vs ヴェール2
Side:リヴィア
ここはどこ……? いったい私は何を?
そうか、確かお兄様のもとへ行こうとして……
でも、もうお兄様はいなくて
お兄様……お兄様……!
どうして……!
「大丈夫? リヴィアちゃん」
目を開けてみたらイエローさんがいた
ここは、いったい……?
「ここは……どこですか?」
「ここは城下町の宿よ。それより大丈夫なの? 泣いているけど…」
「え……?」
そういわれて私は自分の頬に手を当てた
そこには涙を流した跡があった
「イエローさん…私……」
「やっぱりお兄さんが死んだのがつらかったのね」
「はい……」
そういわれて私はまたつらい気持ちになりました
やはり夢ではありません。お兄様は死んだのです。
いったいどうしてこうなったのとそう思っていました
そういえば……
「イエローさん。シアンさんはいったいどこに……」
「シアンはねあなたのお兄さんの仇を討とうとあの女に…」
「まさか、あの女の人に挑んでいるのですか!? それはいけません!!」
「リヴィアちゃん?」
「あの人は何なのかはわかりません。けど、わかるんです! あの人が只者ではないという事を!」
「リヴィアちゃん……」
「私は……シアンさんを失うのが嫌なんです! お父様や、お兄様がいなくなって、その上さらにシアンさんまで失うのはもう、嫌なんです!!」
そしたらイエローさんが私に微笑んで言います
「大丈夫」
「え?」
「シアンは簡単には……えっと……死なないよ。こんなところで死ぬほど軟なもんじゃあない」
「でも……!」
「それに、あたしも行かなくてはいけないしね」
「え?」
イエローさんもですか。
「あたしも行く。シアンを死なせないためにもあたしは行く。だからリヴィアちゃんはここで待ってて」
「イエローさん!」
私はそう声をかけたがイエローさんはすぐに消えて行ってしまった
「みなさん…どうか……」
私が行っても仕方がない
私じゃ足手まといになる
ならば、せめて……
Side:紅
ああ、全身がビリビリする。
何とか意識は保ったが、体が動けん。
その上……
「さて、次はどうするの♪」
どうやらシアンの【超絶崩壊音声砲】が消されたようだ
やはり音を消すこともできたのか。しかも【超絶崩壊音声砲】を消すとは
これじゃシアンの戦意が……
「……! …………!!」
動け俺の身体! 何のために俺がいるんだ! 俺は……
「どうすれば……!」
「うふふ、諦めてあたしに殺されなよ♪」
そんなわけにはいかない!
シアン…まだだ……!
まだ俺達は……!
「諦めるかよおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
シアンの《音》が通じなくても
俺が……いるんだ!
「うおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
俺はまだ……
まだ動ける!
「マゼンタ!」
「あれ? 確実に殺ったと思ったんだけど……」
俺は必死で体を起こした
「舐めるな!! この程度でくたばるような鍛え方はしていない!!」
「そう♪ じゃあもっと程度を上げればいいんだね」
ヴェールは不敵に笑い、こちらへゆっくりと近づいてくる
「マゼンタ! 無理をするな! おまえは……」
「ここでしなくて何時するんだ!!」
「!!」
「お前の《音》が通用しづらいんじゃ、なんのために俺がいるってんだ!」
「マゼンタ……」
「お前は王子の仇を討つんだろ! だからここは…」
「それ以上は黙って♪ うふふふふ♪」
手からびりびりと電気を放つ
どうやらもう一度同じことをするつもりだ
「で、あなたはどうするの? この【空気圧】をなんとかしないとあたしには傷一つつかないのよ」
たしかに、火力の強いシアンの《音》が通じない以上、俺の《熱》で何とか……
……《熱》?
「うふふ、いくら叩いても無駄よ♪ 【空気圧】は空気でできているのだから、いくらでも補充できる」
そういえばこの女、俺の【熱線】を二度も避けた
という事は……
……やってみる価値はあるな
「ああそうだな。だからこそ……こうするのだ!」
「?」
と、俺はヴェールの足元に視線を向ける
「【冷可視】!」
「なっ……!?」
オレの視線によりヴェールの足元が凍りつくことで動けなくする
「なに、これ……!? あんた、火を使うんじゃ……!?」
「ようやく笑わなくなったな。あと俺はそんなこと一言も言ってない。俺の能力は《熱》。高温も使えば、低温も繰り出せる」
「だとしてもこれでどうする気なの?」
俺はヴェールにばれないようにシアンにあるアイコンタクトを送る
「お前、俺の【熱線】を避けたよな」
「……それがどうしたのよ」
「お前の【空気圧】は脅威だが、生身はそれほどの強度はない」
「だからどうしたの?この【空気圧】はそうは破れないわ。たとえ強力な攻撃でも空気だからすぐに再生するし」
「だがお前は避けた。つまり、物理的な攻撃は防げるが、俺の【熱線】のような、不可思議の攻撃は防げるかどうかはわからないという事だ」
「そうよ。でもそんなの躱せばいいだけよ!」
「そうか……そう言えば、【空気圧】が再生するのは構築しているのが空気だからか、なら強力な熱気はどうだ!」
「……なに?」
俺は素早く上へ跳び、天井……は無理だが、高い壁に張り付く
「何を……!?」
「こうするんだよ。視界にある者すべて焼き尽くす! 【熱々熱視線】!」
「うわ……!!」
謁見の間が俺の技により視界に移る部分が全て劫火に焼かれる。
「く……! これしきの事、効かない! 【空気圧】はこの程度で……」
「別にこれでダメージを与えているわけじゃあない。ただ、お前の周りの空気を使えなくしているだけだ」
「なに!?」
「お前の【空気圧】はただ堅いだけでなく壊れてもまわりの空気を集めて補充する。なら、その周りを熱気にして使えなくし……」
「……まさか!?」
遠くから大きく息を吸う音が、
「そこに大きな一撃を入れたらどうする?」
「【超絶崩壊音声砲】か! だけどあの技は…」
「お前の【無空間】は補充する空気がなくなるため周りには使えない。その上周りは炎で見えないからシアンの位置は解らない」
「だが! それは向こうも同じじゃ…」
「同じじゃない。なぜなら……」
「【超絶崩壊音声砲】!! 『うああああああああああああ!!!!』」
ドガガガガガガガガ!!
その時、壁や地面を破壊する声が
天使を的確に捉える!
「っ!? きゃああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!??」
どうやら命中したようだ。うむ
「なぜなら、あいつは他者の心音で位置を把握することができるからな」
Side:藍
マゼンタからのアイコンタクト。どう思ったかは解らんが、思いっきり攻撃しろという事は解った。
さて……これで倒れてくれるといいんだが……
「……………」
ヴェールは何も言わずに倒れていた
倒したのか……四輝天使を……!
「おーい。シアン! マゼンタ!」
「イエロー!」
イエローが駆けつけてきた
「シアン……え? もう倒したの、天使?」
「あっさり倒したみたいに言うな。これでも俺達はボロボロだ」
いつの間にか戻ってきたマゼンタが文句みたいに答えた
「マゼンタ! 大丈夫なの!?」
「ああ、大丈夫じゃない。今でも足元はフラフラだ」
「だが、その甲斐もあって何とかヴェールを倒したよ」
仇は討ったぞ。リヴィア。
「あたしの出る幕、なし?」
「おいおい、必死になって倒したんだからもっと賞賛を……」
「……!? 待て、シアンにイエロー! 前を見ろ! まだ倒していない!」
なに!
まさか……! そう思い、オレは正面を見た。
そこには……
「くくくくく。あはははは、あーはっはっはっはっはっは……!!」
「おいおい……」
【超絶崩壊音声砲】は建物一つは軽く崩す技なんだが……
そう思うオレの前に現れたヴェールは……
全身がボロボロだった。
衣服のほとんどは焼かれてしまい
肌の部分もいくつか焦げていた
その上、右腕が千切れかけてるし
その状態で高笑いはかなり不気味だった
「………くっくっくっくっ! せっかくの【空気圧】がこんな形で破れるなんて……おかげで、音の方は軽減はできたけど防ぎきれなかったし、炎に焼かれるし、最悪ね♪ くくくくく!」
「ちっ!」
こりゃ、もう一息だな
「イエロー、マゼンタ。三人がそろったとこだし。一気に片を付ける!」
「ええ!」
「そう…だな…」
とはいえマゼンタは本当に満身創痍だ
早く決着をつけないと
「あ、あはは♪ あっはあはは♪ あーっはっはっはっはっは……!」
目の前ではもうぶっ壊れてる天使
決着をつけようとしたその時だ、
「……【天使化】」
「「「!?」」」
ヴェールの背中にある半透明の淡い翼が突然、
輝きだした!
「あはははは! 神様のいない世界で! この状態のままじゃ! 世界に影響が出るから! いけないけど! あなた達を……あなた達を……! 殺すためなら……! あはははははは!」
「……………!」
この天使、狂ってやがる!
しかもここで本気って!
「終わりなさい! 【雷公】!」
「「「!?」」」
ヴェールの背後に巨大な人の形をした雷が出てきた
そして、その大きな人型の雷は右腕を上げて思いっきり振り下ろした
「!? まずい!!」
「避けろ!!」
「え? ええ~!?」
ズシャアアアアアアアアァァァァァァァァァァ!!!
オレ達は思いっきり避けた
すると振り下ろした右腕の軌道線上にある者が全て……
……炭と化していた
「「「……………!!」」」
オレ達は言葉も出なかった
「もう終わりね! あなたたちはここで……あははははははあはははは!!」
「ちっ!」
「おいおい……」
「これは……」
どうすれば……! そう思った瞬間
「「「!?」」」
目の前にいきなり謎の男が立っているのであった




