも、ジョヌの話を聞いた以上できるのかしら。
「そうか。いや、いいことを聞かせてもらった。じゃあもうひとつだ」
「なに?」
「なんでお前ぇは神に反逆したんだ?」
「ちょっと待って、何であたしがあんたより多くの質問に答えないといけないの?」
「はっ! ただの興味だ」
「興味、ねぇ……」
いろいろあるけど……
「一言で言えば仲間のためよ」
「仲間ってぇあの二人のことでぇい?」
「そうよ。あいつらの事よ」
シアンとマゼンタ。
七年もの付き合いの仲間。
「あいつ等はいろいろと困った奴でね。あたしがいないとすぐに無茶するんだから」
「現に今、無茶してるとこだしねぇ」
「そうね」
ああ、本当に思い出すだけでも頭が痛くなることがたくさんあるし。
「あいつらはね、大事な仲間なのよ。仲間を死なせない。無茶ばっかりする馬鹿達だから、せめてあたしだけでも歯止めにならないとね。それが理由よ」
まあ他にもいろいろあるけれど、もっともな理由はそういう事よ。
「……まだだな」
「なによ」
「本当にそいつらを慮っているのなら、そもそも反逆を止めた方がいいだろ。そうじゃねえってこたぁお前ぇ自身の理由もあるんじゃあねぇか」
あーやっぱり話さないといけないか。
まあそうだよね。普通は反逆なんて無茶すぎること、止めるもんね
そうね……
「長くなるけどいい?」
「ああ、構わねぇ」
「そう……」
まだ、体力が回復しきるには時間がかかる。
やけになったんだから昔話でもしようじゃないか。
さて、次回の投稿はしばらく先になります。
速いうちに復活しますので。
イエローの過去とは……




