休息 イエローの場合
戦士の休息という事で
それでは、どうぞ
Side:黄
天使と戦ってから一週間ほど
あたし達は休息を取ることにした
あたしの場合は城下町がどんなものか回ってみたが…
「ふう。思ったより賑やかね」
そう、結構盛んなのであった。
ほんのついこの前まではお城の方でごたごたがあったというのに
とはいえ、賑やかなのはいいことなのであたしはいろんな店を回ったりした
お金に関しては問題はない。少し前に、シアンが働いてお金を得たのだ。
あたしはこの城下町で人気のあるパン屋さんのもとへ行こうとしたその時、
「ん……?」
あそこの花屋に見慣れた影が……
「リヴィアちゃん? それにシアンも……?」
どうやら二人で出かけていたようだ
それにしても、なんて楽しそうな表情だ。あんな表情は初めて見た
(シアンと一緒にいるからかなぁ……)
もしかしたらリヴィアちゃんは……
おや?花屋のおばさんが何か言った後にリヴィアちゃんは突然慌てだした。
そのあとシアンが何かを言った後、急にがっかりしだした。
本当にもしかしたら……
(ま、でもシアンだしね……)
あいつはいろいろ厄介よ。だから頑張ってね。
あたしは遠くにいるリヴィアちゃんに心の中で応援をしたのだった。
(端から見るとお姉さんと近所の子供にも見えるんだが……)
最後に余計なことを思ったあたしであった
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うん。パン屋さんはよかった。特に菓子パンに関しては素晴らしいの一言に限る
あたしはそのあとある場所に訪れた。それは…
コンコン
「はい。どうそ」
騎士の寮であった
「体調はどう? ラヴィニス」
「はい。おかげ様です。イエロー殿」
天使との戦い以来、ラヴィニスがこちらに戻ってきたのだ
とはいえ今は休暇で本格的に再開するのは数日後だそうだ
「イエロー殿には感謝してもしきれません。あなたたちがいなければ王国は今頃……」
「いいっていいって。大体あたしよりもシアンの方が頑張った方だし」
王子を生き返らせたのはブルーって天使だけど
そもそも、王子とリヴィアちゃんを和解させたのもシアンのおかげだし、ブルーに生き返らせる気にさせたのもシアンのおかげ。それに…
「最初にあんたたちを見つけたのもシアンだしね。あたしやマゼンタはほんのちょっとのようなものだしね」
「ふふ。それでも私がこうして無事なのもシアン殿のおかげでもあるが、イエロー殿やマゼンタ殿のおかげでもある。だから、改めて言わせてくれ」
「いいってのに……」
お堅い人ね。
リヴィアちゃんの騎士でもあるから堅いのかな?
「あの、時にイエロー殿」
「ん? なに」
「実は私、暗殺者から負わされた傷以外に覚えのない傷を負っているようなのだが…」
「覚えのない傷?」
なによ、それ……
もしかしてあたしたちが知らないうちに誰かがラヴィニスに…
「これなのだが…」
ラヴィニスが服をめくってお腹を見せる
そこにあったのは……
「恐らく私が気絶していたあの時に火の魔法を受けたようで…、こんな大きな火傷を負ってしまうとはラヴィニス、一生の不覚です」
「……………」
いや、それは……
それはマゼンタが止血するためにやってしまったことで
あたしもあの時あんたを押さえてしまったけど……
「だからこそ私は、この大きな火傷の跡を機に、精進するよう心がけ……おや、どうされたのですかイエロー殿。ずいぶん顔色が悪いようで……」
「あ、あはは。大丈夫よ。が、がんばってね」
「うむ」
マゼンタ。いくら止血するとはいえ、女の子のお腹に火傷の跡を残すなんて…
とはいえ、あたしも加担したからなぁ。
罪悪感と責任転嫁のどうしようもない板挟みな状態のあたしだった。
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さて、次はどこへ行こうかって、ん?
いつの間にかあたしは六人の男に囲まれていた
「おいおいねーちゃん。俺達と一緒に遊ばない?」
「なんだよシゲチャン。こんな女が好みなのかよぉ」
「おうおうおう。なんだっていいじゃん。」
「そうそう」
ぎゃはははと笑う男たち
……まいったね。ナンパなんて、どう対処したらいいか…
あれ? あたしのこの状態でナンパ? それって…
いけないいけない。大体男どもの誘い方がひどいし。
しかもなんか怪我してるし。
「お断りよ。他をあたって頂戴」
あ、しまった。他をあたったら他が迷惑するんじゃ……
しかし、この男どもは諦める様子はなく
「そういわないでよぉ。今さっきも他を誘ったのによぉ。嫌がりやがるんだぜぇ」
「そうそう。しかも変な男に邪魔されるしよ。ああ~思い出すと腹が立ってきたし」
「ねーちゃん。おとなしくした方がいいぜ。優しくエスコートするからよぉ」
はあ、仕方がないわね。
そういってあたしの肩に手を伸ばす男に思いっきりボディブローをかます!
「ぐあっ!」
「シゲチャン!! このアマ~!」
そういって殴りかかってくる男ども
解りやすいリアクションね。もうちょっと誘い方を勉強しなさい
そう思い、あたしは最初に殴り掛かってきた男にクロスカウンターで殴る
「ごっ!」
「なに!?」
そして、倒れ掛かった男を思いっきりほかの男にぶつかるように蹴飛ばす!
「がっ!」
「ぐふぅ!」
「おぉー!」
って、対して強くないじゃんこの男たち。能力を使うまでもないし。
やれやれ、っと思ってると。男たちが、
「この……! 大体シゲチャン! 何でこの女がいいの! 貧乳の上に高身長じゃん!」
ビキッ!
あぁ?
「いやだって……俺、髪の短い男みたいな気の強い女が好みだから、つい!」
ビキビキッ!
なんですって?
「でもこの女、どっちつかずですよ! 低身長でもないのに貧乳だし、巨乳でもないのに高身長だし!」
ビキビキビキッ!!
あんたらぁ……
「馬鹿言え! 足がすらっとしててそこがいいじゃねいかよぉ!」
「でもさ、そこだけじゃん! そこ以外が魅力じゃないじゃん! だって強いし!」
「馬鹿者ぉ! 強い女にはそれなりの魅力が……はっ!?」
「てめぇら~~~~~!!」
気が付けばあたしは
「「「「「「ひいぃぃぃ……」」」」」」
「そこに、なおれぇーーーーーー!」
大激怒していたのであった
――――――――――――――――――――――――――――――
「はあ……」
何やってんだよあたし。
別に綺麗とか可愛いとか呼ばれたいわけではないのに……
しかも封印したはずの男言葉を使ってしまうし……
「はあ……」
これで何度目の溜息か
そんなにあたしは魅力がないのかな。
「あ、イエロー殿」
ん? あれは……
「ラヴィニス。どうしてここに?」
「あ、いえ、少々。それよりどうされたのですかイエロー殿」
「え?」
「お顔が優れませんがいったい…」
はは、隠すのは無理そうね
「それはね……」
あたしは先ほどの事をラヴィニスに話した
「なんと無礼なことをいう輩ですね。女に対していう事ではありません」
「そう、よね……」
「イエロー殿?」
「あたし、そんなに魅力がないかな……」
この姿が原因で女扱いされてもらえないし
そのせいで……
「イエロー殿。顔を上げてください。私はイエロー殿に魅力がないわけではないと思うんです」
「ラヴィニス……」
「イエロー殿には頼りがいがありがちですが、本当はいろいろ悩む事も迷う事もある。それ故に一生懸命なとこもある。そこが魅力だと私は思います。魅力とは感じる人それぞれですから、魅力のない人はいませんよ」
「ラヴィニス……ありがとう。そう言ってもらえて嬉しいよ」
「いえ、こちらこそ。そろそろ私は行きますので」
そう言って去っていったラヴィニス
そうだね。自信は持たないとね。
さて、今晩にでもそろそろ歪んだ空間の力場について考えなくちゃね。
あたしはそう思い宿屋へと向かったのであった。
イエローの一日でした
休息は続きます




