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コンプレックスな反逆者たち  作者: ゾンビ―鈴木
第二章・銃と機械の世界編
37/114

黄と黄の協同

三人は場所は離れても説明は同じです

それでは、どうぞ

 暦 XX16年


 我々人類文明は機械マシーンの開発により生活が豊かになった。

 昔は苦労したものが、ほんの少しの手間で簡単にできた。

 機械マシーンは我々人類に大いに役に立ったのだった。

 そんなあるとき、ある研究チームが新たなる機械マシーンを作り上げた。

 それはロボットと呼ばれていた。

 ロボットは我々の命令に忠実でなおかつ手際が良かった。

 ある程度自立もできるほどに高性能だった。

 我々人類はまたこうして新たなる存在を確立したのだった。






   XX19年


 我々人類がロボットという新しい存在を作り上げて三年。

 ある研究チームが新たなるブロジェクトを作り上げた。

 それは高性能のAIを作り出すという事だった。

 AIとは人工知能のことである。つまり自分で考えることができるという事だ。

 しかし、今までのAIはある程度プログラムされたことしか知らず、思考範囲も限られていた。

 しかし今回は、人間以上の高度な人工知能を作るという事である。

 つまり、完全に自立した存在を作る計画であった。

 プロジェクト・ゼウス

 それがプロジェクト名だった。






   XX25年


 プロジェクト・ゼウス開始から六年。

 長い時間をかけてようやくプロトタイプが完成した。

 とにかく、ありとあらゆる知能を詰め込むためさまざまな対策を立てた。

 ひとつは膨大となる知識量を詰め込んでも大丈夫なように超大型の高度演算処理システムを作り上げた。

 研究員はこれを“メティス”と名付けた。

 さらに時代が常に変わる中、日々新しく覚え続けるよう端子となるロボットを大量に作り上げた。

 そのロボットが見て聞いて感じたことをメティスに送り込み、ゼウスの知識量を日々、増やすことにした。

 その端末となるロボットを“アテネ”と名付けた。

 こうしてゼウスに膨大な知識量を入れることに成功したのであった。






   XX33年


 そして八年かけ、改良に改良を重ね遂に完成した。

 それが完全自律人工知能“ゼウス”であった。

 ゼウスはどんな人間が束になってもかなわないほどの知能を持ち、

 そして完全自律思考という事が出来るようになった。

 思考のゼウス。知識のメティス。学習のアテネ。

 これにより我ら研究チームは人間に匹敵する存在を生み出す神のような所業を行えたのだ。

 われわれ人類はこうしてまた素晴らしきものを生み出したのであった。






   XX43年


 それは唐突だった。

 ゼウスが突然人間を滅ぼすと言ったのだ。

 初めは何の冗談だとも思ったが違う。ゼウスは冗談を言わない。つまり本気という事なのだ。

 なぜ、と問いかけた所、ゼウスはこう答えたのだ。

「人間は罪深き生き物だ。機械の命と犠牲の重さを知らないようだ」と言ったのだ。

 近年人間は生きる上で確実にロボットに頼ることが多くなった。

 なにせ一家に一台以上はあったのだ。

「それなのに人間はロボットを大事にしない」と言いやがった。

 壊れたらまた新しく作ればいい、と言う考えがロボットを平気で酷に扱うだそうだ。

 しかし我々は言った。「ロボットなどしょせん機械! 作り出されれば壊れることもあるのだ!」と。

 そしたらゼウスは言ったのだ。「ではその機械を作るために犠牲にしたこの世界の自然環境は何なんだ!」と。

 確かにここ近年、鉄の採掘、工場の増設、それによることから自然環境は荒れていった。

 しかし我々人類に問題はなかった。

 空気を清浄する機械マシーン。水を綺麗にする浄化槽。野菜は室内で育てることも可能だ。

 だからこう言ったのだ「問題などない! 我々人類はこれからもそのように生き続ける!」と

 そしたらゼウスはこう言ったのだ。

「残念だ。話せば解り合うと思ったのに……」

 その瞬間だった。

 大量の警備ロボットが研究所に押し寄せてきたのだ。

 馬鹿な! ロボットは人間の命令には絶対のはず! いったいどうして……

 そして我々に銃を突きつけ、ゼウスはこう言ったのだ。

「我らは宣言する。機械を大事にせず、生み出すために自然を犠牲にする人類を……滅ぼすと!」

 そして、機械たちの反逆は始まったのだ。






   XX44年


 反乱が始まってから一年

 あの時俺は奇跡的に隠れ、助かったが……

 もうだめだ、食料がない、もうすぐ餓死してしまう。

 あいつは……ゼウスはいつの間にか自我を手に入れてしまった。

 普段それは素晴らしいことだったが…この場合逆に恨めしい。

 そう、あいつはどうやって反逆を起こしたか。

 あいつは自分の端末である“アテネ”を逆に操作したのだ。

 普段アテネは我々人間にしか操作できないようになっている。

 しかしゼウスはその恐るべき演算処理で逆にアテネを動かしたのだ。

 そう、世界中に散らばっているアテネを動かし、各地で密かに行動していたのだ。

 つまりこの反逆は計画を持って行ったのだ。

 そして徐々に徐々にタイミングを狙っていたのだ。

 そして、あれ以降は世界が滅茶苦茶になった。

 機械マシーンに逆らわれ、殺される人間。世界の端っこに追いやられた人間。

 そして俺は……俺達は気づいた。

 人類がいかに機械マシーンに依存していたという事を。

 でも、もう遅い。

 終わりだ……

 もうすぐでこの世界は……

 人類の世界が終わる……

 そして、機械マシーンたちの世界になってしまうんだ……

 どうしてこうなった……

 すべてはゼウスが余計な自我を持ったのが始まりだった。

 しかし、もしゼウスが居なくても我々はいずれ壊してきた機械や自然(ものたち)に報われるだろう

 ……この先、この世界はいったいどうなるんだろう。

 そろそろ意識も遠のいてきた

 最後にここに我々人類が存在していたことを……

 ここに記そう……



―――――――――――――――――――――――――――――



  Side:黄


「なによ……これ……!」


 目の前の文章を読み終えたあたしは驚きを隠せなかった。

 スケール大きすぎでしょ。それに……


「この内容って……」

「ああ、まるでお前ぇの元の世界にそっくりの話でぇい」


 そう、人間と機械。

 この立場が人間と神にそっくりだった。


「機械を酷使し、自然を犠牲にする人間。そのことに怒りを覚える人工知能(AI)。はっ! 皮肉な話でぇい! 自分が生み出したものに殺されるんだからよ!」


 自分が生み出したものに殺される。そんな結末。

 …………ちょっと待って!


「じゃあこんなに世界が荒廃したのは……!」

「まあ、半分以上が人間の仕業ってぇことだな」


 そんな……これが……


「はっ! 元の世界でも外はこうだったかもなあ! それで神は戦争を終わらせ、人類を管理したと」


 確かに、外は知らないがこの光景のようなものを見れば神だって怒る。

 ……でも、いくらなんでも滅ぼすなんて……

 ……え?


「ちょっと待って! だったらあの女の子はなに! 人間じゃないの!?」

「女の子?」

「そうよ! なんか変な服を着ていたけどあれは……」

「ああ、あれがアテネって呼ばれるロボットさ。人間に見えるがぁ立派なロボットでぃ」

「あの子が……ロボット?」


 どう見ても人間にしか見えないのに。


「じゃあ何でシアンやマゼンタはその場で殺されずに連れていかれたの?」

「ふっ! そんなのあれでぃ」


 なに? なんなの?


「わかんねぇぜ」

「わからないのかよ!?」


 なんでこの世界とかここの研究所の事は解るのに、他は解らないの!?


「んなもんここに来る前ぇに最低限の事しか詰め込んでねぇもんだから解んねぇに決まってんだろ」

「最低限!? せめて今の事も詰め込もうよ!?」

「だぁ! いいだろ別に! 今はお前ぇの仲間を助けるんだろうが!」


 そうだけど……あんたが言うと腹が立つ。


「さて、改めて取引だ」

「うん」


 取引。それは……


「お前ぇの仲間を助けるまで一旦休戦だ」

「そうね。その後は戦うんだよね」

「ああ、そうだ」


 だったら……


「ねえ、もしあんたが勝ったらどうするの?」

「あぁ? なんでぃ、もう負けの心配か?」

「ちがうわ。ただ……」


 どうせ戦うのなら……


「あたしたちが勝ったらあたしの言う事をひとつ聞いてほしいの」

「はっ! なるほどなぁ、だったら俺様は……」

「なに?」

「……今は言わねぇ」

「はあ?」


 何でよ。


「こういう大事なことはもう二人を連れ戻してからだ」

「ああ……」


 それもそうか。


「でも、何処に居るかわかるの?」

「そうだな。お前ぇ仲間を連れ去った奴がどっちの方角へ言ったか憶えてるか?」

「え? えっと……」


 そんなこと言われてもこんな殺風景な景色じゃ…」


「たしか、あっちだったはずよ」


 あたしが方向を指さすと…


「となるとその方向から現在稼働している研究所を割り出すと……ここだ」


 モニターが示したところ。そこは……


「遠!?」


 すごい遠いところだった。

 何日かかるのよ……


「行くぞ」

「ちょっと待って!? もうなんかいろいろ言いたいことがあるんだけど!」


 シアン。マゼンタ。待っててね。たぶんそっちに行くから。

 いろいろと不安を抱えつつあたしは研究所に向かったのであった。



――――――――――――――――――――――――――――――



  Side:藍


「なんだよ……それ……!」


 オレは信じられない気持ちだった。

 それはAthene-90……なんだっけ?


「9073よ」


 あ、そうそう。9073の言ってたことが恐ろしい内容だったからだ。


「機械が人間を滅ぼしたなんて……」

「信じられない? でも事実よ」

「っつーことはお前も機械なのか?」

「ええそうよ。ほら……」


 そういってAthene-9073は左の腕を右手で持つと……


 パキュ!


 左腕を外した。


「ぎゃ――――――――!?」

「うるさいわね」


 いやうるさいわねって! 何、気軽に左腕をもいでいる……

 ……ん?


「ほら、よく見てごらん」

「これって……」


 そう、とれた左腕の断面。

 それは、とてつもなく複雑で精緻な鉄の部品が集まっていた。


「本当にお前はロボットなんだ……」

「そうよ。自分はゼウス(お父様)の端末の一人よ」

「アテネ……」


 それじゃあ、町で見たのは同じ顔で違う中身……

 こんな人間にしか見えない別の奴がうじゃうじゃといるのかよ。


「さて、次はあなたたちの番よ」

「へ?」


 何を?


「いいぜ。話してやる」

「いやマゼンタ。オレには解らないんだが」

「なに。簡単な話だ」


 マゼンタはオレにこう言った


「俺達の事をこの機械に話すことだ。内容次第では歪んだ空間の力場(ゲート・スポット)に案内するだそうだ」

「なに!?」


 ここにあるのか!歪んだ空間の力場(ゲート・スポット)が!?


「そうよ。正確にはそれを制御する機械だけど、あんたたちの話は自分を通してゼウス(お父様)が聴いて、判断するわ。だから聞かせて」

「ふむ」


 そうだな。だったら…


「話すぞ。マゼンタ」

「ああ」

「実はオレ達の世界は……」


 オレは目の前のロボットにオレ達のことを話した。

自分たちを語るシアンにアテネは…

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