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コンプレックスな反逆者たち  作者: ゾンビ―鈴木
第二章・銃と機械の世界編
38/114

足りないもの

  Side:黄


 現在あたしはシアンとマゼンタがいるであろう研究所を目指しているのだが……


「はあ……」


 研究所は遠いため、まだまだ歩き続ける必要がある。


「なんでぃ、情けねぇ声出してぇ」

「いや、何でこうめんどくさい状況に……」


 仲間が攫われるわ、天使と協同するわ、闘う予定だわ、なにこれ?


「ねえ、ひとつ聞いていいかしら?」

「なんでぇい?」

「あんたって本当に天使なの?」

「はあ?」


 はあって、


「だってあんたは反逆者(あたしたち)の事を挑戦者って呼ぶし、神の事を呼び捨てにするし、ヴェールとは違って自分の都合で違反するし……」

「ああ、そうだなぁ」


 ジョヌは少し考えて……こう返した。


「俺様は他三翼とは違って特殊なんだよな」

「特殊?」

「特殊ってぇ言うか異常ってぇ言うか」

「異常?」


 よくわからないわね。


「四輝天使ってなぁみんな自我があり、それぞれが特定の感情を持ち、特定の思想を持つ。しかし俺様の場合は他三翼たぁ違う事がある」

「なによそれ……」


 ほか三翼って、赤には会ってはいないんだが……


「それは、自由の思想を持っていることだ!」

「え……」


 え――――………


「他、三翼は義務感やら使命感やらで動いてはいるが俺様は違う! 俺様は俺様のためならば、神の定めに反してまでぃやっていいってぇことよ」

「……………」


 迷惑な天使ね

 ほかの天使は……苦労したんでしょう。


「あたし、あんたのそういうところ、面倒だと思っているわ」

「はっ! なぁに、わかっていることよ!」


 はあ……


 あたしはため息が出そうな感じで研究所へと向かっているのだった。



――――――――――――――――――――――――――――――



  Side:紅


「……と、いうことだ。これがオレ達が世界を廻っている理由だ」

「へえ、それがあなた達の事だったのね」

「ああそうだ。どうだ、これで」

「うーん、そうね……」


 俺達は一通りの説明を終え、目の前の女人形からの返答を待った。

 応えは……


「残念だけど、あなた達には案内してやれないわ」

「な…………!」


 否、だった。


「なんでだ! オレ達の話のどこがいけないんだってんだよ!」

「シアン。落ち着け」


 俺は興奮するシアンをなだめた。


「そうね、いろいろあるけれど……一つ言わせてもらうわ」

「なに……?」


 何だそれは。


「要するにあなた達はそれぞれの目的を持って神とやらに挑んでるんでしょうけど……








    ……言わせてもらうわ。そんな自分勝手で目先の事だけの反逆はやめて」








「なん…だと……!」

「手前……!」


 さすがの俺もその言葉に腹が立った。

 自分勝手は自覚はあるが……


「目先の事だと……!」

「ええそうよ。だってあなた達は足りないものがあるのだから」

「ああ?」


 足りないもの?


「あなたたちがやろうとしていることはお父様がやっていたことよ」

「なに?」


 人間を滅ぼしたあの機械と同じだと?


「お父様は後悔している。自分のやったことを……自分の考えのなさを……」

「っておい! どこへ行く!」


 すると、目の前の女人形はどこかへ行こうとしてた。


「じゃあオレ達はどうなるってんだよ!」

「あなたたちはかつてのお父様と同じよ。後を考えない反逆……同じ過ちを繰り替そうとする者たちを素直に帰すわけにはいかないわ」

「なんだと!?」

「かと言ってこの世界ではニンゲンは生きづらい。だから……」


 女人形は最後にこっちへ振り向いてこう言った。


「あなた達ニンゲンには“デメテル”に入れてもらうわ」

「はあ?」

「ん?」


 デメテル?


「あなた達のような元気のあるニンゲンは久しぶりよ。まあ片方は子供でもう片方は……大丈夫ね」

「デメテルとはなんだ?」

「言えないわ。でも、帰れないことはたしかよ」

「おい! オレ達の何がいけないってんだ!」

「あなたたちには猶予をくれましょう。それまでに心を改めてくれるのなら素直にあの場所へ案内しましょう」

「って聞けよ! 話!」


 女人形は行ってしまったのであった。


「お前ぇ! オレ達はなあ! どんな覚悟で反逆を起こしたかわか―――――」

「……………」


 足りないもの、か…………


「―――――だよ! それでいて、犠牲だって払ってま(ゴツン!)おぼし!?」

「黙ってろ」


 とりあえず俺はシアンを黙らせた。


「何するんだよマゼンタ! このままオレ達がデメテルっつーよくわかんない物になってもいいのかよ!」

「よくねーよ。ただ、今は体を休める時だ。ほら」


 俺はシアンにある者を差し出した

 それは、


「これって……、フィアーラ王国名産の携帯用保存食? なんでこれを?」

「何事も備えは大事ってことだ。念のために買っておいたのだ。ほら、受け取れ」

「お、おう」


 シアンは緊急時の食料を受け取った。

 何が起こるかわからんから、用意したのだ。


「今はそれを食って、寝て、休んで、スタミナを摂っとけ」

「じゃあ、マゼンタ……」

「ああ」


 足りないもの、それは解らない。

 だが……!


「じっとする気はない。機を見て脱出する。それまでは体力を温存だ」

「……わかった」


 さて、イエローはどうしているだろうか……

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