緊急事態
当日、神殿に向かったシアンだが…
それでは、どうぞ
Side:紅
そして当日
俺達は歪んだ空間の力場がある神殿を目指して王都を出た。
王都を出る際にシアンが、
「名残惜しいが、楽しかったぜ」
と、言っていた。
俺も少なからず惜しむ気はあった。
そして現在、山の入り口に立っているのだが……
「なんか頂上から変な声が聞こえないか?」
シアンが何かを聞いたそうだ
すると、王女は
「それは恐らく、祭っているのかと思います」
「祭るって賢者様を?」
「はい。一年に一日の誕生祭ですので」
なるほど。よほどの事を貢献したのだな。
「……にしては何かが……」
何やら不安顔のシアン。
とにもかくにも俺達は足を進めたのだった。
――――――――――――――二時間後――――――――――――――
異変に気づいたのはその時だ
「………ん!?」
何やらシアンが耳に手を当てている
「どうした。シア…」
「しっ。静かにして。もしかしたら……」
いったい何があったのだ
「あれ?」
「どうした王女」
「いえ、なんでもありません」
「???」
一体なんだ?
するとシアンが顔を青ざめる。
「なんだと………!?」
「どうしたのシアン」
「おい! イエローにマゼンタ! そしてリヴィア! 【四位一体】で急ぐぞ!」
「え? シアンさん?」
「ちょっと! どうしちゃったのよシアン!?」
シアンが自ら【四位一体】をすると言った
……まさか!?
「シアン! まさか頂上でなにかが!?」
「ああ! そのまさかだ!」
態勢を整えつつシアンが言う
「頂上で悲鳴と何かが暴れている音が聴こえた! 急ぐぞ!!」
俺達は急いで頂上を目指した
―――――――――――――――――――――――――――――
頂上にたどり着いた俺達
そこには……
「ぐあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁお!!」
「な、なんだよこの獣は!?」
そこには体長100mほどの犬のような大きな獣が暴れていた
しかもその獣は……
「雷、だと!?」
雷でできた獣なのであった
ということはもしや……
と、ここで神官らしき者がこちらに駆け寄ってきた
「リ、リヴィア様!? いけません!! 今すぐお逃げください!!」
「フォルド司祭! いったいなんなのですか! あの獣は!!」
「それがわからないのです! ほんの数時間前に突然現れ、ここで暴れているのです」
「負傷者はどうなのですか!」
「幸い、怪我人は一人も出てはいません。しかし、このまま暴れ続けると折角の祭りが滅茶苦茶に……!?」
ほんの数時間前だと? しかしあの雷には心当たりが…
すると、もう一人の神官が現れた。
「フォルド司祭!」
「な、何かね! 君も速く避難を…」
「いえ、あの……私、実は見たのです!」
「見たとは何をかね?」
「はい。実は一週間と数日前にこの地に妙な格好の女が現れ、何かを唱えた後ここを立ち去ったのです!」
なんだと!?
「おいお前! その話を詳しく話せ!!」
「え、あの……あなたは?」
「いいから早く!」
「は、はい!」
俺はその神官の話しを聞いた
それは……
――――――――――――――回想――――――――――――――
私はいつものように神殿の周りを見ていたのです。
すると、向こうから緑の服をした変な女がいたのです。
私はこっそりと彼女を見ていました。
彼女は神殿の裏の所に足を運ぶと突然、
「我が命によりし出よ。【雷獣】!」
するとです。
彼女の手のひらに雷の塊のようなものが出たのです。
そして、彼女はこう言ったのです。
「【雷獣】。もし、次元の穴が開く日にあの三人がここを訪れることになったら……
……この神殿と三人を破壊して♪」
そう言ったのです。
私は怖くなって……このことを司祭様に言おうとしたら…
「だめよ。うふふふふ♪」
「!」
「まあ、私が敗けることはないが、万が一ってことがあるしね♪ だから邪魔しないで」
「う、あう、ああ……」
「【電流操作】」
その瞬間私は意識を失いました
―――――――――――――回想終了―――――――――――――――
「そして気が付いたらここであの獣が暴れていたのです」
「……………」
なんてこった。
あの緑女め、用意周到だな
さて、そうなるとやることは一つ
「シアン! イエロー! あの獣を倒すぞ!!」
「もちろんだ!」
「言われなくてもね!」
「神殿を壊さないように気をつけろよ!!」
「「わかった!!」」
「ぐあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁお!!」
まったく……なんてこった……
「ここにきてこの展開とはな」
この瞬間、
俺達はこの世界での最後の戦いが始まった。
苦難はまだ終わらない




