第34章 第3弾シングルレコーディングlandscapes picture
美織は楽譜を見ながら練習をし、歌詞に感情を記入しながら歌詞を覚えていた。それが完璧に出来たのはレコーディング前日であった。今回のレコーディングはピアノとバイオリンとドラムだけだった。少数精鋭のレコーディングでまた、ワンテイクでOKが出た。とてもスローな曲であった。この曲は、テレビの挿入歌になる事はこの時、誰も知る由もなかった。その知らせが届いたのは発売日から一カ月後の事であった。TBSのドラマの挿入歌であった。【君と僕の夏物語】という恋愛ドラマであった。CD発売日は例の如く渋谷のCDショップで発売イベントが行われた朝から行列が出来る何時もの光景だった。第3弾シングルは初日3500枚販売してイベントは終わった。本格的に曲が売れ始めたのはやっぱりドラマのおかげであったのは間違いない。初週ビルボードトップに初めて立った。「美織、今回の曲はヒット間違いないな?」社長が美織の顔を見てニヤリと笑った。「デビュー曲を超えられますかね?」美織は社長の顔を見て優しく微笑んだ。「そうだな?TBSのドラマの挿入歌に決まったからなぁ!」社長が初めて美織にその事実を教えた。「やった!」美織は大きな声で叫んで喜んだ。ドラマが始まるとCDとストリーミングの数が右肩上がりに急上昇し始めた。急遽MVを作成しドラマの一場面を入れた物でユーチューブで流れた。いつもドラマの見せ場で流れてくる曲は涙なしに語れないものになっていた。がドラマが最終回を迎えるとCDの売り上げは激減したがストリーミングの数は爆上がりし一億再生を達成した。ゴールド認定を受けた。CDの出荷枚数は第2弾シングルと同じく80万枚でミリオンヒットにはならなかった。こうして、美織は一発屋のレッテルを徐々に張られ始めた。社長は「時代のせいだと養護した。CDが売れない時代だからストリーミングの数は負けてないと、」いつも言って美織を元気ずけた。美織は大学卒業まで1年を切っていた。勉強に集中させた。芸能活動は少し休ませた。そんな時に筒井マネージャーが学校の正門の前に現れた。「社長が美織と行きたい所があるからこれから一緒に行ってくれ!」という事だった。美織は車に乗って事務所へ向かった。事務所に着くと社長が美織を手まねきした。美織は社長のデスクの前に立った。「おはようございます。」美織は挨拶をすると「おはようございます。」社長は挨拶を返してパソコンを美織に向けた。その画面を見て美織は驚いた。美織も良く知っている。女性だったから美織もユーチューブで彼女の存在を知っていた。可愛いくて歌が上手い。「彼女は私もチェック済みです。歌が上手い。どうかしたんですか?仙台の久保美空さんですよね。」美織は社長の顔を覗いた。「そうか?知ってるか?話は早い、これから仙台へ行く美織も来い!竹下さん、新幹線チケット取ってくれないか?」社長は竹下の顔を見た。「了解しました。」竹下はパソコンをカチカチと操作した。「社長、2時間後の5時の新幹線です。」竹下は社長の顔を見た。「オッケー!有り難う。」社長は竹下の顔を見て優しく微笑んだ。「さあ!行こう!話はおいおいする。」社長は美織と筒井の顔を見た。三人は事務所を出て行った。東京駅に着くとレストランに入って食事をしてチケットを受け取りホームへ行き新幹線に乗った。すぐ新幹線は発車した。すると社長から「久保美空をABCレコードにスカウトする。」と言うものだった。美織はすぐにお払い箱だと気付いた。「多分、彼女もシンガーソングライターだと思う。自分で作って歌う美織と同じタイプだなぁ?OKなら本日中にサインを貰う。美織はゆっくり学業に打ち込んでくれ!」社長は美織の顔を見て優しく微笑んだ。「社長、私はお払い箱でしょうか?」美織が不安そうな顔をして社長の目をじっと見つめた。「バカ!そんな事はない?これまでどうり活動してもらうが学業を1番でやってくれれば良い。」社長は美織の目をじっと見つめてニヤリと笑った。「分かりました。そのつもりでいます。」美織は社長の目をじっと見つめて優しく微笑んだ。1時間30分で仙台駅に着いた。三人はタクシーに乗り込んで国分町までと頼んだ。彼女が毎晩ライブをやっている仙台の繁華街である。現場に着くと人盛りがすでに出来ていた。美織はサングラスを外し梅澤美織とわかるように三人で後ろから路上ライブを見学した。演奏が終わりお客が前からハケて行くと三人の顔を確認した久保美空は美織の顔を見つめて驚いた。美織は美空の目を見つめて会釈した。「こんばんは。梅澤美織です。初めまして、今晩はあなたの歌を聴きに来ました。お話出来る?ABCレコードの社長と私のマネージャーも来てるわよ。仙台って言ったら牛たんだよね。お腹すいたからお店紹介してくれないかしら?」美織は美空の目を見つめて優しく微笑んだ。「はい。わかりました。こちらです。」美空は三人を店まで案内してくれた。四人はテーブルを囲んだ。「上たん定食4人前1つライス大盛り。お願い致します。」社長が頼んだ。社長は久保美空の目をじっと見つめてここに来た理由を話した。「君をABCレコードにスカウトしに来ました。」と話した。四人は食事を終えると喫茶店に場所を移し久保美空は社長が読み上げた契約書にサインした。その中の文言に美織も知らなかった契約があった。【原盤権】はABCレコードに附属する。というものだった。美織は知らなかったのか忘れたのか確かではなかった。これを持っているのと持ってないのでは雲泥の差があるからだった。美織はこれまでお世話になったから別に良いかと思っていたが後に大問題化する。明日、6月25日は美空は上京する事になる。




