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コンプレックスな反逆者たち  作者: ゾンビ―鈴木
第二章・銃と機械の世界編
43/114

黄の妥協 黄の絶叫

タイトルの意味は……

それでは、どうぞ

  Side:紅


「おい、どこまで行く気なんだ。さっきから妙なものに乗せられてばかりだが……」

「もう少しよ。闘うのだから気を引き締めなさい」


 女人形について行ってからの事。

『エレベーター』やら『ベルトコンベヤー』やら動く地面に移動させられていく俺達。

 シアンに至っては……


「おいおい……こんなことができるのかよ。すげーな科学技術」


 さっきから感心しっぱなしだった。

 感心するのは解るがせめて声を出さずに静かにしろ。


「あなた達には見慣れないものばかりかしら」

「そうだな、ここまで技術が発達したものはそうはない」


 未だにあの円盤や鉄の箱が技術のみで浮かんでいるのが信じられん。

 いったいどういう原理だ?


「地面が動くって便利?」

「そうだな、長距離の移動には便利かもな」


 実際、ほとんど足を動かしていない。

 今は自動で目的地へと向かっている。


「そう……それほどまでに、彼ら人間はひたすらに、ひたむきに機械われらを作ったのよ。ただ純粋に文明を発達させようと……」

「……………」


 文明、か。

 さっきまで危ない機械に追われていたが役に立つのか?


「しかし彼らは考えなかった。自然を犠牲にすることがどれほど恐ろしいことなのかを」

「待て、それ以上は言うな。あとはゼウスに聞く」


 こいつらはいわば娘のようなもの。

 本人が思う事は本人に聞くものだ。


「そうね。あとはお父様に会ってからね。でも……」

「「!」」


 と、ここで動く地面からおりた女人形。


「そろそろよ。ついてきて」


 どうやらこの後は歩いていくようだ。

 俺達は女人形についていった。



――――――――――――――――――――――――――――――




 しばらくして俺達は何やら広い空間に出てきた。

 しかし、周りが暗いため、あまり見えない。


「ここは機械の性能を試すために作られた地下実験場よ。高い強度を誇るから安心して戦って」

「なに……!」


 俺は気が付いた。

 広場の中央に何か巨大なものがいる。

 暗いせいで形ぐらいしかわからないが……


「来たわ。照明を点けて」


 女人形が仲間に指示をすると……


 パッ!


「うお!」

「うっ! 眩しい……!」


 突然の明かりに目をくらませる俺達。

 そして、だんだんと慣れてきて目を開けると……


「…………!」

「なんだよ、これ!?」


 シアンがあまりの驚きに声を上げた。

 俺もデメテルを見た時以上に驚いた。


「これは………!」


 目の前にいた巨大なもの。

 それはとてつもなく巨大なロボットだった。

 四本の太くて頑丈そうな鋼の足。

 そしてその足が支える縦に長い胴体。

 それはまるで首のない人間を四つん這いにさせたような形状だった。

 さらにその首に当たる部分に人間の上半身をかたどったものがくっ付いていた。

 その上、上半身の右手には巨大で機能的な感じの槍を持っていた。

 そして、その巨大なロボットの額には……

 “Cheiron”という文字が刻まれていた。


「これが……」

「ケイロン……!」


 あまりにも圧倒的な姿に驚きざるを得なかった。


「そう……人工知能(AI)搭載四足歩行型重量級機神。それがケイロンよ」

「機神?」


 四足歩行や重量級は解るが機神とは……?


「機神とは人間を滅ぼすため、かつてのお父様が造った殲滅に特化したロボットよ。ほとんどはお父様のもとにいるけど、こいつだけはここに残ったのよ」

「おいおい! こいつと闘うのか!?」


 シアン。狼狽えるな。


「そうよ。あなた達の覚悟を見るならこれくらいはあった方がいいでしょ」

「いや、あまりにもスケールが……」

「シアン。落ち着け」


 ったく、こいつは……


「気を引き締めろ。でかいから強いとは限らん。こいつを倒してゼウスに会いに行くぞ」

「………わかった!」


 さて、そうとなれば……


「大きいから強いとは限らない、か……確かにその通りだけどこいつに限っては言わせないわ。ケイロン! 起動して!」


 女人形の合図に四本足は……


 ギュィィィィィィィィイイイイイイン!!!


 動き出した。


「機体ノ状態、確認。……問題ナシ。燃料、確認。……問題ナシ。記憶板、確認。……問題ナシ。ケイロン、起動しました。用件ハナンデショウカ?」

「ケイロン。命令するわ。この人間どもを……殲滅して!」


 女人形は命令し立ち去った。


 後に残ったのは俺達と……


「リョウカイ。ケイロン。目標ヲ殲滅シマス」


 四本足の大きな人形


「いくぞ! シアン!」

「ああ! マゼンタ!」


 俺達はほぼ同時に動き出したのであった。



――――――――――――――――――――――――――――――



  Side:黄


「な……なんでこんなことになってるのよ!?」


 変な階段を降り、変すぎるロボットに追われ、そして、抜け穴のようなものに入り、見えてきたのは巨大な地下空間の壁の高いところの穴。

 そこであたしは鉄の箱よりも巨大な、足が四本もあるロボットと戦おうとしている二人を見つけた。


「さっぱりわからない。あの巨大なロボットがなんなのかも、なんでシアンとマゼンタが闘おうとしてるのかも、いったい……!?」

「あーあ、こうなった以上、邪魔はできねぇや」

「へ?」


 横でジョヌが呟いているのを聞きあたしは少し驚いた。


「あんた、シアンとマゼンタとあたしとの三人で戦いたかったんじゃないの? 邪魔してまで戦いたいんじゃ……」

「確かに俺様は楽しみたいことは徹底的にやるが他人の楽しみを邪魔するほど野暮なわけねぇ。この戦い、横槍は入れねぇ」


 いや、他人の楽しみって……

 どう見ても二人とも必死そうだし。


「かと言って戦いが終わった後でも疲労した挑戦者たぁ戦いたくねぇ。さて、こうなったらぁ……」


 ん?

 何だか嫌な予感が……


「……ちっ! しかたがねぇ! 残りもんで楽しむとするかぁ!」

「……え!?」


 それってまさか……!


「ちょっと待って! 三人とも戦いたいんじゃないの!?」

「本来はそうだがぁ、機械どもに先起こされたぁしょうがねぇ。だいたい見つけるのが遅かったがぁ原因よ」

「いや、遅いってあんたが原因でしょ!」


 変な所行くし、面倒だったし、なによそれ!


「んな過ぎたことぉ女がぁ気にすんじゃねぇっての! 表へ出ろぉい!」

「ちょっと待ってって! そんなのいや! あたし一人じゃ……!」

「はっ! 最終的に楽しけりゃあいいてもんよ!」

「あたしはよくないわよ! 一人で四輝天使の一翼と戦えだなんて!」

「ごちゃごちゃうるせぇやい! 問答無用でぇい! もう決めたことでぇい!」

「いや……! それって……!」

「はっ! 俺様はお前だけを全力で楽しむとするぜぇ!!」

「い……いやあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 あたしの甲高い沈痛な悲鳴は……

 巨大なロボットの起動音に掻き消されたのであった……












 決めた。絶対あの二人ボコボコにしてやる。

 この理不尽な状況ことに理不尽な八つ当たり(こと)を思ったあたしであった。

と、言う訳で次回から二組とも戦闘です。

初めはどちらからでしょうか。

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