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コンプレックスな反逆者たち  作者: ゾンビ―鈴木
第一章・剣と魔法の世界編
12/114

合流、急いで町へ。

いいサブタイトルが思いつきません。大変です。

それでは、どうぞ

  Side:黄


 何やらシアンがやられそうになったので、とっさに殺っちゃったマゼンタだったが……


「シアン。これはどういう状況なの?」


 そう。いまいち状況がわからない。周りをよく観察してみると…


 泣きそうになっている女の子

 重傷を負い、気を失っている女騎士

 たくさんの首なし死体

 うろたえているローブの男と仮面の女。


 ……やっぱりわからない

 おそらく、シアンが女二人を殺そうとした奴らから助けたという事でしょう。

 あ、ローブの男と仮面の女が逃げようとしてる。


「ゲホッ、ゲホッ! ……イエロー、そいつらを逃がすな! ただし殺さずにだ!」

「よくわからないけど、わかった。【重たい空間(グラビトン)】!」

「ぐっ!!」

「がぁ!?」


 悪いけど、逃げられないわよ。

 あんたらの周りの空間だけ“重く”したからね。


「これでいい。シアン?」

「ああ。あとは…」


 と、シアンが彼ら二人に近づき、なにかを囁く。

 すると……


「「ぎいああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」」


 ……いきなり叫びだして、蹲っちゃったんだけど。

 恐ろしいことするな……


「これでよし。さてと……」


 シアンが倒れている女騎士を抱えているけど……


「この近くに医者がいる所はないか!」

「あ、はい! それなら、この道を真っ直ぐ抜けたところに……」


 ……やっぱり、この子たちを助けたのは本当のようね。

 でも、その女騎士はもう時間がなさそうだけど……


「マゼンタ、手伝ってくれ! この人を早く医者のもとへ……」

「待て、その前に……」


 マゼンタ?

 女騎士の元に近づいているけど……何をするの?


「閉じていない傷口はどこにある」

「え? えっと……腹部に大きな傷があるが」

「他には?」

「いや……ここだけだが。なんだ! 急いでいるんだから……」

「どけ」


 そう言ってシアンをどかすマゼンタ。

 そのあと、女騎士の鎧を脱がしてお腹の傷口をさらす……

 ……なにやっているの!?


「!」

「うっ……!」


 ……酷い傷…………

 マゼンタ。あまりの傷の深さにうめき声を上げてるじゃない。


「マゼンタ!? なにを……」

「黙ってみてろ。応急処置だ」


 そういうと、マゼンタの右手に突然熱気が宿る。

 余りの熱さに陽炎が出るほどであった。


「【焼籠手(やきごて)】」


 マゼンタはその右手を女騎士の傷口に…………え!?


「ぐあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 ちょ、ちょっと待って!

 ああ、シアンも女の子も驚いているじゃない!


「な、なにをしているんですか!?」

「おい、マゼンタ!? なにをしているんだ!!」

「応急措置と言ったんだ。少々酷だが、傷口をふさいでいるんだ!」

「…………!?」


 ……そうか! 傷口を焼いて止血をしているんだ。なら……


「あたしはそっちを押さえる。はやくすませて!」

「ああ、もちろんだ」

「あああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 うっ……ごめん。のたうちまわるのは分かるけど抑えて……!

 そして……


「……ふぅ。とりあえずは傷口を塞いだ。あとは医者のもとに行かせるだけだ」

「マゼンタ!」

「詳しい事情は後で聞く。今はその女を助けるんだろ」

「ああそうだ。足りない血液を賄うためにそこの二人も連れて医者のもとへ行かないと」


 と、シアンが指すのは先ほど何かを言ってうずくまらせた二人。

 ……そうか、輸血のための人員なのね。


「ならば急がないとね。あたしはそこの二人を抱えるから、マゼンタは女騎士と女の子を抱えて! シアンはその様子じゃあまり動けなさそうだから、あたしが抱えるわ」


 あたしの《重力》を使えば人二人に子供一人抱えることなど、わけないことよ。


「ああ。わかった。よっこらせ」

「きゃ…………」

「ちょっとまて。オレはまだ……っ!」

「ほら! 無理しないで行くよ。急いでるんでしょ!」


 そう言ってあたしは三人を担ぎ、急いでこの道を走った。

 女の子の道案内を聞き漏らさずに走り森を抜けたところで一つの街が見えた。

 シアンが頑張ったんだもの……間に合って!








――――――――しばらくして――――――――

――――――――ベーラ公爵領の街の診療所――――――――


  Side:リヴィア


「ふう……」


 疲れた顔でお医者さんが治療室から出てきました。

 すぐにお医者さんに結果を訊かないと……


「ラヴィニスは……ラヴィニスはどうなったんですか!?」

「ああ、落ち着いて聞いてくれ御嬢さん」


 ラヴィニスの容態は…………!


「結果だけを言えば、一命は取り留めた。しかし、身体の損傷は激しく完治には時間がかかる。しばらくはここで休養はした方がいい」

「…………そうですか」


 命は救われたのですね……

 それだけでも……安心しました。


「ラヴィニスに会えませんか?」

「いや、まだ目を覚ましておらん。しばらくじっとしておくといい」

「……わかりました。ありがとうございます」


 しばらく、ですか……

 でしたらここには用がありません。ここを出るとします。



―――――――――――――――――――――――――――――――



  Side:藍


 リヴィアが診療所で待っている最中、オレはマゼンタやイエローに事情を説明していた。

 

「……というわけだ」

「あいつが鍵となる人物……」

「ずいぶんあっさりと見つかったものね」


 お前等驚いているな。それもそうか、オレも驚いていたんだし。


「ここはすぐにでも歪んだ空間の力場(ゲート・スポット)に行きたいでしょうけど、何分誰かに命を狙われている様子だし、まずはそこをなんとかしなくてはね」

「ああ……」


 そうだな。イエローの言うとおりだ。

 それに何より……


 せめてリヴィアの安全を脅かすことをなんとかしてからだ

 歪んだ空間の力場(ゲート・スポット)はそれからでも遅くはない。


「ならばここは情報収集だな。イエロー、おまえは俺とこの町で聞き込み。シアン、おまえは王女様にでも、何があったか聞き出してこい」


 ……へ?


「……王女様って誰だよ?」

「「……………」」


 あれ? なんでお前らはそんな目でオレを見るわけ?


「あのな、シアン。ノワールの説明を聞いてなかったのか? 鍵となる人物は、『フィアーラ王国』の創設者である賢者の子孫であり、その血を最も濃く受け継いでいる人物って言ってただろ」

「あぁ……それが?」


 言ってたっけ?


「はぁ…………それで、フィアーラ王国の歴代の国王は、その賢者の子孫であるってことはだ……」


 ふんふん、フィアーラ王国の王様たちは賢者様の血筋……

 …………ん?


「えっ…………まさか?」


 まさかそんなはずは……いや、そうなのか、そうなのか!?


「そう。あの小娘、リヴィアって女はフィアーラ王国の王族かもしれないってことだ」

「えっ……」


 ちょっと待って……


「……ええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!?」


 マジで!?



――――――――ベーラ公爵領の街の宿屋――――――――


  Side:リヴィア


 診療所を出た後、私はベーラ公爵に会おうとしましたけど、

 でもそのまえに、先ほどの子供……いえ、確かシアンとか呼ばれていた子に会わないとね。

 それでシアンさんに会えたのはいいけどたしか……


「大事な話がある。そこの宿屋に来てくれ」


 ……呼び出されてしまいました。

 大事な話……いったいなんなのでしょうか?

 とにかく宿屋へ入って、彼の個室に入りました。

 その後お互い椅子に座って、先にシアンさんが切り出しました。


「確認したいんだが……お前は王女なのか?」

「……………」


 ……はっきりと、そう訊いてくるのですね。

 たしかに、名前はもう知られていますし……

 ここで嘘を言ってもすぐに見破られますし、本当のことを言いましょう。


「そうです。私はフィアーラ王国の第二王女。リヴィア・フィアーラです」

「そうか、お前が…………」


 シアンさん?

 なんでうなだれて……?

 

「じゃあ聞きたいが…なんでお前はあんなのに追われていたんだ? それになぜあんな森に?」


 あんなの……雇われた暗殺者の事でしょうね。確かに疑問に思わざるを得ません。

 私やラヴィニスを助けてもらった恩も忘れてはいません。

 しかし……


「それは言えません。私たちには私たちのやるべきことがあるのです」

「……………」

「もう、私たちの事は関わらないでください」


 もうこれ以上、シアンさんには危険な目には合わせられないのです。 

 助けてもらったことには感謝しますけど、これ以上命の危機に関わることは…… 


「それはできない。おまえがなにか危険なことを行こうとしているのに関わらないわけにはいかないだろ」


 ……聴いてくれません。


「しかし、これ以上はいけません。あの暗殺者たち以上に危険なことがあるのです」

「なんだよ。オレが簡単に負けるとでも?」


 ……それは、その…………

 本当に死にかけていましたし……


「たしかにシアンさんは強いです。……怖いくらいに強いです。けど、シアンさんはまだ子供なんです。現に殺されかけたのです……」

「……………」


 そうです、もしあの時お仲間さんが駆けつけてこなければ、

 シアンさんが……


「だけどよ、オレが死にかけたのは運の悪さが重なっただけで…」

「でも死にかけたのは事実です!」

「……………」

「私とラヴィニスを救ってくれたことには感謝しています。けど! これから先はあの暗殺者たちよりも危険なことがいっぱいあるのです! そんなところに私は……シアンさんを……」


 ごめんなさい……巻き込みたくありません。

 会ってまだ一日ですけど…………こんなにも私はこの人に死んでほしくないのです。


「リヴィア……王女様?」


 ……シアンさん。

 その目は諦めた様子ではありませんね。

 それに王女様は少し……


「リヴィアでいいですよ」

「じゃあ。リヴィア、オレはなあんたを一回助けた。でもすぐに死ぬようじゃ意味がない。せめて根本的な問題ごとを何とかしないと本当に助けたとは言えないんだ」

「しかし、それは……」

「それに、ラヴィニスとの約束もある」

「……………!」


 ラヴィニス……!

 あの人の、約束を……!?


「何よりもラヴィニスと約束したんだ。『リヴィア様を守ってくれ』って。だからお前ひとりで行かせるわけにはいかないんだ」


 シアンさん……


「でも、やっぱりシアンさんにはこれ以上……」

「なーに、今回は仲間もいる。オレも仲間もそう簡単にはくたばらない。あとな……」


 ……あと? あとなんでしょうか?


「お前の事を大切だと想ってる」

「えぇ!?」


 ……そ、そんな不意打ちを言われるなんて……!

 ……本当に不思議な子です。

 仕方がありませんね。


「……わかりました。本当のことをお話します。」


 この子なら何とかなるかもしれない。

 なぜなのでしょうか、うまくいえないけど何だかそんな気がありました。






  Side:藍


 おーし、やったよ。ようやく聞き出すことができたよ。

 やっぱりあれか。「お前の事を(鍵としても)大切だと思ってる」が効いたか。

 そうそう、心配してくれる仲間がいるって意識は大切なんだぜ。

 大丈夫、オレ達は強くなるんだ。

 これくらいで死ぬんじゃ、神には届かないんだから


「私がなぜ、暗殺者に追われていたか。いえ、そもそも王国で何が起こったか。そこからお話しします」


 オレはリヴィアの話を集中して聴くべく、彼女の話に耳を傾けた。

シアンは…いわゆるあれです(笑)

語られる彼女の話とは…!?

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